2014年2月6日木曜日

【Eichendorfの詩 53-6】Sonette(ソネット)

【Eichendorfの詩 53-6】Sonette(ソネット)

【原文】

                          6

Ihm ist's verliehn, aus den verworrnen Tagen,
Die um die andern sich wie Kerker dichten,
Zum blauen Himmel sich emporzurichten,
In Freudigkeit: Hie bin ich, Herr! zu sagen.

Das Leben hat zum Ritter ihn geschlagen,
Er soll der Schoenheit neid'sche Kerker lichten;
Dass nicht sich alle götterlos vernichten,
Soll er die Götter zu beschwören wagen.

Tritt erst die Lieb auf seine blueh'nden Hügel,
Fühlt er die reichen Kränze in den Haaren,
Mit Morgenrot muss sich die Erde schmücken;

Suessschauernd dehnt der Geist die grossen Flügel,
Es glänzt das Meer―die mutigen Schiffe fahren,
Da ist nichts mehr, was ihm nicht sollte glücken!


【散文訳】

彼に、混乱した日々の中から、授けられているのは
他の人々を巡って監獄のように犇めき合っている日々の中から授けられているのは
他のひとびとが青い天へと自分自身を高めること
悦びの中で:ここに我在り、神よ!と言うことの。

生は彼を騎士の位を授け
彼は美の羨望する監獄を光で照らすのが使命である;
皆が不敬にも神を忘れて我が身を滅ぼさないように
彼は神々に敢えて切願しなければならない。

まづ愛が、彼の花咲く丘の上にやって来ると
彼は、豊かな花飾りを髪に感じる
燭光(朝の光)を以て、大地が自らを飾らねばならないのだ。

甘く打震えながら、精神は偉大な翼をひろげ
海は輝き―勇敢な船達は往く
そこには、彼が成功しないものは、もはや何もない!


【解釈と鑑賞】

第2連で、「美の羨望する監獄」とあるドイツ語の意味は、監獄が羨望の念を抱いているということ、そのような監獄が美の監獄であるとは、監獄に棲むような犇めく世俗の人々が美を羨望しているという意味です。

文法による形式的な解釈はまた、美が監獄を羨望しているととることも論理的には可能ですが、ここではその訳はあたりません。

最初の2連は、随分と重たい連となっているのに対して、後半の2連は、それと均衡して美の世界の言葉となっています。


まさしく、前半2連の歌っている通りの詩となっております。

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