Twice and twice
(Again the smoking souvenir,
Bleeding eidolon!) and yet again.
Until the bright logic is won
Unwhispering as a mirror
Is believed.
[表の訳]
あっちが2倍ならば、こっちも2倍だろうが、こんなことも解らんのか
(まただ、どこにもありきたりの、観光地の土産物みたいな上役が
スパスパ葉巻きを吸いながら、あるいはハバナ辺りの土産のパイプでコツコツ
机を叩きながら、そう言うものだから、かわいそうに、若者のこころが傷付いて、
いわば血を流している)、それを、また何度も繰り返して計算するんだ。
この計算の、誰にも自明な論理が、鏡に映る姿が現実のものと寸分違わぬと誰もが信じて疑わないのと同様に、つまり、それが現実の経営状態を精確に映しているのだということは、そもそも囁いて声に出して言うことさえもするまでもなく、黙っていても明らかなのだから、この昼日中の論理の解答が得られるまで、それまで、何度もこの論理の計算を繰り返せば、それでいいのさ。
[裏の訳]
2度やろうぜ、またその次も
あるいは、あっちが2人ならば、こっちも2人で組もうぜ
こうして、鏡を前にして、同じ姿の男同士が、丁度合わせ鏡のようにしているように(そうやって、また、あの一時の避難場所の、安息の田園の、しかし、我が身の所有するすべての能力も財産も全て投げ打ち、奉仕しても悔いの無い、あの、penisを口に銜(くわ)えて吸い、大きくしていい気持にしてくれる、あのお土産の葉巻きと、そうして、どこかから手土産にと連れて来たのか、その若者の男色で流す赤い血を)、そうして、何度も繰り返そうぜ。
あの輝く論理、つまり、曇りの無い鏡の論理、夜を白昼に変貌させる論理、twice and twice、cellの論理、詩作の原理が、男色の合わせ鏡の、ホストとゲストの役割交代の、同じスクリーンを共有して行うあの自慰行為の、それは、同じ姿であることがお互いに愛し合い、信じあうことができるから、男と女が情を交わすのとは違い,余計な見かけの睦言も不要で、ただただ沈黙して、同じ論理を繰り返して、ついにはこの男色の論理が勝って自分のもの、僕達のものになるまでは。
[註釈]
(1)To Brooklyn Bridgeにあったように(第4連と第8連)、「ー」という記号は、対象の詩化とともに、ひとの夜明けがやって来るのでした。前の連で「ー」とありますので、この連では、オフィスの様子が描かれています
(2)また、To Brooklyn Bridgeでは(第3連と第9連)、againとあると、それは、その言葉とともに、また仕事の日常へとと詩は向かい、世俗のさわめきと騒音が聞こえるのでした。この連でも、やはり、次の解釈するような、ウオール街のオフィスの日常のざわめきと騒音、Chaplinesqueでいうならば、"A grail of laughter"や"all sound of gaiety and quest"が聞こえるのです
(3)twice and twiceとは、訳したように、あっちが2倍ならば、こっちも2倍という意味です。つまり、会社の帳簿の付け方の、その基礎にある数学の計算を言っているのです。カラム、columnが2倍になれば、ロー、rowも2倍になるし、それは論理的な必然なので、当然、そうしたものだとして、記帳しなければならないのに、それをしないで、叱られる、そのような語勢で、若者(eidolon)が注意されている
実は、この詩も、"Twice and twice"で出来ている。"Twice and twice"でwhite buildingされている。なんて野郎だと、僕はまた声を出す。To Brooklyn Bridgeと同じに、階層化したのです。次のように
2階(1、5)
1階(2、4)
0階(3、3)
この詩の階層はまだ単純で、2階建て、0階を入れても3階立ての建築物です。To Brooklyn Bridgeは、地下の地獄を勘定すれば、5階層、すなわち、5次元の詩です。実は、僕が構想していた散文が5次元でした。それを、もうやっている奴がいたなどということは、驚きであったのです。しかも、詩の領域で。また、しかし、さもありなむと思います。日本語でこれをどうやって行うのか。詩人達に聞いてみたいと、僕は、密かに、思うのです
