3。Brooklyn
Bridgeを読む
3.1(1)Proemについて:何故To
Brooklyn BridgeのToは斜字体なのか
言語にとって本質的なことは、実は二義的に位置しているものの中にあることを、Craneは詩人として直観的に知っていました。
Craneが詩人の直観によって、選択したその中の言葉のひとつが、toという前置詞です。
前置詞という品詞は、主役ではなく、言わば目立たない脇役の役割を文の中で演じています。(と、そのように見えるでしょう。)
しかし、toという前置詞を、Craneは、実に大切にして使っています。
Chaplinesqueの中に、次の一行があります。
What
blame to us if the heart live on.
心臓が生きているならば、私たち男色者のいる避難場所では、何が非難するものがあろうか(あるわけがない)。
という意味なのですが、Craneは、このtoを、このように男色者達のいる、それもただいる場所というだけではなく、男色者達を安全に護ってくれる保障の場所という意味で使っています。
Craneには、To
Brooklyn
Bridge以外にも、前置詞toで始まる名前をつけた詩の題が幾つもありますが、そtoの意味は、すべて同様の意味だと考えてよいと思います。
こうして書いて来ると、既にお判りの通り、To
Brooklyn Bridgeのtoは、そのような意味を持った題名なのであり、全体の詩編の最初、端緒に位置する詩なのです。
従い、To
Brooklyn
Bridgeとは、言うまでもなく、男色者達が肛門性交の数珠つなぎになっている、ブルックリン橋という名前の橋の、その男色者の世界で、その男色者達が安心してセックスのできる場所で、という意味になります。
このような裏の意味を知っておいて、念頭においておけば、この詩を読むときに随分と助けになります。
さて、ここで、Proemという言葉について、少しだけ触れたいと思います。
これも、本文、本篇に対しては、付け足しの、二義的な部分だということで、To
Brooklyn BridgeのToを斜字体にしたことに通じています。
しかし、Craneにとっては、このProemこそ大切な「部分」なのです。
同じセンスを、Craneが頻りに使うun-という前綴にもみることができます。(これも、To
Brooklyn Bridgeに出て参ります。)
Webster
Onlineの助けを借りると、
1:
preliminary comment :
preface
2:
prelude
― pro·emi·al
adjective
Examples
of PROEM
Origin
of PROEM
Middle
English proheme, from Anglo-French proeme, from Latin prooemium, from
Greek prooimion, from pro- + oimē song; probably akin to Hittite
išamai- song, Sanskrit syati he binds ― more at sinew
とあります。
Preludeとは、音楽の序曲という意味があることから、このブルックリン橋が当時(そして今も多分)、鉄の竪琴に比して言われたこと、そうして実際にTo
Brooklyn
Bridgeの中では、橋は竪琴、harpとしても歌われていますので、それを連想させることからも、このproemという言葉は適格な言葉なのです。
また、Sinewということから、
1:
tendon;
especially :
one dressed for use as a cord or thread
3 a
:
solid resilient strength :
power
b
:
the chief supporting force :
mainstay
―usually used in plural
Examples
of SINEW
cutting
through bone and sinew
Origin
of SINEW
Middle
English sinewe, from Old English seono; akin to Old High German
senawa sinew, Sanskrit syati he binds
First
Known Use: before 12th century
また、maistayを引きますと、
1:
a ship's stay extending from the maintop
forward usually to the foot of the foremast
2:
a chief support
Examples
of MAINSTAY
Fish is a
mainstay of their diet.
My mother
has always been the mainstay of our family.
First
Known Use of MAINSTAY
15th
century
Related
to MAINSTAY
Mainstayとは、マスト(帆柱)を支える、綱のことです。
Craneは、Brooklyn
Bridgeを、神々しい帆船に譬えていますので、その意味でも、このProemという語の選択と(詩編中の前置詞的な)配置は、適格なのです。
即ち、まとめますと、
(1)prelude:音楽用語。序曲であること(Craneは音楽を勿論明瞭に意識している。Brooklyn
Bridgeは鉄の竪琴)
(2)preface:印刷・出版用語。書物のpreface(本の序文)であるそうして、これはpre-faceであるように、Crane好みの社会的な(前置詞的な)位置の序文。The
Bridgeという聖書(のパロディー)の序文。
(3)mainstay:海事用語。帆船のマストの主柱から前面に張られる綱。これも、第4連に出て来ますし、同じfloorの第8連では、stringとして出て来ます。つまり、これもCrane好みの形象そして、帆船の帆を孕ませるということから、男性のペニスの形象に連想させています。風を孕んだ船のマストと帆は、男性のペニスが膨張して鰓を張り、大きくなった様に譬えています。これは白人種の世界の伝統的な譬喩。
(4)power:政治用語、数学用語。これが、powerという、権力という意味でもあり、と同時に、powerということから、つまり数学でいう累乗ということから、2nというときの数字の右上、右肩に小さく書かれる、そのような位置(二義的に見える位置)を占める数字でありながら、しかし、大きな力を持つものの意味である。Craneは、真の権力は、このProem、To
Brooklyn Bridge、即ち男色者が肛門性交をして数珠繋がりになる世界にあるのだと言いたいのではないかと思います。
(5)nerve:医学用語。これはnerve、神経であるように、もう剥き出しの、nakedな、そのような位置にあるもの、それがproemだというのです。
(6)thread,
cord:さらに、もうひとつ、これは、最前のsinewと同義であり、sinewとはthread、cordという意味なのである以上、これは、その後の8篇のthread、男色者の肛門性交の数珠繋ぎの列である、そのような意味を掛けて使っているのです。
なぜ、prefaceではなく(prefaceの含む意味だけでは足りない)、proemと題したのか、これがわたしの解釈です。
このproemが、後の8篇の糸を縫い、textile,
texture, text, contextを織っているのだと思います。これは、わたしの仮説です。
3.2
To Booklyn
Bridgeの構造(白い建物としての)
マンハッタン(金融資本の中心ウォール街のあるニューヨークの中心街)とブルックリン(という貧しい街)を繋ぐ、ゴシック様式の、鉄の綱で繋いでみづから立つ、そのような橋を、Craneは、実際に白く建築した、white
buildingしたのです。
読者は、読みながら、聖なるBrooklyn
Bridgeの(複数のコンテクスト)創造に立ち会うことになります。
そうして、これは、海の縁語の大伽藍(vaulting
the sea。第11連。)、聖なる教会堂、聖なる帆船、聖なる竪琴、神の姿そのものの形象です。
最初にこの詩の構造を説明して、全体の理解をして戴き、それから、各連を読んで、解釈を施したいと思います。
しかし、以上のような文字での説明よりも、なによりも、まづ配付資料の「To
Brooklyn Bridgeのマトリクス」をご覧下さい。この図に基づいて、説明を致します。
3.2.1 To
Booklyn Bridgeの構造の文字による説明
次のように、この詩は、ふたつのゴシック様式の門が立ち、4階建て、あるいはもし地階を入れるなら、5階建ての建築物として、Craneは、このProemを構造化したのです。
ブルックリン側か、マンハッタン側かは、いづれも問いませんが、数字は連の数字です。
(1)4階(1、11):白(白という色は、Craneにとっては、男色者の罪が浄化された色でもある。)
