2016年12月31日土曜日

お沙羅婆ラップ

お沙羅婆ラップ

おシャラば、おシャラば、おシャラばよ
私が愛した人沙羅い
今年は到頭、娑婆とはお沙羅婆
雲を霞の仙人生活
打ち出の小槌をチョイと振れば
大判小判がざつくざく

ああ、もつともだあ、ああ、もつともだあ
ああ、もつともだあ、ああ、もつともだあ

おシャラば、おシャラば、おシャラばよ
私が愛した人沙羅い
今は到頭、シャバダバダッタン
蝶々が一羽、渡つて行くので
海峡、遥かに見下ろせば
大波小波が、キンラキラ

ああ、もつともだあ、ああ、もつともだあ
ああ、もつともだあ、ああ、もつともだあ

おシャラば、おシャラば、おシャラばよ
私が愛した人沙羅い
今日は到頭、沙婆とはお沙羅婆
雲の上にて日向ぼつこすれば
忘れん坊がやつて来る

さあて、みなさま、ご機嫌やう
さあて、みなさま、ご機嫌やう

おシャラば、おシャラば、おシャラばよ
私が愛した人沙羅い
昨日は到頭、沙婆とはお沙羅婆
娑婆のあの人、娑婆のこの人、みなの顔がノツペラ坊
ほら、忘れん坊がやつて来た

さあて、みなさま、ご機嫌やう
さあて、みなさま、ご機嫌やう

2016年12月15日木曜日

今日私たちは鳥になつた

今日私たちは鳥になつた

確かに予兆はあつた
鳩たちが何羽も、私の足元や
座つてゐるベンチの上や背もたれに止まりに
来てゐて、凝つとしてゐる

昼下がりに
近所の公園のベンチに腰掛けてゐて
何も考へずにゐて、ボーッとしてゐる
と、その内、組んだ脚の右膝と腿の上に
二羽の鳩が止まりに降りて来た
膝の上は片足だけの鳩が
腿の上には両足のある鳩が
片足の鳩は、私を真正面に見て
凝つとみつめて、何かを
私に語りかけた
しばらく話をして
私は、また、しばらく眼をつむつた
眼を開けると、二羽はまだ静かに止まつてゐる
昔々子供の頃
家の在つた丘陵を降りて湖のそばの道を散策して
思索に耽つてゐて何も思はず、雀たちと思はずに近づゐて
ふと気がつくと
鳥たちは静かにしてゐて、逃げない
が、子供の悪戯ごころで、焼き鳥にして食べてやらうか
と、少しでも思つてみたら、一斉に飛び立つて逃げてしまつた
ことを思ひ出したら
二羽とも、連れ立つて、何処かへ飛んで行つてしまつた
私が人間に戻つたからであらうか、それとも、
私が猛禽類だと気付いたからであらうか
いづれにせよ今日、確かに
今日から確かに、私は鳥類になつた
と、鳩たちが告げに来たのだ

確かに理由はあるのだ
と、二羽が去つてから思ひ出した
見るものは見られるもの
存在を見ると、存在が見返す
私たちはもはや人ではない
鳥である。








2016年12月14日水曜日

『この「死ね」がいいね』と君が言ったから十二月一日はサラバ記念日


『この流行語がいいね』と君が言ったから十二月一日もサラダ記念日

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