(3)the smoking souvenirとは、上役が、どこかのお土産に貰ったか、買ったかした、パイプだということでもいいし、或は、煙草を吸いながら、仕事振りを検査するそのような(reminderとしての)男だと思ってもいいと思います。前者ならば、机をコツコツ、そのパイプでする音が聞こえます。"Twice and twice"といいながら、それに合わせてコツコツと
あるいは、このsouvenirに係る、smokeには、a column of smokeという意味がありますので、煙りのカラムを吹かしてという言葉遊びもあると思います。そうやって、おい、カラムとローがあるだろう。これが、計算の基礎、ビジネスの基本だといっているのです。
(4)Bleeding eidolonとは、そうやって、叱られて、こころが傷付き、言わば血を流している若者の姿を言っています。勿論、これは、表の意味。裏の意味は、男色で、A rip-teeth of acetylenで血を流している若者の意味です。つまり、実際にbleedingしているのです。
(5)bright logicとは、このように、昼間仕事をする社会では、疑いようの無いほど確かな論理、だから、昼間の論理、だれもが認める論理という意味です。これは、次の連のthe noonに係っています。
(6)Unwhisperingとは、従って、鏡に映る自分の姿、人の姿が当人であると寸分違わぬという意味で、囁いて教えることすらない自明のことだという表の意味と、これに対して、男色の行為の歓喜から、To Brooklyn Bridgeならば、"immaculate sigh of stars"といったときの歓喜極まって声にならぬ最高の声、すなわち、沈黙のことを指しています。囁くことすらしないのです。そもそも、声に出すなどということは、問題にならないのです。
また、男の鏡には男が映り、女が映ることがありませんから、unwhisperingとは、男と女で性行為をするのとは違って、男同士では、そんな余計な睦言はいらない、そのような言葉も不要で、ただただ沈黙があるのだ、それが幸せなのだという、そのような意味もこめられています。それは、眞のコミュニケ-ション、packageを開けるのでは無く、parcelの包まれるコミュニケーション。
(7)the smoking souvenir
語釈も御覧下さい。Smokingとは、もちろん、裏の意味は、balooningの意味。To Brooklyn Bridgeの第5連にあるbalooningです。男性のpenisをすぱすぱ葉巻きか煙草のように吸って、それに火を点けるという意味、大きくして感じさせるという意味です。帆布の繊維でringを作り、penisの周りに付けて、ballooningをする。どうも、そのようです。詳しい方がいれば、だれか教えてください。
(8)Legend
この題名も、こうして第3連まで読んで来ると、これは、男色者の願う、神との契約という意味であることが明らかになりました。これが、Hart Craneの詩の重要な主題のひとつ、いや、根幹にあるものです。すべてを、自分自身を含め、つまり、自分の死と引き換えに、願う契約の実現、これが繰り返し、Chaplinesqueにしろ、To Brooklyn Bridgeにしろ、このLegendにしろ、繰り返し、again、現れる、Craneの歌の主旋律です。これが、昨日の【問い】に対する、僕の答えです。
そうすると、この詩の題名も、伝説だけでは表の題。裏の題は、男色者の契約という題になります。
以下に、僕がこの詩を訳すに当たり、Websterで調べた言葉をあげます。省略はいつもの通り、1万文字の制限故。
[語釈]
(1) twice
(2) smoke
(3) souvenir
(3.1.1) endowment
(4) bleed
このbleedは、実際に裏の意味では、To Brooklyn Bridgeにあったように(第6連)、男色でpenisに歯を立てるので血がでる意味と、表の意味は、実際に事業として赤字で、血がでるというビジネスの言い廻しの慣用句と、また、更に後者の意味では、そうやって、上役に叱られて、傷付き、いわば血が出ていると言うオフィスの若者の心の状態を言っています。
(5) eidolon
Eidolonは、次の連の、caper, youthと縁語です。若者のこと。しかし、その若さ故に、はかない、幽霊の如き。他方、しかし、それ故にまた魅了するアイドル。To Brooklyn Bridgeならば、some page to be filed awayのpage、給仕職の10代の若者。男色の対象足り得るお稚児さんを言っています。