(2)3階(2、10):白から黒(第2連)、黒から白(第10連)。
(3)2階(3、9):againで男色に耽り(第3連)、Againで男色に耽る(第9連)。
(4)1階(4、8):橋の詩化とともに夜明けがやって来る(第3連)。詩化されたブルックリン橋(第8連。竪琴と祭壇)。
(5)0階(5、6、7):地階。地下。男色者の煉獄。3つの連からなる、時間の処理の最下層。日常と神話の背中合わせの世界。
この最後の(5)の0階は、これは、いわば、時間を圧縮して無限に速度を上げたような世界であって、5から7へと時間の幅が狭くなり、7は神話の無時間になっているのです
(Of anonymity time
cannot raise.)。
さて、そう理解した上で、もう一度、ひとことで、この詩の構造をまとめると、
(1)の4階は、空と鴎と白の神聖な形象
(2)の3階から(4)の1階は、ビルディングをエレベーターで降りて来て(エレベーターに落とされて。Elevators
drop us from our day.)、まっさかさまに男色者の地獄へと堕ちて行く形象
(5)の0階(地階)は、男色者の地獄。そうして、第7連の力を借りて、第7連から一気に8、9、10、11連と階層を上昇するのです。
第11連は、また白の、最初の第1連の形象に(文字通りに)メビウスの環のように
循環します。このとき、第11連から第1連に掛けて、第11連では女性の橋が、第1連の男性のブルックリン橋へと循環して接続します。
第11連は、最上層の階でありながら、実は最下層の(そして文字通りに貧しい)curveship(荷役船)の世界、しかし、他方、(1)の階層は至上の世界。
また、白から黒、光から闇へ、また昇り(5)から(1)はその逆の黒から白へ、闇から光へと、これは、変幻自在の世界です。
高みが深み、深みが高み、下降が上昇、上昇が下降の素晴らしい世界です。立体的なMebiusの環。
さて、その詩の中で、実際に、1ー11、2ー10、3ー9、4ー8と、Craneは綱を張り、掛詞や縁語や連想語のstrings,
beadをあちこちに張って、橋を構築しています。
それから、いたるところに、どのfloorにも頻出する帆船と帆の形象。Craneは、本当に海、港が好きだったのだと思います。
詩の中で、Harborは、船の待避所、即ち、男色者達の安全が保障される場所という意味で、Craneは使っています。
3.2.2 To
Brooklyn Bridgeの文字による要約
第1連は、夜明けの朝、第2連は、仕事の昼から夕方、今日の第3連は、夜ということになります。
第4連は、夜の次のまた夜明けという順序になっています。第5連は、第4連を承けて、朝の大都会のラッシュアワーの時間の叙述(当時のニューヨークも相当早くひとも自動車も出始めるたのでしょう)。
第6連では、まだアセチレンンランプの火を空の比喩に使って、時間は直ちにお昼(noon)と午後(afternoon)に変化する。当時は、ニューヨークの街中では、頻りに高層ビルが建築されていたのでしょう。アセチレンの火は、その象徴です。
第7連では、これは時間そのものを扱っている。
第8連は、そうしてブルックリン橋をハープ(この橋は吊り橋故、鉄の竪琴、鉄のハープに見立てられて来たそうですから、ーその伏線は、既に第4連にあって”Implicititly
thy freedom staying
thee”と詠われて、その”staying”にあるのですがーその見立て)を使い、、第1連からの文脈が、ここで詩の中に間歇泉のように吹き出て来て、ブルックリン橋(という鋼鉄製の竪琴)が祭壇をもった大伽藍であることを思い出し、
第8連は、第3連(のagainに、この連の最初のagainが連なり、そこ)では、また夜が明けて、忙しい一日が始まり、とはいえ、この第8連は、時間を捨象した夜に夜が変形(transform)され、それを承けて、そのまま、
第9連は、詩化された夜を詠い、
第10連は、その夜の中のブルックリン橋の影を歌い、シティでのすべての罪が、あの古代の旧約聖書にあるシティと同様に、自分の男色の灼熱の身を焼かれる罪もまた、すべて、聖なる橋のたもと、眞の闇の中から対岸を眺めれば、そもそもは罪すらもなかった、原初の状態に戻るのです。そうして,
第11連が、夜も昼もなく("sleepless"とは眠る暇なくというばかりではなく、時間の無いという意味でもあるのでしょう)仕事をする労苦に満ちた貧しいthe
curveship(荷役船)ー貧しい男色者の譬喩ーの幸いを神に祈る連に至り、
最初の、第1連の真っ白な神の指環を嵌めたブルックリン橋の形象へ、あの鴎の群れ飛ぶ翼の、自由の女神へと大循環、大旋回をして戻って行くのです。黒から白へと。White
building!
3.3 ブルックリン橋にてを読む
3.3.1 第1連
(1)題名のTo
Brooklyn Bridgeは、そのまま本文の詩の一部となっていて、そのまま第1連に繋がります。
そうして、ここに既にCraneの好みの言葉が顕われている。
(1)鳥の翼(Chaplinesqueのrecess。鳥の安全なねぐら。鳥の連想。)
(2)旋回(Chaplinesqueのthe
pirouettes of pliant cane)
(3)白い(white)
(4)建築する(あるいは、建築すること):building
あるいは、
(5)白いものを建築すること、そのプロセス、その結果できた建物、構造体、階層化された(white
buildings)。この意味は、白い色を階層化して建築すること、白い建物(白いビル)の掛け言葉です。
(6)dawn、夜明けという言葉もまた意味のある言葉です。Craneは、男色者と夜な夜な男色に耽り、朝が来て分かれなければならないことを嘆く詩を書いています
(Sunday Morning
Apples)。夜明けというと、そのような連想が働きます。
(7)ブルックリン橋は地上と地獄の閾(threshold。第8連)という見立てなので、chained
bay
watersというのは、そのような鎖で地獄に繋がれた、また肛門性交で繋がれた男色者を意味しています。あるいは、鎖につながれているように仕事をしている第11連のcurveship(荷役船)の極貧の人間達、男色者達。
(8)dipという動詞は、裏の意味では、男色者が肛門にペニスを浸すという意味。その語意からいって、深くではなく、浅くペニスを挿入することをいうのでしょう。
(9)今あらためてこのブルックリン橋の写真をGoogleの検索で見ると、遠くにリバティー島があり、そこに松明を右手で高く掲げた自由の女神像が見える。
自由の女神像の完成した歳は、1886年(起工は1876年)、ブルックリン橋の完成した歳は、1884年(起工は1870年)。
こうして見ると、これはニューヨークという、従って、米国が19世紀の後半に、その経済力と政治力を世界史の中に大きく表してきた時代なのでしょう。世界の企業で、最初に法務部門を専門に設けたのが、米国のデュポン社で、これが19世紀の後半も20世紀に近い1890年代であったとものの本で読んだ記憶がありますので、つまり、当時の米国の大きな財閥が、古い産業の種目の名前の世界で、諸国に覇を唱えはじめた時期なのだと思います。
と、こう書いてきて、そういえば、フランツ・カフカも同時代、同時期に生きたのでは無かったかと思って、調べると、生年は1883年、没年は1924年。Craneは、生年1899年、没年1932。ふたりとも、このような米国の世界史上の急成長の同じ時代の空気を吸っていました。これはニューヨークも群集の、この漢字通りに群れ集う、大都会であったのです。
(10)このように考えて来ると、"Over
the chaned bay waters
Liberty"の訳も、「Bayというのは、本来は港が憩って、、そこから帆船、船が広い海原、自由の世界の水平へと出帆して行く場所だのに、世界中の"bay
waters"(港湾の水という水)は、牢獄にあるように鎖に繋がれていて、そのような数々の水面の上に、白い鴎の群れ飛ぶその翼で出来た自由の女神が立っている」という解釈も可能かも知れません。
Craneは、Libertyと書いていて、これはリバティ島でもなく、Statute
of Libertyでもない、そうは文字で書いていないので、このLibertyという神は、現実のBrooklyn
Bridgeから見える建築物では、既にして、ないのです。
ですから、このLibertyをいかようにでも、このように重層的に解釈することはゆるされるのではないでしょうか。
しかし、この鴎の群れは、詩の現実の中では、ブルックリン橋の上へ下へと旋回するのですから、これは、やはりその名前に敬意を表し、米国のニューヨークのブルックリン橋を詠ったものと理解しましょう。勿論、全く詩化されたブルックリン橋であるのですけれど。
(11)つまり、chainとLibertyも、縁語です。あるいは、反対の意味の連想語。
3.3.2 第2連
Craneは、縁語と連想の達人です。
ここでも、つぎのような言葉遊びをしています。
(sails,
