【Eichendorfの詩 54-2】Wehmut(哀傷)
【原文】
2
Sage mir mein herz, was willst du?
Unstet schweift dein bunter Will;
Manches andre Herz wohl stillst du,
Nur du selbst wirst niemals still.
》Eben, wenn ich munter singe,
Um die Angst mir zu zerstreun,
Ruh und Frieden manchen bringe,
Dass sich viele still erfreun:
Fasst mich erst recht tief Verlangen
Nach viel andrer, bessrer Lust,
Die die Töne nicht erlangen―
Ach ,wer sprengt die muede Brust?《
【散文訳】
わが心臓よ、言うがよい、何が欲しいのか?
お前の色とりどりの意志は、定まらずにたゆたふている
幾多の他の心臓を、お前はきっと静かにするだろう
お前自身だけが、決して静かにはならぬのだ。
》そうさ、その通りさ、もしわたしが陽気に歌えば
お前の不安を散ずるために
わたしは、憩いと平安を幾多の人々に運んで来るし
そうすれば、多くのひとたちが静かに喜ぶのだ
わたしをまづは深い欲求が捉える
多くの他のひとたちに向かふ欲求が、よりより意欲が
その意欲は、数々の音を勝ち得ることがない―
ああ、誰が、この疲れた胸を粉砕するのか?《
【解釈と鑑賞】
同じ題名のもとでの2番目の詩です。
話者が自分の心臓に話かけている。
この詩もまた、詩人と世間の倒立関係、倒錯した関係を歌っていることがわかります。
世間のひとを、詩人はその歌でこころ静かにすることができるが、他方、詩人自身は、こころ鎮まることがないという。
最後の2行は、詩人の苦しみの2行です。
これも、詩人のWehmut(哀傷)です。
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