Idolには、Idyllという意味のあることから、この男色の世界も一時の田園詩、都会を離れた安息の場所なのです。そうして、すべてを投げ打ってでも献身に値する対象でもある。
(5.1) idol
(5.1.1) impostor(5.2) phantom
Phantomはapparitionであった。Ghostとphatomは違う。
Craneの最晩年の詩、To Conquer Varietyの最初の1行にあるghostは、phatomではなく、実体がある。
ということは、To Brooklyn Bridgeの第2連のapprationalだと見る男色者の眼は、言葉の意味のみが明らかな世界、この世はというべきか、眼前の現実は、うつつ、虚ろ、実質的な存在ではないという、この辞書にある通りの意味であることになる。Ghostを、僕が、亡霊と訳したのは、凄まじさがあるから。Phantomは、幽霊。はかないから。
(5.3) ideal
このidealということから、eidolonは、次の連のa perfect cryのperfectに係る縁語です。a perfect cryは、オフィスの若者が、男色行為に際して上げる、言葉にならぬ歓喜の言葉、すなわち、完璧な叫び声とは、沈黙、silenceを言っています。これが、裏の意味。表の意味は、この連にあるような、twice and twiceの計算が、完璧にできた!という若者の叫び声か、上役の、完璧にできたじゃないか、という叫び声のいづれかです。
さて、こうして考えて来ると、第1連のsilenceにも、このように2つの意味が掛けられていることになります。
(6) bright
Twice and twiceという論理、logicは、これは、matrixの論理なのです。The Broken Towerという詩で、the martix of the heart、Craneが、心臓のマトリクスといっているものの原理が、これです。その要、本質にあるものとことの名前は、cellというのです。これは、C 33と題した17歳のときの最初の
公にした詩の題名が、Oscar Wildの男色故の投獄の独房の番号であったということと、いや、そうではなくとも、やはりTo Brooklyn Bridgeの第5連を読み直して下さい。そうすると、そこは一般的な表現で男色の地獄。そしてまた、このような思考と詩作のマトリクスのcellとの、ふたつの意味も掛け合せているのです。
Cellがなければ、詩作はできない、しかし、cellは、同時に牢獄である。あっちが2倍ならば、こっちも2倍なのです。おわかりでしょうか。
昼間のビジネスの論理としても昼間の、そして文字どおりに輝かしい論理。他方、夜の論理としては、男との女のコミュニケーションとは異なり、何も睦言を囁き声で交わす必要など最初から毛頭ない、モーションに合わせるだけで意思疎通のできる、男と男の素晴らしい、輝かしい、つまり決して曇ることの無い論理のことが言われています。
(7) logic
Logicがlegendであるということは重要です。これは、実は、この題名は、伝説と言う一語では、納まりがつかないのです。Legendとは、所有権の移転や譲渡を伴う、あるいは使用の許諾のための、契約概念の一種です。ここでも、To Brooklyn Bridgeと同じ、男色者と神との契約書、To Brooklyn Bridgeでは、気狂い騎士が橋の欄干から手にしてウオール街に堕ちて行った、また落ちていった、そのときの契約書です。
(7.1) legend
(7.1.1) caption"the part of a legal document that shows where, when, and by what authority it was taken, found, or executed"からも、legendは,契約概念の一種です。たとえば、あなたが使うパソコンの為のソフトウエアを購入したとして、そこにある契約書は、legendです。また有価証券に裏書きしますが、そこに書いてある契約条件はlegendです。所有権の移転や譲渡に関係する契約書のことをlegendというのです。それに、そもそも" the heading especially of an article or document : TITLE"ということから、
(つづく)
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