cross, some page)
(sails,
cross, some page of figures)
(sails,
page, file away)
(sails,
figures, file away)
それから、後の連の縁語として、やはり、fileがあるのです。Websterによれば、
fileとは、string
documentという意味ですから、一寸先走るようで恐縮ですが、
(1)第8連目の”How
could mere toil align thy choiring strings!”の"strings"
(2)第9連目の”Beading
thy path -----condense eternity:"の"Beading"
それから既に訳した、
(3)第1連の"the
chained bay"と第4連の"across
the harbor"の"the
harbor"
それから、第3連の"disclosed"と第6連の"leaks"も縁語です。
まだ、第2連目しか読んでいませんが、まだまだ、これから、Crane流の、実に精緻な、そうしてeroticな着想の連鎖、高級な、概念の言葉遊びが幾つもあるのです。
この第2連の上に述べた言葉遊びは、次のようなものです。
これは、多分船乗り、水夫の世界での性的な比喩、隠語であり、白人種の世界では皆よく知っているものなのだとわたしは想像していますが、帆船が風を孕み(孕むという、ほら日本語だって、もうそうだ)、帆を高く掲げるのを、男根が大きく膨張する様に見立てているのです。
この比喩は、ETA
Hoffmannというドイツの作家が書いた高級なポルノ小説の冒頭に出て来るので(ホフマンは、昼の本職は裁判官、夜の正業は小説家という人でしたから、船員の訴状があれば、そのようなことを知ったのかも知れません)、それがドイツ語で書かれていても見事なもの(という意味は嫌らしくないもの)でしたから、今だに覚えているのです。
しかし、Craneは、それを表には出さず、むしろ隠して、オフィスで昼間働くメッセンジャーボーイの類いのまだ10代の子供のpage(パージュ)と、オフィスの台帳の数字のpage(ページ)との言葉を掛け合せて(と来ると、このような連想そのもの、言葉の掛け合せそのものが精神的に性的な意味を帯びてくるのがわかります)、figuresも、そのようなオフィスで立ち働く人の姿と数字のふたつの意味を持たせて、幻想なのかどうか、男色と、書類と、それぞれ、法的にファイリングされることと(法的な訴状をファイリングする、提訴する)、事務的にファイリングされることとの、掛け言葉を遊んでいるのです。
awayという副詞には、少し,恐怖心も、わたしは感じます。
また、"to
be filed
away"という、この受動態の不定句の形式を借りて、商業的な、つまりビジネスの、そうしてまた契約書の文体そのものを模して、使って、このように言葉遊びをし、そのような文体そのものをからかいながら、同時に性的な意味も十分過ぎる位に含意させながら、大切な意味を2重にして伝えると言うことを、Craneはしているのです。
これを、Craneは、"dally"といっているのです。
そのCrane用語の意味が、ここで、よくお解り戴けることと思います。
Dallyには、"to
act playfully; especially : to play
amorous"(Webster)というように、性的な含意があります。Amorousとは、同じ辞書で"strongly
moved by love and especially sexual love"とあります。
これは、また米国の詩の歴史の中では、Whitmanというアメリカの詩人が詩の世界で概念化した用語でもあるそうですから(これは、わたしが今読んでいるCraneの詩集の序文の解説者、Harold
Bloomの説明によります)、Craneはそのような文芸の歴史にも、こころの安定を求め、その上で、この複雑精妙、しかし実に単純で美しい世界を現出せしめているわけです。
さて、この第2連で、如上のことを可能にしているのが、"as
apparational
as"とある、この言葉、特にその中心にある"apparational"という形容詞です。この形容詞でなければ、上記の二重の意味を重ねあわせることが難しかったことでしょう。
それに、これが副詞ではなく、形容詞だということに、この品詞の選択に、Craneのsenseが宿っています。形容詞であるために、この意味上の主語が、"our
eyes"であるように読めるからです。私達の目に見える夢幻、しかし、その幻視の境界線は、鴎の白い色の群れの流れ、分ち分たずブルックリン橋を巡って旋回しているその指環に左右され、その女神の姿に影響されているのです。
"our
eyes"は、純潔無垢の鴎の翼の群れなす自由の女神が、その"our
eyes"の行いに応じて、窓から眺める視野の内と外を出入りするのです。私達の視界の境界線は、ブルックリン橋と鴎の高層化して建築する白い環(リング)によって、揺れ動くのです。
さて、一日の労苦が終わり、エレベータに乗るわけですが、"drop
us"の"drop"には、いかにも一日の仕事に疲れたという脱力感と、それから、それまで、Brooklyn
Bridgeの鴎の白い神の姿が窓から眺められたのに、それを喪失するという感覚、堕落して落ちて行くという感覚、そうしてまた同時に、物理的に地上に戻るために落ちて行くという、このような複雑精妙な含意があると思います。
Brooklyn
Bridgeの幻視の世界、高見の高層の白い構築物のあり得る世界から、まっさかさまに上から下へとエレベーターに落とされる。その地上、あるいは地下の世界では、The
Bridgeのエピグラム、即ち善と悪との境目を縫い、地下で行き来をし、昇り降りをする、そのような、サタンの住む、これもまた同様の、それ以上の苦行の、男色の世界が待っている。
3.3.3 第3連
(1)
cinemaとは何か
cinemaを辞書でひくと、
Main
Entry: cin·e·ma
Pronunciation: 'si-n&-m&,
British also -"mä
Function: noun
Etymology: short
for cinematograph
1
a
: MOTION
PICTURE
-- usually used attributively b
:
a motion-picture theater
2
a
: MOVIES;
especially :
the film industry b
:
the art or technique of making motion pictures
これは、第4連の"motion"に縁がある。
Cinemaは、別名motion
picture。このmotionは男色者のmotionに掛けている。
また、この連にある、some
flashing sceneとは、他の連の形象との関係から見ても、cinemaは、motion
picureの意味故、第4連の"some
motion ever unspent in thy
stride"、すなわちホストの男色の性的な飽きることなき、果てることなき動きを意味している。
(2)panoramic
sleights
panoramic
sleightsとは、男色者は複数人で肛門性交をし、その周りで囃し立てたり、実況中継しながらセックスをするのでした。
ですから、そのように使われる、そうして射精を遅くさせるための性具の数々という意味。
(3)
sleights
Main
Entry: sleight
Pronunciation: 'slIt
Function: noun
Etymology: Middle
English, from Old Norse sl[oe]gth, from sl[oe]gr sly -- more at SLY
1
:
deceitful craftiness; also :
STRATAGEM
2
: DEXTERITY,
SKILL
(3.1)
Sly
Definition
of SLY
1
chiefly
dialect
a
:
wise in practical affairs
b
:
displaying cleverness :
ingenious
2
a
:
clever in concealing one's aims or ends :
furtive
b
:
lacking in straightforwardness and candor :
dissembling
3:
lightly mischievous :
roguish
(5)multitudes:a
great number of people。群集
Main
Entry: mul·ti·tude
Pronunciation: 'm&l-t&-"tüd,
-"tyüd
Function: noun
Etymology: Middle
English, from Middle French or Latin; Middle French, from Latin
