さて、こんなことから今日は書きはじめようと思う。同じWHITE BUILDINGSの詩集の中からのRECITATIVE の一篇。第4連と第6連である。
第4連の最後の一行:
And gradually white buildings answer day.
そうして1連飛ばして、第6連:
The highest tower, --- let her ribs palisade
Wrenched gold of Nineveh; --- yet leave the tower,
The bridge swings over salvage, beyond wharves;
A wind abides the ensign of your will . . .
この詩のwhite buildingsと、towerに着目して欲しい。前者は、こうしてみるといつも複数形である。後者は、これはTHE BROKEN TOWERという詩もあるように、これはやはり、WHIE BUILDINGSそのものなのである。このRECITATIVEという詩を論じることは、また後日としたい。例によって、この題名は2重の意味があり、またその裏の意味、いや真の意味というべきか、それは、RECITATIVE形容詞という品詞であるということに大いに関係のある筈だ。この詮索は後日としよう。同じ品詞と意味の組み合わせを、ぼくたちは、GARDEN ABSTRACTという詩の題で論じることになる。すなわち、このGARDENが動詞か名詞かという問いに対して、それぞれの正解があるのだ。WHITE BUILDINGSの中のFOR THE MARRIAGE OF FAUSTUS AND HELENのIIの最後の連の最後の3語が、the gardened skiesなのである。GARDEN ABSTRACTに歌われた当の歌の中身が、そのままそうである、そのようにさせるGARDENという動詞の意味なのだと思う。それでは、gardenされた複数の空とは何か。すべてCraneの言葉は暗号のように見えるが、それはそうだろう、当時であればなほ、男色は禁色であったろうからである。Chaplinesqueに歌ったように、法律に従うのでもなく、金儲けなのでもない、すなわち嘘ではない行為、それがChaplinesque、つまり、Chaplineユs que、男色者の尻にペニスを入れての数珠連なりなのだ。そうして太陽のstrideに合わせてサイド・ステップを踏む。
何が言いたいか。TowerもBridgeも、男色者達の性の営為のformationだということが言いたいのだ。前者は垂直方向の、後者は水平方向の。後者の詩は、既に論じたように、The Bridgeの中のProemたるTo Brooklyn Bridgeに明らかである。それは、beadsであり、queであり、男色者達が数珠連なりになる、太陽の役割の男に支配される、苦しみと歓びの世界と再帰的・自己鏡像的な死刑執行の世界である。そのmotionを。さて、これに対し、前者は、Towerというのであるが、それは、一体男色者達がどのように塔を作るのか、塔と今僕は日本語でいうが、その日本語でいう概念が果たして、英語のtowerかというと、既にして明らかなように、それは、言語の本質からいって、実際にもそうではないのだ。詩人は、この同じ概念だと思われるものを、幾つもの詩の中で、altitudes、緯度と言い換えている。さて、そうであれば、それはどうであるのか。垂直方向の、この性の営為の理解と解釈には、ぼくはもう少し時間を必要とする。男色者達は別に騎馬戦をしたわけではないだろう。幾つかのキーワードを使ってGoogleで検索すれば、この間のbalooningやloftのように、男色者の写真が現れて、一目で直ぐにわかるのかも知れないが、それではぼくには少しも面白くはないのだ。でも、興味のある読者は検索してみるとよい。結果をお知らせ下さい。それから、そのときのキーワードも。如何か。
【原文】
Into a realm of swords, her purple shadow
Bursting on the winter of the world
From whiteness that cries defiance to the snow
【表の訳】
剣の王国へ、すなわち自然の紫色の影の中へと成長するのであり、
世界の冬の上でこそ時満ちて一挙に春になり芽吹くのである。雪の白色に挑戦し、これに戦って雄叫びを上げる、汚れなき無垢の白さから破裂して。
【裏の訳】
さあ、剣の王国、騎士達の国へと飛び込む、そのような挑戦があり、つまり、ペニスの男色者王国、満足の言葉を漏して絶頂に達するあの王国の中へ、高度の修辞に満ちた高貴な自然の紫色の影の世界、聖なるものを侮辱し、濫用する世界、ぼくたち男色者の避難所、影であるがゆえに、どうしても我が身と分ちがたい数珠つなぎの世界へと勇気を以て飛び込むのだ。そうして、男色者の世界の冬の季節、すなわち宇宙の星辰のシステムに則った運動によれば、夜が長く昼の短い、ペニスの萎えた季節の上へと直かに、満足の果てに射精をする。しかし、その季節の色は白なのだ。この色は、汚れのない純潔の白なのであり、冬の単なる雪の白い色に、そう、今この瞬間この時にだけ満足していればよいという、そのような見せ掛けのうつろい行く儚い白い世俗の一瞬の白色なのではなく、これに挑戦して戦いの叫びを上げる、そうしてそれが快楽の叫びである純潔純白の白、その抽象的な色の白さから、女性たる自然の紫色の雪上の影を高度な修辞と比喩の体系を、永遠の歓びの声を上げて、そうやって射精とともにペニスから吐き出すのさ。
【解釈】
1.a realmは、不定冠詞が付してあるので、これはAの意味から、既にTo Brooklyn Bridgeで説明したように、男色者の意味である。従い、これは男色者の王国という意味。
2.Swords。これも実は剣であって、もし裏の訳ならば、一目男根の形象なのであるが、最後の行のsnowと相俟って、僕には、更にもうひとつ奥の意味があるように思われる。実は、ここまで読むと、これは深読みのし過ぎであるのかと思うのであるが、それでもいってみずにはいられない。
Chaplinesqueの第3連にits puckered index toward usという文句あり、そこにindexという言葉がでてくるが、これは、多分この詩の解釈をする際にも論じたことだけれども、男色者達が、AはAppleのA、AはAssのA、AはAnusのAとか、またPはPenisのPといったように、indexを持っていて、それを性行為の指示や命令や連絡や、要するに本当に幸せな意思疎通、お互いに疑うことなく意志と意味の通じ合う歓びに身もこころも任せるときに発した隠語というべき符牒なのだと思う。
下にある語釈のSまたはsを見ても、性行為の姿のSなのか、何かいわば男者の辞書というものがあって、そう、男色者用語辞典があって、Sはアルファベットの19番目の文字だということに意味があるのかも知れない。今ここで何か思うことができるのは、その語釈の意味の中で、abbreviation for satisfactoryとあることだ。
つまり、swordsとは、the words that are satisfactoryであり、snowとは、NOW that is satisfactoryという意味である。だれにとってかというと、それは男色者達、すなわちthe worldに住むgay達にとってである。Chaplinesqueの第2連で同じ語を解釈したように、それは定冠詞のあることからも男色者の世界だということをぼくは言った。勿論表の意味は、世界である。
つまり、swordsとは、満足のゆく言葉、ああいいという満足の言葉、快楽の言葉という意味であり、snowとは、やはり満足のゆく瞬間、この今という時間、溜め息の漏れる、沈黙の今なのであるとぼくは思うのだ。
同じことは、C_33のCについても、実は、言えるのだと思う。このことは、更に後日論ず。
【語釈】
辞書はいつもながら、Webster Onlineです。ぼくが見つけた意味以外にもまだ隠れた意味がある筈。どうかご自分で言葉の聖杯探究をして下さい。
1.s
2.Realm
3. swords
4. purple
4.1 profanity
4.2 profane
5. shadow
6. burst
7. winter
8. world
9. whiteness
10. cry
11. defiance
11.1 defy
12. snow
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