2014年2月8日土曜日

【西東詩集57-6】 Buch der Sprüche(箴言の書)


【西東詩集57-6】 Buch der Sprüche(箴言の書)


【原文】

WELCH eine bunte Gemeinde!
An Gottes Tisch sitzen Freund - und Feinde.

IHR nennt mich einen kargen Mann;
Gebt mir was ich verprassen kann.

Soll ich dir die Gegend zeigen,
Musst du erst das Dach besteigen.

WER schweigt hat wenig zu sorgen,
Der Mensch bleibt unter der Zunge verborgen.

EIN Heere mit zwei Grind
Er wird nicht wohl gepflegt.
Ein Haus worin zwei Weiber sind
Es wird nicht rein gefegt.

IHR lieben Leute, bleibt dabei
Und sagt nur: Autos epha!
Was sagt ihr lange Mann und Weib,
Adam, so heissts, und Eva.

WOFUER ich Allah hoechlich danke?
Dass er Leiden und Wissen getrennt.
Verzweifeln müsste jeder Kranke
Dass Uebel kennend wie der Arzt es kennt.

NÄRRISCH, dass jeder in seinem Falle
Seine besondere Meinung preist!
Wenn Islam Gott ergeben heisst,
In Islam leben und sterben wir alle.


【散文訳】

何と色とりどりの集まりだ!
神の食卓に坐っているのは、友たち、そして敵たち。

お前達は、わたしをこすからいケチな奴と呼ぶが、
やい、わたしの蕩尽できるものを与えてみろ。

わたしはお前にこの付近、この土地を示せというのか、それならば、
お前は、まづ屋根に登らねばならぬ。

沈黙する者は、心配することが少ない
そんな奴は、舌の下に隠れたままでいるものだ。

ふたちの従者をともなう軍勢
その軍隊は、よく訓練されて腕を上げることがない。
ひとつの家があり、その中にふたりの女がいる
その家は、綺麗には掃除されることがない。

お前達、愛するひとびとよ、そのままでいなさい
そして、ただこう言うのだ:師曰くだ!
お前達立派な男と女よ、お前達は何をいえばいいのかというと
アダム、といいえばよく、そして、エヴァといえばいいのだ。

何のためにアラーは、気高く考えるのか?
アラーが悲嘆と知識を分離するということは何を考えているのか?
絶望は、どの病人もせずにはいられないものだ
それが悪だと知りつつ、丁度医者が患部の悪を知っているように。

誰もが自分の場合には
自分の特別な意見を賞賛することは愚かなことだ!
イスラムが神に委ねるということは、
イスラムの中に、われわれみなが生き、そして死ぬということなのだ。


【解釈】

どの連も註釈は不要と思います。それほどに身近な箴言ばかりです。

第5連の意味は、ふたりの構成員であれば、お互いをたよりにして、何もしないということなのでしょう。

第6連のAutos ephaについては、オンラインの神話辞典に、

Latin, literally "he (the master) said it," translation of Greek autos epha, phrase used by disciples of Pythagoras when quoting their master.
http://www.etymonline.com/index.php?allowed_in_frame=0&search=epha&searchmode=none

とありますので、これはピタゴラスの定理を引用するときに、定型的に、師曰くといったとあります。東洋ならば、孔子曰くの師曰と同じく、古今東西同じということでしょう。

第7連の悲嘆と知識の分離も、智慧ある分離です。これのごちゃごちゃな似非(自称他称)知識人の多い日本の国にあっては、そんな阿呆どもに読ませたい箴言です。

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