multitudin-, multitudo, from multus much -- more at MELIORATE
1
:
the state of being many
2
:
a great number : HOST
3
:
a great number of people
4
: POPULACE,
PUBLIC
(5.1)
host
Main
Entry: 1host
Pronunciation: 'hOst
Function: noun
Etymology: Middle
English, from Old French, from Late Latin hostis, from Latin,
stranger, enemy -- more at GUEST
1
: ARMY
2
:
a very large number :
MULTITUDE
(6)
disclose
Main
Entry: 1dis·close
Pronunciation: dis-'klOz
Function: transitive
verb
Etymology: Middle
English, from Middle French desclos-, stem of desclore to disclose,
from Medieval Latin disclaudere to open, from Latin dis- + claudere
to close -- more at CLOSE
1
obsolete :
to open up
2
a
:
to expose to view b
archaic : HATCH
c
:
to make known or public
synonym
see REVEAL
-
dis·clos·er
noun
disclosed:(開示された、閉鎖されない)。法律と契約書用語でもある。Craneの意識にこの辺り、foretellと言う動詞の意味の深層にもそうであるが、laws、法律や法則を意識していることがここに顕われている。しかも、それを受け入れなければならないという男色者の苦渋がある。
またもや、Chaplinesqueへ。"We...dally
the doom of that inevitable thumb that slowly chafes its puckered
index toward us,"
never
disclosed:(開示されない、閉鎖された)と言う論理の他に、語そのものから、Websterによれば、さらに、このHatchをひくと、
(6.1)
hatch:
Main
Entry: 1dis·close
Pronunciation: dis-'klOz
Function: transitive
verb
Etymology: Middle
English, from Middle French desclos-, stem of desclore to disclose,
from Medieval Latin disclaudere to open, from Latin dis- + claudere
to close -- more at CLOSE
1
obsolete :
to open up
2
a
:
to expose to view b
archaic : HATCH
c
:
to make known or public
synonym
see REVEAL
-
dis·clos·er
noun
単に閉鎖的であり、その秘密を開示しないという意味に掛け合せて、帆船の甲板のハッチ、外界に、ブルックリン橋の世界に開けていないという意味を持たせている。
3.3.4 第4連
(1)silver-paced
これは、silverということから、Craneの好きな白い色、自然の諸元素の大切なもののひとつ。それから、strideやstepということから、当然にpaced、そうして、これは、階層化されて(cascade)、やはり、ある一定の距離と速度で、相手や周囲、特に自然と調和をして、河ならば流れ、物事ならば進む、いつもある時点、ある場所で、周期的に,繰り返し、そうなり、そのことが起こるという、そのような副詞です。
(2)
step
(v):(海)(マスト)をすえる、立てる
踏む、(ダンスの)ステップを踏む
もう、stepという言葉が、音楽(ダンス)と帆船と海洋の用語だ。(step,
mast, sail, penis)という縁語の連鎖がある。
Chaplinesqueの
We
will sidestep, and to the final smirk
Dally
the doom of that inevitable thumb
That
slowly chafes its puckered index toward us,
というときの、sidestepもdallyも、全くその通りです。
もし、太陽が恰も音楽に合わせ、歌に合わせて、踊りのステップを踏むかのごとくにということであれば、Chaplinesqueのsidestepも、単に身を避けるために踏むばかりではなく、このような男色者のステップを、太陽の位置にいるホストの男色者の掛け声に合わせて、サイドステップを踏むという意味になる。
つまり、ブルックリン橋は、a
long
stepを踏み、私達はsidestepを踏む。こうして考えてくると、Craneにとっては、stepという概念も重要な概念なのだということだ。
(3)Motion:
Main
Entry: 1mo·tion
Pronunciation: 'mO-sh&n
Function: noun
Etymology: Middle
English mocioun, from Middle French motion, from Latin motion-, motio
movement, from movEre to move
1
a
:
an act, process, or instance of changing place :
MOVEMENT
b
:
an active or functioning state or condition ( the divorce
proceedings in motion)
2
:
an impulse or inclination of the mind or will
3
a
:
a proposal for action; especially :
a formal proposal made in a deliberative assembly b
:
an application made to a court or judge to obtain an order, ruling,
or direction
4
obsolete a
:
a puppet show b
: PUPPET
5
: MECHANISM
6
a
:
an act or instance of moving the body or its parts :
GESTURE
b
plural : ACTIVITIES,
MOVEMENTS
7
:
melodic change of pitch
(4)stride(v):
2stride
Function: noun
1
a
:
a cycle of locomotor movements (as of a horse) completed when the
feet regain the initial relative positions; also :
the distance traversed in a stride b
:
the most effective natural pace :
maximum competence or capability -- often used in the phrase hit
one's stride
2
:
a long step
3
:
an act of striding
4
:
a stage of progress :
ADVANCE
5
:
a manner of striding
6
:
STRIDE
PIANO
-
in
stride
1
:
without interference with regular activities 2
:
without emotional reaction( took the news in stride )
strideは、the
most effective natural paceとありますので、上のsilver-pacedの説明に照応しています。
unspent
strideとあります。unpspentの接頭辞は、すでにして費消されない、そもそも費消するなどということは、その意味にも意識にも、なにもないという意味です。否定ですらないのです。第10連のall
undoneもそう。あとどこにでてきても、その意味です。
Craneは、このun-という前綴を愛用しています。
(5)implicit:
One
entry found for implicit.
