3。 表の訳と裏の訳
3.1 原文の詩の全文
TO
BROOKLYN BRIDGE
How many
dawns, chill from his rippling rest
The
seagull's wings shall dip and pivot him,
Shedding
white rings of tumult, building high
Over the
chained bay waters Liberty-----
Then, with
inviolate curve, forsake our eyes
As
apparitional as sails that cross
Some page
of figures to be filed away
------Till
elevators drop us from our day . . .
I think of
cinemas, panoramic sleights
With
multitudes bent toward some flashing scene
Never
disclosed, but hastend to again,
Foretold
to other eyes on the same screen;
And Thee,
across the harbor, silver-paced
As thought
the sun took step of thee, yet left
Some
motion ever unspent in thy stride, -----
Implicitly
thy freedom staying thee!
Out of
some subway scuttle, cell or loft
A
bedlamite speeds to thy parapets,
Tilting
there momently, shrill shirt ballooning,
A jest
falls from the speechless caravan.
Down
Wall, from
girder into street noon leaks,
A
rip-tooth of the sky’s acetylene;
All
afternoon the cloud-flown derricks turn . . .
Thy cables
breath the North Atlantic still.
And
obscure as that heaven of the Jews,
Thy
guerdon . . . Accolade thou dost bestow
Of
anonymity time cannot raise:
Vibrant
reprieve and pardon thou dost show.
O harp and
altar, of the fury fused,
(How could
mere toil align thy choiring strings!)
Terrific
threshold of the prophet's pledge,
Prayer of
pariah, and the lover's cry, -----
Again the
traffic lights that skim thy swift
Unfractioned
idiom, immaculate sigh of stars
Beading
thy path ------ condense eternity:
And we
have seen night lifted in thine arms.
Under thy
shadow by the piers I waited;
Only in
darkness is thy shadow clear.
The City's
fiery parcels all undone,
Already
snow submerges an iron year . . .
O
Sleepless as the river under thee,
Vaulting
the sea, the prairies' dreaming sod,
Unto us
lowliest sometime sweep, descend
And of the
curveship lend a myth to God.
3.2 表の訳と裏の訳
TO
BROOKLYN BRIDGE
How many
dawns, chill from his rippling rest
The
seagull's wings shall dip and pivot him,
Shedding
white rings of tumult, building high
Over the
chained bay waters Liberty-----
[表の訳]
ブルックリン橋では、
その細波(さざなみ)憩はぬ橋桁に
寒く凍えて耐え難く、じっと波間に漂うことなく
鴎(かもめ)の翼という翼が、どれだけたくさんの夜明けを
その波に浸(ひた)し、橋を旋回する運命にあることか
そうして、騒乱と騒擾の、鴎の群れの、流れるような白い環を分たず分ちながら
(それは、ブルックリン橋の、白色の幾つもの、空飛ぶ翼の環)
その湾の、連なり、連鎖し、鎖に繋がれた水面水面(みのもみのも)のその上高く、自由の女神の白い像を、これらの鴎の翼で、層を成して積み、建築しながら
[裏の訳]
ブルックリン橋の[奏でる音楽の]韻動、リズムとモーションに合わせて、
その波打ち揺れ動く避難所、すなわち、男色の行為の一時の慰安の場所の寒さに耐えかねて、尻尾の尾羽根が2つに割れていない種類の、その未だ男を知らぬ鴎の翼、肛門を貫く(penetratingする)ことなく、[一本の白い歯の炎に焼かれて傷つけられて血を出したりすることなく、]流れるように橋を旋回する鴎の翼の群れの純白の色の神聖な形象が、どれほど数多くの夜明けを、その橋の下の男色者が肛門性交の連鎖をなす海面に浸し、また[太陽の位置にいるホスト役]の尻にペニスを挿入し、そうして[太陽の位置にいるホスト役の男性の長い]橋[ーペニスー]の周りを、いいぞもっとやれという歓声や騒ぎの声とともに、帆布で織って作った白い環状用具を上へ下へと、射精するために、それの周りを旋回する運命にあることか。
Then, with
inviolate curve, forsake our eyes
As
apparitional as sails that cross
Some page
of figures to be filed away
------Till
elevators drop us from our day . . .
