2010年3月31日水曜日

Black Tambourine3

第2連を見て見よう。

Aesop, driven to pondering, found
Heaven with the tortoise and the hare,
Fox brush and sow ear top his grave
And mingling incantations on the air.

これも、表通りで、普通に読むと、本当に何を言っているのだろうと思うような詩だ。

【表の訳】

イソップは、何かに駆られて沈思黙考しているうちに、亀と兎のいる天国を見つけたが、狐の尻尾と牝豚の耳が、イソップの死を頂点にもってゆき、そうして空気に触れて呪文を混ぜる。

【裏の訳】

イソップは、尻を上げてAのポーズをとっているが、強いられて心の中で静かに味わっていると、兎と亀の天国、すなわち感じてはやく行くのが勝ちなのではなく、いくのが遅い方が勝ちなのだというお話通りに天国を発見するし、狐の尻尾のブラシと牝豚の耳で、イソップが快感の絶頂で死に到るように感じさせる。周りで、行くのがもっと遅くなり、絶頂感が長く続くようにという呪文を、実況中継して、そこに混ぜ入れながら。


【解釈】

Aesopとは、これもCrane好みの言葉で、最初から仕掛けがある。
このイソップという童話の作者の名前をひっくり返すと、Pose A、即ちAという尻を上げた姿勢をとる、その姿勢という意味になるからだ。

また、イソップは、アフリカ生まれの黒人であったという説が念頭にあって、Craneは、この詩を書いている。それは、第1連にあるa black
manに始まり、第3連にあるAfricaに到るまで、そうである。

表の訳の方に無理があって、表の訳を考えていると、そのまま裏の訳に到る。表裏不可分。

狐の毛でできたブラシと牝豚の耳というのは、膨張したペニスには、特に優しく、感じやすくさせるものなのだろう。だから、そのときの呪文とは、すぐ行かずに、もっと長くもつようにというおまじないの言葉。何と言ったかは、わからない。あるいは、他のCraneの詩を読むと、想到するかも知れない。

兎と亀の話は、イソップの有名な話であるが、ここでは、速い兎が負け、遅く行く亀が勝ちという結末から、先に行ったら(射精したら)負け、遅く行った(射精した)方が勝ちという、そういう話を男色者達が実際にしていることをいっているのだろう。

On the airは、Craneの色々な詩によく出て来る言葉であるが、
結局、これは、性行為をしているふたり(あるいは、もっと複数)の周囲に、他の男色者達がいて、その行為を見ていて、実況中継をしているととることが、一番自然のように思うので、そのように訳した。

mingling incantations on the airを、そのまま普通に訳しても、全く何を言っているのか、わからないことだろう。

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