Entry
Word: implicit
Function: adjective
Text: 1
Synonyms
TACIT
1, implied, inarticulate, inferred, undeclared, understood,
unexpressed, unsaid, unspoken, unuttered
Idioms
taken
for granted
Antonyms
explicit
2
being
such in essential character (our implicit freedom is better than your
nominal liberty>)
Synonyms
constructive,
practical, virtual
Related
Word absolute,
complete, unqualified, wholehearted; genuine, real
Antonyms
spelled
out
これも法律や契約の用語。
このimplicitには、unspokenの含意あり、第6連の”speechless"に縁語となっている。
(6)
stay(n):
Main
Entry: 1stay
Pronunciation: 'stA
Function: noun
Etymology: Middle
English, from Old English stæg; akin to Old Norse stag stay, Old
English stEle steel
1
:
a large strong rope usually of wire used to support a mast
2
:
1GUY
このstay(鋼の索)にも帆船の表象あり。ブルックリン橋は、なんといっても、帆船そのもの。 Stayが支えるのは、帆を孕んだマスト、即ち膨張し鰓を張った男根。
3.3.5 第5連
(1)Out
of subway scuttle, cell or loft
これは、エピグラフのTHE
BOOK OF JOB、即ちヨブのジョブの記、ジョブのヨブの記が、ここで生きている。
From going
to and fro in the earth
and from
walking up and down in it
THE BOOK OF
JOB
この地下から飛び出して来たということ。
(2)
Scuttle
1:
a small opening in a wall or roof furnished with a lid: as
a
:
a small opening or hatchway in the deck of a ship large enough to
admit a person and with a lid for covering it
b
:
a small hole in the side or bottom of a ship fitted with a covering
or glazed
2:
a covering that closes a scuttle
scuttleには、船のハッチという意味もあり、ブルックリン橋を帆船に譬えていることの縁語にもなっている。二重に意味が掛けられている。
(3)cell
1:
a small religious house dependent on a monastery or convent
2
a
:
a one-room dwelling occupied by a solitary person (as a hermit)
b
:
a single room (as in a convent or prison) usually for one person
cellを、Craneは男色者の地下室という意味で用いるが、同時に宗教的な、修道士の修業する小部屋の意味をある。涜神的な、言葉の使い方。
また、このcellには、独身者であるCraneの塒(ねぐら)、一人で暮らすアパートメント・ハウスの空間の形象も含まれている。
(4)loft
2
a
:
a gallery in a church or hall
b
:
one of the upper floors of a warehouse or business building
especially when not partitioned
c
:
hayloft
3
a
:
the backward slant of the face of a golf-club head
b
:
the act of lofting
4:
the thickness of a fabric or insulating material (as goose down)
loftは、尻という隠語であること、assの言い換えであることから、そのような地下の地獄の、また第10連にfiery
parcelsと詠ったように、灼熱の業火に肛門を焼かれた、そのような地下の煉獄の世界から飛び出したのです。
(5)shrill
1
a
:
having or emitting a sharp high-pitched tone or sound :
piercing
b
:
accompanied by sharp high-pitched sounds or cries
2:
having a sharp or vivid effect on the senses
3:
strident,
intemperate
shrillには、pierceという種概念の含まれることから、これは、やはり、上述の意味ではbaloonの縁語であり、pierce(何かを貫通する)ということから、tiltingにも関係します。
(6)baloon
baloonというのは、男色者の隠語で、その普通の意味からいっても、口にくわえて、それを膨張させて、いい気持にさせて天にも昇る心地にするという隠れた意味を持たせている。
葉巻きやたばこをスパスパ吸って、大きくする、膨張する、拡張する、つまり火をつけるということから比喩に転じて、その解釈がそのままできます。勿論、ものとして大きくするのです。
それで、実際に男色者の隠語で、僕に火を付けてくれとか、僕をsmokeしてくれというのでしょう。灼熱の肛門性交。だから、第10連のThe
City's fiery parcelsなのです(第10連は第2連に対応しています。同じ階層の連です)。
それになによりも、balooningは、Hart
Craneの時代1900年代の初期に既に男色者がそういうことをしていたのかどうか、私は解りませんが、今の米国の男色者は、確かにbalooningをしているのです。実際に、風船を膨らませ、女性との性交ができませんから、女性の肌以上に柔らかなその感触を楽しみながら、いわば幻想の性交を行っています。Baloon(風船)を性具として実際に使っています。見たい方は、Googleのイメージ検索をkeyword,
"baloon"でしてみてください。
ということは、Hart
Craneの時代には、今のような風船のballooningではなくて、ここに詩人が文字で書いている通りに、shirt、シャツをballooningして、男色者としての自慰行為をしたという意味に解釈することができます。ここから、先は、米国の風俗の専門の研究家にお任せします。私は、shirtをbalooningできると思います。このshirtは、帆船の帆の素材であるのかも、実際に、知れません。女性の肌以上に柔らかな、そのような素材でできた下着か、上着か、いづれにせよ、その代用となるものです。
もしこの仮説がなりたつならば、ここは、文法的には(私の関心はあくまで文法的な正しい解釈にあるのです)、帆船のshrillの素材でできた、シャツ、あるいは下着のシャツでもいいと思います、そのシャツ、ウエアで、バルーニングをするという訳になります。何故こんなにここに拘泥しているかというと、語順が普通ではないからです。
普通ならば、A
bedlamiteが主語で、ballooning
shrill shirtというべきところを、
shrill
shirt ballooning
と、ひとつの意味のまとまりとして、文字を配置しているからです。
もしballooning
shrill shirtであれば、一般的な意味の順序になってしまい、the
shrill shirt
balooningというこれならば定冠詞をつけていえる(男色行為の)まとまりの意味が、失せてしまうことを恐れたのだと思います。それにこのように、句の中に鍵を潜ませるというのは、いかにもCrane好みです。
それから、もうひとつ、
Tilting
there momently, shrill shirt ballooning,
と、このように言葉を、というよりは、文字を配すると、それは、左右対称の、ブルックリン橋のようになる、そのような感覚も、働いていると思います。
(7)tilt
transitive
verb
1:
to cause to have an inclination
2
a
:
to point or thrust in or as if in a tilt
b
:
to charge against
ドンキホーテのような中世の騎士の槍の試合のこのtiltは、小姓を共に連れている、
第2連のsome
page of figuresと関係している。
(8)speechless
caravan
the
speechless
caravanには、ここではや、第9連の、もの言わず、黙して祈りを一心不乱に捧げるカソリックの信徒の儀式の時間の姿に、意味が架けられ、その先蹤となっています。
同時に、肛門性交で数珠つなぎになっているキャラバン(隊列)という意味を掛けています。ものを言わずに一心不乱に肛門性交をする。また、speechlessには、快感を感じて言葉にならないという意味もあると思います。それから、公には口にできない男色であるという意味も。
聖と俗、罪と罰、神と救済の混交。
自分は男色者であるけれども、かけがえのないこの命を引き換えにしても護るべきものがあるのだということを歌っている連です。
(8.1)caravan
1
a
:
a company of travelers on a journey through desert or hostile
regions; also :
a train of pack animals
b
:
a group of vehicles traveling together (as in a file)
2
a
:
a covered wagon or motor vehicle equipped as traveling living
quarters
As in a
fileということから、filing、(男色者の)列をなすという意味と、第2連のto
be filed awayに掛けている。
3.3.6 第6連
この詩は、第5連、6連、7連の3つの詩のまん中の詩です。
(1)girder
Main
Entry: gird·er
Pronunciation: 'g&r-d&r
Function: noun
Etymology: 1gird
:
a horizontal main structural member (as in a building or bridge) that
supports vertical loads and that consists of a single piece or of
more than one piece bound together
桁という概念。Googleの画像検索をみる。
(2)A
rip-tooth
Aという不定冠詞がついているので、これは男色の、男色者のという意味。
男色者はペニスの先に歯を立てて噛むことをするので、そのような場合に噛むその歯のこと。
アセチレンのガスの灼熱を、その歯立てに譬えている。
(3)leak
Leakは、それによって、血がでて来ることを掛けている。Leakは動詞とも名詞ともとることができる。
3.3.7 第7連
(1)第5連から第7連は、これまでとは別の意味で特別な連の集合です。この3つの連では、詩人は時間を濃縮するのです。第9連に詠っているように、condense
eternityを実際に行い、この詩全体の時間を捨象し、詩化することを行っています。
(2)第5連、第6連、第7連と、これで一つの環を成して、因果の連鎖ではない、即ち時間の連鎖ではない循環を構成しているのです。
これらの連が、Brooklyn
Bridgeの礎石、橋桁で、あるいは、海とその海底、または土地とその地下なのであって、これらの地下の循環が0階であり、その上に4階立てのTo
Brooklyn Bridgeという一個のwhite
buildingが立っているのです。ですから、この第7連は、必ず、第5連に関係し、第5連の夜明けの時間と、そこにある文字、概念、形象に戻って行きます。
(3)最初のobscure(暗い、よく見えない)が、dawnの暗さを、真っ暗ではないけれども、薄明の暗さを表しています。
それと、ユダヤ人の運命とが、その天国のobscureという状態と合わせて言われ、つまり、ユダヤ人達の願いを神は、叶えないと嘆くのではなく、そうではなくて、むしろそのような状態のときにこそ、神は願いを叶えてくれるといっているのです。
それゆえに、the
Heaven of the Jewsではなく、that
heaven of the
Jewsと、heavenが、極く普通の小文字の綴りになっているのだと思います。普通の天国と、日々の朝の夜明けの空の色を想像してみて下さい。
(4)形式的にみると、第2行目に[.