[表の訳]
と、鴎の群れなす翼は、無垢の曲線を描いて
僕達の視界から身を翻し、視野の外へと向かい
帆掛けた船が幾つも、台帳の紙面の上の、
数字の記入されたあるページを横切り走り
それは、事務的にファイルされて、整理整頓されて
(これをしも夢幻とやいはむ)
これらの夢幻の起こるに任せ、幻視の見えるにまかせて、鴎の群れなす翼は、無垢の曲線を描いて僕達の視界から身を翻し、視界の外に出たり入ったりする
それも、一日の仕事が終わり、エレベータがついには僕らを夜の暗い地上へ、地下へとよくも堕(お)としてくれるまで
[裏の訳]
と、その男色者のための環状の白い用具は、まだ尻を2つに分けられていない無垢の鴎、つまりは、肛門を貫かれる(penetratingされる)ことなく、まだ男を知らぬ無垢の曲線があれば、それがために、僕達自身の尻の穴を放擲し、うっちゃって、カリの立派な,鰓(えら)の帆掛けた一物が幾つも
オフィスで立ち働く人影の、成年前のお稚児さんの給仕職と交われば
これも、法的に訴訟となって簡単に監獄行きになって
(これをしも夢幻とやいはむ)
それも、一日の仕事が終わり、エレベータがついには僕らを夜の暗い地上へ、地下の男色者の地獄へとよくも堕(お)としてくれるまで
I think of
cinemas, panoramic sleights
With
multitudes bent toward some flashing scene
Never
disclosed, but hastend to again,
Foretold
to other eyes on the same screen;
[表の訳]
僕は、映画を見ようかとも思ってみるが、しかし、それが何かを思ってみると
それは、ひとの目を欺くための装置。それを見ると、群集は、激しく明滅する映画の光景の方に、面白いから、皆身を乗り出して、姿を曲げて歪めて夢中になるが、
群集には秘密も開示されることなく、そのこころも開かれることないまま、しかし、またもや、急がされ、急(せ)かされて、そうして、同じスクリーン、真理を欺き覆い隠すその保護膜(スクリーン)の上で、他のひとの目には、はじめからその未来を見透かされ、先を読まれている。
[裏の訳]
僕は、映画でも、いや、男色のあの性的な飽きることなき動きのある一幅の動く絵でも見ようかと思ったが、しかし、それは、同じ仲間の見物人の前で繰り広げられるひと時の見せ物の動きの姿、あの一時の慰めにしかならない男色の、私を欺く色々なテクニックや性具を思うが、もう酷(ひど)く何回もたくさん奴らと、射精する場面(シーン)へと向かって、腰をひん曲げて角度をつけてやることになるが、それは、決して世間に開示されることなく、一人の相手が終わったら、またもや、急がされ急(せ)かされて、どこへ行っても同じ男色専用の代用品の膜を張った道具(スクリーン)の上で、同類の眼をした他の奴らを相手に男色するその運命の定めとはなっている。
And Thee,
across the harbor, silver-paced
As thought
the sun took step of thee, yet left
Some
motion ever unspent in thy stride, -----
Implicitly
thy freedom staying thee!
