2014年2月6日木曜日

Der Knoten(結び目):第6週 by Wilhelm Busch(1832 - 1908)



Der Knoten(結び目):第6週 by Wilhelm Busch1832 - 1908





【原文】

Als ich in den jugendtagen
Noch ohne Groebelei,
Da meint' ich mit Behagen,
Mein Denken wäre frei.

Seitdem hab' ich die Stirne
Oft auf die Hand gestuetzt
Und fand, dass im Gehirne
Ein harter Knoten sitzt.

Mein Stolz, der wurde kleiner
Ich merke mit Verdruss:
Es kann doch unsereiner
Nur denken, wie er muss.


【散文訳】


わたしが青春の日々にあって
まだあれやこれやの世間の蕪雑もなく
わたしは心地よく思った
わたしが考えることは自由だと。

それ以来、わたしは額を
よく手の上に立てて
そして、脳味噌の中には
一つの固い結び目があることを知った。

わたしの誇りもあったが、それは小さくなり
不機嫌を以て気付いたことは:
われわれのような者は、しょせんは
考えねばならぬようにしか
考えることができないということである。


【解釈と鑑賞】


この詩人のことを書Wikipediaです。


http://de.wikipedia.org/wiki/Wilhelm_Busch


この詩人はドイツの詩人です。素描もよくしたとあります。

この詩は平凡な詩ですが、このように言えるということに救いがあります。

この詩人らしいのは、

額を
よく手の上に立てて
そして、脳味噌の中には
一つの固い結び目があることを知った

という連でしょう。

この表現の仕方、語彙の選択に、この詩人の感覚(センス)があります。

このセンスは、そのままこの詩人の画業に通じている絵画的な表現です。

編者は何故この時機、この時節に、この詩を持って来たのか。若いひとたちのための選択であったのでしょうか。それぞれの年齢で読むことのできる詩です。

そうしてみれば、この詩の題名の結び目も絵画的な語彙選択です。ドイツ語でder Knoten、結び目と訳したこの言葉は、また瘤(こぶ)と訳すことができます。その方が詩の理解を助けるならば、その訳にしてもよいと思います。


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