. .
]とあることに着目して下さい。これは、この詩の中では、いつも沈黙、深い沈黙として使われる。その沈黙の意味を、それぞれ構造的に関係する連から再び採って、関係がよくわかり、今までの経緯がよく解るようにと、[ ]の中に訳し入れました。
つまり、[.
.
.]の後に、必ず、第2連のならば、天上の至福の機会を奪われ、地上に堕ちてくるか、第2連と対になっている第10連にあるように、すべての罪が赦されるか、第5連のように、ドンキホーテのような中世の騎士として、ひとに笑われながらも(実はこの笑う人の中には、第6連で解釈したように男色者の仲間の笑いも隠されているのですが)、地中の煉獄から飛び出して、橋の上から身を投げ、自らの死を以て神との契約を履行して蘇る、勇気ある行為に出るか、そのような変換を、[.
. . ]は、意味しています。
(5)第5連から第7連は、これでひとつの小宇宙をなし、時間が濃縮されて、そのあとで、Brooklyn
Bridgeは、第8連から第11連まで、一気に高層のbuildingとなるのです。この詩的小宇宙は、上の(2)に述べたように、同時に地下の煉獄でもあり、その男色の行為は、アセチレンガスの炎の白い歯がその一物を焼くのですが、またそれは、詩人の避難場所、港でもあるのです。そして、一時的な待避所である限り、ひとがそこで救われることはない。その苦しみを歌ったのがCraneの詩です。
(6)その中心にあるのが、この一行、
Of anomymity
time cannnot raise
です。
この一行によって、Craneは、この詩から、時間という因果の連鎖、the
chained bay
watersを解き放つこと、それらを自由にせむと、毎朝自らの勇を鼓して、橋から身を翻し、聖なるブルックリン橋という帆船の上から、海の中へと身を投じて、自らの命と引き換えにしても護るべきもの、それが、この一行であったと僕は思います。
(7)guerdon
Main
Entry: guer·don
Pronunciation: 'g&r-d&n
Function: noun
Etymology: Middle
English, from Middle French, from Old French, of Germanic origin;
akin to Old High German widarlOn reward
:
REWARD,
RECOMPENSE
-
guerdon
transitive verb
(8)accolade
thou dost bestow
Main
Entry: ac·co·lade
Pronunciation: 'a-k&-"lAd,
-"läd
Function: noun
Etymology: French,
from accoler to embrace, from (assumed) Vulgar Latin accollare, from
Latin ad- + collum neck -- more at COLLAR
1
a
:
a ceremonial embrace
b
:
a ceremony or salute conferring knighthood
2
a
:
a mark of acknowledgment :
AWARD
b
:
an expression of praise
3
:
a brace or a line used in music to join two or more staffs carrying
simultaneous parts
(8.1) confer
Main
Entry: con·fer
Pronunciation: k&n-'f&r
Function: verb
Inflected
Form(s): con·ferred;
con·fer·ring
Etymology: Latin
conferre to bring together, from com- + ferre to carry -- more at
BEAR
transitive
senses
1
:
to bestow from or as if from a position of superiority
(5) thou
Main
Entry: 1thou
Pronunciation: '[th]au
Function: pronoun
Etymology: Middle
English, from Old English thu; akin to Old High German du thou, Latin
tu, Greek sy
archaic
:
the one addressed -- used especially in ecclesiastical or
literary language and by Friends as the universal form of address to
one person; compare THEE,
THINE,
THY,
YE,
YOU
(6) bestow
Main
Entry: be·stow
Pronunciation: bi-'stO
Function: transitive
verb
Etymology: Middle
English, from be- + stowe place -- more at STOW
1
:
to put to use :
APPLY
2
:
to put in a particular or appropriate place :
STOW
3
:
to provide with quarters :
PUT
UP
4
:
to convey as a gift -- usually used with on or upon
synonym
see GIVE
-
be·stow·al
/-'stO-&l/ noun
(9)vibrant
reprieve
Main
Entry: vi·brant
Pronunciation: -br&nt
Function: adjective
この形容詞は、脈々と心臓の脈拍と連動して脈打つ、あるいは血脈打つ、繊細な男根のことと、自然に調和している(男根もそうである)が故に、死刑執行が猶予されているといっている。
この定義を読むと、readily
set in vibrationということから、性的なmotionへの用意ができているという含意もある。ブルックリン橋のa
long stepに合わせる用意ができているという意味の掛け合わせです。
(10)pardon
thou dost show
Main
Entry: 1par·don
Pronunciation: 'pär-d&n
Function: noun
Etymology: Middle
English, from Middle French, from pardoner
1
:
INDULGENCE
1
2
:
the excusing of an offense without exacting a penalty
3
a
:
a release from the legal penalties of an offense b
:
an official warrant of remission of penalty
4
:
excuse or forgiveness for a fault, offense, or discourtesy
(10.1)
exact(v)
Main
Entry: 1ex·act
Pronunciation: ig-'zakt
Function: transitive
verb
Etymology: Middle
English, to require as payment, from Latin exactus, past participle
of exigere to drive out, demand, measure, from ex- + agere to drive
-- more at AGENT
1
:
to call for forcibly or urgently and obtain
2
:
to call for as necessary or desirable
synonym
see DEMAND
-
ex·act·able
/-'zak-t&-b&l/ adjective
-
ex·ac·tor
also ex·act·er
/-'zak-t&r/ noun
ここにも、agentとあるので、男色者の性的行為の役割交代(ホスト、ゲスト)が含意されている。
Demandは、その場で、間を措かず、すぐに欲しいという欲望のこと。
(11) show
Main
Entry: 1show
Pronunciation: 'shO
Function: verb
Inflected
Form(s): showed
/'shOd/; shown
/'shOn/; or showed;
show·ing
Etymology: Middle
English shewen, showen, from Old English scEawian to look, look at,
see; akin to Old High German scouwOn to look, look at, and probably