[表の訳]
ところが、僕は、お前、ブルックリン橋を思ってみる
港を横切り架かって、生き物のように、白銀色の調和、
即ち、恰も朝日なる太陽が、お前の音楽に合わせて寸分違(たがわ)ず
踊りのステップを踏むかのごとくに。しかし、お前の息の長いステップには、そもそも費消されることの永遠にない、ある運動が残されており、それは黙示的に、無言の内に、お前の自由とは、あの帆船の帆柱がそうであるように、鋼鉄の綱がお前をそうやって直立させ、屹立させ、お前の進む航路を、どんな方向であろうと、風に向かって進めるもの、それがお前の自由だ。
[裏の訳]
そして、お前、ブルックリン橋よ、男色者の集まる避難場所を横切り、セックス(across)し、自然の生理の韻動に合わせて、その体を波打たせ
その格好は、恰も太陽が、お前の脚の長いステップ、すなわち、お前の長いマスト、その長竿(ペニス)の中にある、幾ら射精しても決して尽きせぬ、男色者の動き(モーション)であって、それはひとに知られることなく、人の眼から隠されて、黙々となされる、自然の法と韻律と音楽に調和した動きであり、そうやって、お前自身を自らの自慰行為の力で支えている、
お前の所有する自由なのだ。
Out of
some subway scuttle, cell or loft
A
bedlamite speeds to thy parapets,
Tilting
there momently, shrill shirt ballooning,
A jest
falls from the speechless caravan.
[表の訳]
[お前は一体どこから来た者かと、旧約聖書のヨブ記にあるように、もし神が問えば、答えよう、]ある地下鉄の出入り口の蓋を開けて、もはや身を隠すことを止め、飛び出したのか、また、地下鉄の車両の狭い空間、その狭さならば、ユダヤ教の聖書にあるように荒野を彷徨っていたユダヤ人の、地下なる狭苦しい集会所から飛び出したのか、それとも、地下鉄の、屋根裏部屋のような狭い空間から飛び出したのか、
一人の気違いが、ブルックリン橋よ、お前のその、敵の攻撃から身を護るための、城塞の胸墻(きょうしょう)ともいうべき数々の欄干に向かって、猛烈な速さで、[あのドンキホーテ、中世の騎士のごとくに]槍を持って、姿勢を低くして、突進し、鋭いシャツを目一杯に膨らませ、吶喊を叫びながら、空に舞い上がらんばかりに、自分の一切を賭して突進し、そうして、もの言わぬ列をなしている自動車の列の、恰も砂漠や敵意に満ちた土地を横断して旅する隊商の、その旅の仲間の中から、陽気な嘲(あざけ)り笑う声が、欄干から落ちて行くのだ。
[裏の訳]
[お前は一体どこから来た者かと、旧約聖書のヨブ記にあるように、もし神が問えば、答えよう、]ある地下鉄の出入り口の蓋を開け、サタンが棲み、行ったり来たり、上へ下へと歩いている地下の世界の通路への蓋を開けて、もはや身を隠すことを止め、飛び出したのか、また、地下鉄の車両の、法律に違反をして罰せられ、裁かれて入れられるあの狭い牢獄の独房の空間から飛び出したのか、それとも、地下鉄の、尻の形をした、そうして罪深い、狭い空間から飛び出したのか、
一人の男色者の気違いが、ブルックリン橋よ、ホストたるお前のその(ゲストの突きから身を護るための)保護膜に向かって、猛烈な速さで、[あのドンキホーテ、中世の騎士のごとくに槍を持って、]姿勢を低くして、尻を突き出して突き進み、白い帆布で織られた環を、あのバルーンを目一杯風で膨らませて、あるいは自分のペニスを吸ってもらって膨張させてもらい、いくぞと叫びながら、空に舞い上がらんばかりに、自分の一切のものを賭して突進し、そうして、
整然と規則に従い秩序だって列をなしている、世間のひとが口を開いて触れることのない、公にはとてもできぬが、しかし、それでもなお砂漠や敵意に満ちた土地を横断して旅する非可触賤民のごとき(speechless)隊商の、その旅の仲間の中から、男色者の陽気な嘲(あざけ)り笑う声が、[お稚児さんの小姓を従え、別の槍で突くものだからなお、]欄干から海へ落ちて行くのだ。
Down
Wall, from
girder into street noon leaks,
A
rip-tooth of the sky’s acetylene;
All
afternoon the cloud-flown derricks turn . . .