to Latin cavEre to be on one's guard
transitive
senses
1
:
to cause or permit to be seen :
EXHIBIT
2
:
to offer for sale
3
:
to present as a public spectacle :
PERFORM
これも、第3連に掛かっている。第3連の"panoramic
sleights"や"other
eyes"等の縁語。
男色者は、男色者の見る中で、性行為をするものらしい。だから、これもそれを、目の前でperformし、showせよということに掛けてあると読むことができる。つまり、Brooklyn
Bridgeのa
long step, a long mast, a long penisを、我にshowし給え、僕はsidestepを踏むからと。
3.3.8 第8連
この第8連は、第4連に対応し、同じ階層に帰属する連として詠われています。従って、第4連(下降の詩)を見ると、この第8連(上昇)の詩を読むことができます。
前者も後者も、共通している筈のものは、この連での詩化と共に、次の連で夜明けがやって来るということです。
第8連は、第4連と対応して、「------」によって、橋の詩化とともに、人の夜明けが、次の連でやって来るという、その変化を示しているのです。
この連は、この詩の中では唯一、( )の中を除けば、本文が、すべて名詞だけで
できている連です。すなわち、(第5連、第6連と来て、4階層の下の0階層で一つの神話、無時間を創造するための循環の最後の環をなし、第5連に降りて戻って接続し、且つ第7連にも上昇して接続するという、そのような機能を有する)第7連を承けて、名詞だけをCraneは措いたのですが、これによって、この連も(動詞が無いので)連としては無時間を維持することができるから、そうして,第9連で、また夜が明け染めることができるからです。
(1)harp
ブルックリン橋が、鉄の竪琴に譬えられて喧伝されていることは既に書いた通りです。
(2)altar
Craneは、ブルックリン橋を教会堂の祭壇に比しています。幾重にも重なる形象。帆船、聖なる女性の神、聖母マリア、竪琴、聖なる教会堂。
(3)threshold
ブルックリン橋を、threshold、閾、ある世界と別の世界の境界に比しています。この上は人間の世界か天国。その下は地獄、男色者の地獄です。
White
Building of To Brooklyn Bridgeのマトリクス(構造図)をみて下さい。
また、同時にこのthresholdという言葉で、第5連、第7連、第8連と、それから上の階層の連のthresholdであるということ、即ち詩自体のthresholdであることも意味して歌っています。
(4)prophet
予言者ですが、詩人自身を意味しているととることができます。
(5)pledge
Main
Entry: 1pledge
Pronunciation: 'plej
Function: noun
Etymology: Middle
English, security, from Middle French plege, from Late Latin plebium,
from (assumed) Late Latin plebere to pledge, probably of Germanic
origin; akin to Old High German pflegan to take care of -- more at
PLIGHT
1
a
:
a bailment of a chattel as security for a debt or other obligation
without involving transfer of title b
:
the chattel so delivered c
:
the contract incidental to such a bailment
2
a
:
the state of being held as a security or guaranty b
:
something given as security for the performance of an act
3
:
a token, sign, or earnest of something else
4
:
a gage of battle
5
:
TOAST
3
6
a
:
a binding promise or agreement to do or forbear b
(1)
:
a promise to join a fraternity, sorority, or secret society (2) :
a person who has so promised
(5.1)bail
Main
Entry: 2bail
Function: transitive
verb
1
:
to clear (water) from a boat by dipping and throwing over the side --
usually used with out
2
:
to clear water from by dipping and throwing -- usually used with out
-
bail·er
noun
3.3.9 第9連
(1)聖なるブルックリン橋に夜が抱きかかえられて、夜が明ける。橋をMariaに思い、橋に抱きかかえられる夜を、キリストといはむ、いや、Crane自身だとも思って、ここを読みました。
聖母Mariaに優しく抱きかかえられるHart
Crane。そう読むことのできるほど、素晴らしい。そうして、そう読むことができたなら、ひとはそう読むことをゆるされるのではないだろうか。
(2)当時は、この橋を通行するのに税金をとったのだろうか。そうであっても、なくても、通じるように訳しました。
(3)夜が開けて、また自動車がブルックリン橋を数珠つなぎになって渡り始めるのです。
(4)skim
Main
Entry: 1skim
Pronunciation: 'skim
Function: verb
Inflected
Form(s): skimmed;
skim·ming
Etymology: Middle
English skymmen
transitive
senses
1
a
:
to clear (a liquid) of scum or floating substance (skim boiling
syrup) b
:
to remove (as film or scum) from the surface of a liquid c
:
to remove cream from by skimming d
:
to remove the best or most easily obtainable contents from
2
:
to read, study, or examine superficially and rapidly; especially :
to glance through (as a book) for the chief ideas or the plot
3
:
to throw in a gliding path; especially :
to throw so as to ricochet along the surface of water
4
:
to cover with or as if with a film, scum, or coat
5
:
to pass swiftly or lightly over
6
:
to remove or conceal (as a portion of casino profits) to avoid
payment of taxes
intransitive
senses
1
a
:
to pass lightly or hastily :
glide or skip along, above, or near a surface b
:
to give a cursory glance, consideration, or reading
2
:
to become coated with a thin layer of film or scum
(5)
condense
Main
Entry: con·dense
Pronunciation: k&n-'den(t)s
Function: verb
Inflected
Form(s): con·densed;
con·dens·ing
Etymology: Middle
English, from Middle French condenser, from Latin condensare, from
com- + densare to make dense, from densus dense
transitive
senses :
to make denser or more compact; especially :
to subject to condensation
intransitive
senses :
to undergo condensation