Thy cables
breath the North Atlantic still.
[表の訳]
さて、そうやって、落ちて来て、ウオール街を歩くと
[お前、聖なるブルックリン橋よ、お前のその美しい構造を支える大梁(おおはり)から、大都会のビジネス街の正午の時間の中へと、落ちて行くと、]
[町中で、表通りのそこここで、鎚打つ響きも音高く、]高層建築の溶接の、
空のアセチレンガスの炎の一本の裂け目の白い歯、その歯の白い炎が
白昼に、恰も闇の中から漏れ出るように漏れるのだ。
そうやって、
午後の時間ずうと休む暇なく、ブルックリン橋よ、お前が雲の流れに合わせて動き、帆船、お前の横梁の巻き上げ機が、回転し、旋回すると.
. .
お前のマスト、その主柱を支える数多くの鋼鉄の綱が、こうして、北大西洋の潮風の息吹きを、静かに、吸って、息を吐いている
[裏の訳]
さて、そうやって、戦死者の慰霊の碑へと落ちて行き、
ウオール街を歩くと、
お前、聖なるブルックリン橋よ、お前のその美しい構造を支える大梁(おおはり)から、大都会のビジネス街の正午の時間の中へと、落ちて行くと、
[町中で、表通りのそこここで、鎚打つ響きも音高く、]高層建築の溶接の、
空のアセチレンガスの、透明なその昼間の青い色と、薄明薄暮の時間のあかい色を合わせ持つ、その炎の色の通りに相異なるものを一体と化して統合する、アセチレンの火のような灼熱の歯でペニスを噛むと、血が出るのだ。
このウオール街で、昼は堕ちて来た死者として仕事で辛酸を嘗め、夜は男色に耽り、しかし、これらを皆一つに溶け合わせ融合するアセチレンガスの炎、この白昼の地獄の業火、その煉獄の火よ、それは男色者が相手の傷つき易い性器に歯を立てて傷つけるための、煉獄の息を吹き付けるように火を点火してそれを焼く炎の一本の白い歯、その歯の白い炎が、白昼に、恰も闇の中から漏れ出るように漏れるのだ。
そうやって、
午後の時間ずうと休む暇なく、両端の大都会の街区から往来する自動車の群れに耐えて応じて暇(いとま)無く、円滑に、四大の自然の要素を循環させ、またその変化に応じて流れ、帆を立てて進むことができる、航海する、そのような雲に合わせて操作をし、風に向かって進むことができるようにと、帆船の横梁の巻き上げ機が、回転し、旋回すると.
. .
お前、聖なるブルックリン橋よ、お前の立派にそそり立つマスト、そのカリの張った主柱を支える数多くの鋼鉄の綱、その禁忌の快楽の韻律と旋律を響かせる竪琴の糸、帆船の帆が、こうして、北大西洋の潮風の、息吹きを、静かに、吸って、息を吐いている
And
obscure as that heaven of the Jews,
Thy
guerdon . . . Accolade thou dost bestow
Of
anonymity time cannot raise:
Vibrant
reprieve and pardon thou dost show.
[表の訳]
だから、お前、聖なるブルックリン橋よ、お前が僕に、僕の日々の労苦の代償として与えてくれる報酬は、[毎日苦労に満ちた仕事に耐え、天上の至福の機会を奪われ、地上に堕ちて参り、また翌日は、勇気を以て、持てる力のすべてを尽くし、すべての罪が赦されるかと、地下鉄の、また、地中の中から飛び出して、騎士として獅子奮迅の活躍をし、たとえ人に嘲笑われようとも、橋の上から身を投げ、自らの死を以て神との契約を履行して蘇る、勇気ある行いを仕事として、日々身を委ねて来たのだか])、だから、ユダヤ人達の天国、その天空と同様に、薄明にあるように、明るく暗く、暗く明るいのだ
そう、どうか、お前、聖なるブルックリン橋よ、騎士の名誉を叙勲することを、僕になし給え
そうやって海に身を投じて名前がない、無名の存在であるということから、時間は何かを実際に現実に生起させることはできない。つまり、
このような、日が昇り日が暮れて自然と調和をして生きている分だけ、延期され、猶予されている死刑執行に、刑罰を受けること無く、罪が赦されることを、人為の文字で書かれた法律ではなく、お前、聖なるブルックリン橋よ、神の御名において、僕に示し給え
僕は、そうやって、一途に、ただただ日々無名な存在に徹して来たのだから。
[裏の訳]
だから、お前、聖なるブルックリン橋よ、お前が僕に、僕の日々の労苦の代償として与えてくれる報酬は、[毎日苦労に満ちた仕事に耐え、天上の至福の機会を奪われ、地上に堕ちて参り、また翌日は、勇気を以て、持てる力のすべてを尽くし、すべての罪が赦されるかと、地下鉄の、また、地中のあの牢獄の中から飛び出して、騎士として獅子奮迅の活躍をし、たとえ僕の男色仲間に嘲笑われようとも、橋の上から身を投げ、自らの死を以て神との契約を履行して蘇る、勇気ある行いを仕事として、日々身を委ねて来たのだから])、だから、ユダヤ人達の天国、その天空と同様に、薄明にあるように、明るく暗く、暗く明るいのだ
そう、どうか、お前、聖なるブルックリン橋よ、騎士の名誉を叙勲するために、その儀式のために、僕を抱擁し、男色者の奏でるモーションの音楽に合わせて、僕は僕でおまえの長竿(ペニス)に合わせて、一緒にお前の竪琴の揺れて響く音楽に合わせてステップを踏むから、そうやって、衆人環視の中で正式に、ああいい感じだと、僕にいい、僕を誉めなし給え
そうやって海に身を投じて名前がない、無名の存在であるということから、時間は何かを実際に現実に生起させることはできない。つまり、
このドクドクと音の聞こえるような生きた心臓の脈拍の、その血脈の流れ打つ男根の、しかしまたその分だけ、まだ自然と調和をしている分だけ、延期され、猶予されている死刑執行に、刑罰を受けること無く、罪が赦されることを、人為の文字で書かれた法律ではなく、お前、聖なるブルックリン橋よ、神の御名において、僕に示し給え
僕は、そうやって、一途に、ただただ日々無名な存在に徹して来たのだから。
O harp and
altar, of the fury fused,
(How could
mere toil align thy choiring strings!)
Terrific
threshold of the prophet's pledge,
Prayer of
pariah, and the lover's cry, -----
[表の訳]
ああ、お前ブルックリン橋の、鋼の綱で出来ているその竪琴と祭壇は
罪人を罰するその破壊的な、その浄化の怒りを持ち、
そのような力を、本々所有して、そこにあり、
(何故ならば、一体ただ苦労をして仕事をするからといって、ただそれだけで、人間が、お前の、その美しい、自然に合わせて、大きなステップを踏み、踊りを踊るかのごとくに見える、その見事な合唱と唱和の声を上げる弦の数々を、人為的な規則に従って、調整し、調音できるとでもいうのだろうか?できるわけがない!)
お前は、予言者の、この詩人を養い、労り、傷を、病を癒してくれる、この詩人をこれ以上どこにも誰にも売ることのない、そのような保障された憩いの、安全の場所であり、また、閾(境界域)である。
南インドならば、カーストの最下層の非可触賤民、町を離れ、あの荒野に棲まいする、その野生の人間の祈りを、そうして恋する者の叫び声を、どうか聞き届け給え
[裏の訳]
ああ、お前ブルックリン橋の、鋼の綱で出来ているその竪琴と祭壇は
罪人を罰するその破壊的な、その浄化の怒りを持ち、
そのような本源的な力を、本々所有して、そこにあり、
(何故ならば、一体ただ苦労をして仕事をするからといって、ただそれだけで、人間が、お前の、その美しい、あたかも朝日がお前の朝の振動の音楽に合わせて、大きなステップを踏み、そのそそり立つ立派なマストと長竿のモーションの揺れに合わせて踊りを踊るかのごとくに見える、その見事な合唱と唱和の歓喜の声を上げる、そのマストを自分自身で直立させ屹立させる男色の自慰行為の弦の数々を、人為的な規則に従って、調整し、調音できるとでもいうのだろうか?できるわけがない!)