synonym
see CONTRACT
condenseは、contractという意味があるので、これはもう、神との契約、宇宙の創造主との契約にも掛けているのでしょう。
橋から身を投げ、自分が死ぬ事を代償に、神との契約を履行して、罪を赦される、その時間を永遠に凝縮する。
(6)unfractioned
idiom
普通に話している我々の言葉は、バラバラで、fractionedの状態ですが、ブルックリン橋という太陽の位置にいるホスト役の男色者の言葉は、男色者に通じるunfractionedの言葉、idiomsで話されているということ。このidiomsについては、今まで数々みて来た通りです。男色者の世界でだけ通じるunfractioned
idiomsがたくさんありました。
Unfractioned
idiomsで通じるということは、幸せなことだと思います。
(7)immaculate
sigh of stars
starsというのは、男色者達が、自分たちの役目を、太陽、地球、月に擬したことから、Craneは星々、またはスター達という意味で使っています。
普通には、星々の無垢のため息ですが、男色者たちの汚れない、絶頂に達して漏らす快楽の溜息という意味です。
また、これは、第3連のcinemasやscreenにも、映画スターということから掛言葉になっています。
(8)beading
これも数珠繋ぎにする意味ですが、勿論男色者の肛門性交の数珠繋がりに掛けています。
3.3.10 第10連
(1)The
City
シティは、ニューヨーク・シティ、その中心街区と、古代の、ユダヤ人の聖書にある避難の町のシティと、ふたつの掛け言葉。後者も罪を赦す町であるように、前者もそうであるという意味です。
(2)parcel
あるひとから、ポルノグラフィーの素晴らしい検索エンジンのあるウエッブサイトを教えてもらい、その中の短い映画(といっても、実写ですが、そこ)に、若い女性と姿は見えぬ男の出演者が英語でやりとりをする場面があり、勿論女性しか映っていない状態で、男がその女に話し掛ける言葉に、お前のpackageは、素晴らしいという言い方があったのです。
これは、packageというのは、この場合明らかに女性の秘所をいう隠語ですが、これが何故packageなのかがずっと疑問でありましたが、Craneのこの連に来て、そうして、第2連とは同じfloor、同じclass、同じlevelの詩だということを念頭に措いて考えると、その謎が解けました。
それは、packageは、その感触、感覚も、やはり何かが包まれているという感覚であり、そうして、何故女性の性器がpackageかというと、それは、男が開くものだから、そうして女が両脚を開いて、包まれている中身を見せるものだからです。
これに対して、parcelは、同じ包まれる小包ですが、しかし、男性がそのpenisを男性に包んでもらうもの、それは女性のようには開かれないで、包まれるものという感覚であり、意味なのだと思います。
それが、fiery
parcelなのです。灼熱の肛門性交。
そして、その男色の罪と、その浄めの祈りが、ユダヤ教の聖書という古典に分ち難く一体となって、詠われています。
何故、しかし、packageであり、parcelであり、このような郵便と関係のある言葉が性的な比喩に使われるのでしょうか。それは、郵便がコミュニケーションの手段であるからでしょう。そうして、性的なcommunicationだから、これらの言葉を使い、全く実際の感覚と剥離することなく、隠語で、このように使われているのです。
わたしの感じでは、男色者は郵便と郵便局に関する隠語を他にも持っていると思います。
それから、更に付け加えれば、Craneは、ニューヨークという大都会を擁する米国の当時の郵便システムも、つまり近代国家の管理統制するコミュニケーション・システムも、こうして性的な比喩をそっと忍ばせることで、dallyingしていると解釈することもできます。
(3)undone
undoneと読んで、直ぐ思い出すのは、コンピュータのチェスの勝負で、いつも負けているときに、深切なことに、もう一度元に戻して、その一手がなかったことにできるのです(コンピュータの方が強いのです)。
チャラにするというか、ガラガラぽん、御破算にして、元に戻して、罰則があるわけでもなく、規則、ruleとして、そのように最初からそのゲームが、世間周知の公認の規則として、設計されているのです。
時間をもとに戻すのではなく、その時間がそもそも存在しなかったかことにする規則です。
罪を赦すというよりも、そもそもそのような罪などなかったのだ、その男色の過ちはそもそもなかったのだ、undoneという意味です。ここでは、僕は、Craneの祈りの気持ちを感じました。Un-という、Craneの愛用する接頭辞の、力です。
(4)already
Alreadyも既にしてと訳しましたが、これも、undoneを承けて、時間とは無関係な副詞です。
あるいは、無関係にすることのできる副詞です。
この連の最後の一行が、現在完了形ではなく、現在形であるところに、Craneの意志、祈り、しかしそれ以上に、これが現実であるのだという言葉の力そのものを見ます。
雪は勿論、Craneの白です。白ですが、水の好きなCraneは、雪ですら、submergeという、overflow,
flowという形象を持って来ています。
これは、こうして書いてみると、最後の連、第11連の"Unto
us lowliest sometime sweep"に呼応しているとも思います。すべてを一掃してくれ給えと。
sometimeは、someがあるので、男色者の時間という意味です。
(5)an
iron year
不定冠詞のanがついているので、これは男色者の辛かった、厳しい鉄の一年という意味です。
(6)そうして、この連の最後の「.
. .」も勿論意味があり、この連と同じ階層にある第2連の最後の同じ記号に対応しているのです。
第2連は、エレベーターにのって地上へと、至福の場所から男色者の夜の地獄へと墜落するのですが、この第10連はどうでしょうか。暗闇の男色者の地獄が透明な白い色によって救済されています。
それ故に、「.
. . 」、深い沈黙が在るのだと思います。
第2連は、この沈黙の後に、エレベーターで堕ちていった第3連で世俗的な映画をみようかと「私」は考えるのですが、第10連では、この沈黙の後には、第11連で逆の方向に昇って行き、しかし一番最下層の帆船の世界を最上階層で歌って、下は上、上は下となって、第1連の、水平の橋と、垂直の女神の形象へと還って行くのです。
前者(第2連)には、fractionされ、flashingされた偽のスター達のスクリーン上の白、後者(第10連)には、雪のunfractionedの男色者の純白の白を配して(片々ではない雪!)と、そのように言葉を配置しているのです。
つまり、第2連では、色彩が白から黒へ、第10連では、色彩が、黒から白へと移るのです。それが、沈黙の「.
. . 」の意味です。
また、Chaplinesqueという詩を読むと、男色者は、AはassのA、BはbillのBといったようなindexを持っていたと読むことができるので、snowという単語も、s
for satisfactionととれば、男色の肛門性交によって満足しているこの今の瞬間という意味が隠されているという可能性があります。
(7)副詞について
To Brookllyn
Bridgeの構造(「White
Builindg of To Brooklyn
Bridge」)をみて直ぐに解ることは、この詩人は、少なくともこの詩では、副詞を極端に少なく使っているということです。
それは、時間と空間と、それから顕・隠を表す3種類の副詞以外には、副詞を使っていません。
ということは、後はすべて、動きを、名詞と形容詞の関係の中に封じ籠めたか、または、そのようにした名詞と動詞で表現したか、ということになります。勿論、前置詞や冠詞などの他の品詞の力も借りて。
3.3.11 第11連
(1)sleepless
眠ることなくという形容詞。しかし、眠る時間の無いということから、無時間のという意味があるかも知れない。
(2)vaulting
the sea
海に天蓋、丸天井を掛けているのは、お前、ブルックリン橋。
(3)sometime
someとあることから、これは男色者を指して、男色者の時間、あの地下の、夜の肛門性交の罪に汚れた時間という意味。勿論、時々というのが表面の意味。
(4)a
myth
これもaという不定冠詞のあることから、男色者の神話という意味。
(5)curveship
今はこのような荷役船はないようです。当時はブルックリン橋の下を繁く往来していたのでしょう。そうしてそこで働くひとたちはひどく貧しかったのでしょう。
curveは尻のカーヴ、尻の曲線。curveshipはcurve's
hipの意味。ChaplinesqueをChapline's
queと言葉遊びをしたのと同じ、Craneの常套の掛詞。
(6)God
このGodは、ブルックリン橋のこととなっているのではないかと思わせる位の感じがします。
しかし、やはり、Godに男色者の神話を届けて贖罪の行為を行うのが、ブルックリン橋ということでしょう。
以上
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