お前は、予言者の、この詩人を養い、労り、傷を、病を癒してくれる、この詩人をこれ以上どこにも誰にも法律に従って裁いて売ることのない、だから詩人がその全てを投げ出して決して裏切られることのない、そのような安全保障された憩いの、安息の場所であり、
地上と天国との境界線、その線の下ではそのような救いの決してあることのない、そのような境界である、そのお前、聖なるブルックリン橋よ
南インドならば、カーストの最下層の非可触賤民に等しい、町を離れ、ウオール街を離れ、あの人跡未踏の荒野に棲まいする、その野生の人間の祈り、法令に従う意志そもそもその出生からいって無きものの、そうして恋する者(恋する男色者)の叫び声を、どうか聞き届け給え
Again the
traffic lights that skim thy swift
Unfractioned
idiom, immaculate sigh of stars
Beading
thy path ------ condense eternity:
And we
have seen night lifted in thine arms.
[表の訳]
また再び、自動車の照明が、お前の、その素早く反応し返す振動の、
そもそも壊れて破片でいることとは無縁の、お前の文法と慣用規則からなる
言語表現(イディオム)に、たった一瞥を喰らわせるだけで、そんな税金など支払いたくないといわむばかりに、その核心を猛スピードで通り抜け、天上の星々の曇ることなき悲しみの、深い溜め息も聞くこと無く素早く走り過ぎ、
お前の橋をビーズ玉のように数珠に連なって、連なり並び、ローマン・カトリックのあのロザリオの数珠を以て祈りを捧げ、Our
Fatherと詠い始め、Gloria
Patriと終わる、その詠唱の儀式の間に瞑想するもの達のように、お前の橋を浄め、そうして、永遠を凝縮してくれるのだ。すなわち、僕達は、お前の両の腕(かいな)の中で、夜がお前に抱きかかえられて持ち上げられ、夜が明けるさまを、こうして、目(ま)の当たりにしたのだ。
[裏の訳]
また再び、自動車の照明が、お前の、そのいい感じで素早く反応し返す男色の振動の、一体となり連鎖して思わず声にする体系的な慣用句、それから、男色行為のあの動き、モーションの絵図の、闇に潜んでスクリーン用具に輝く映画スターというべき、その星々の曇ることなき、男色の歓びの深い溜め息を、それらの不純物があればそれを取り除き、もっと純粋にそれらを濾過して、永遠に濃度を上げようと、お前、聖なるブルックリン橋をビーズ玉のように、ローマン・カトリックのあのロザリオの数珠に連なって、連なり並ぶが如くに、連鎖になって肛門性交の列をなし、そうやって、永遠を凝縮するのだ。すなわち、私達男色者は、そうやりながら、お前の両の腕(かいな)の中で、夜がお前に抱きかかえられて持ち上げられ、夜が明けるさまを、いつも、このようにして、見て来たのだ。
Under thy
shadow by the piers I waited;
Only in
darkness is thy shadow clear.
The City's
fiery parcels all undone,
Already
snow submerges an iron year . . .
[表の訳]
お前の影の下、桟橋の並ぶ傍で、僕は待っていた
何故ならば、暗闇の中にあればこそ、そしてその時にだけ
お前の影は、明らかであり、透明だからだ。
遠く眺める、シティの夜景は美しく、
お前の影の中から、眞に明るい闇に立って眺めると、対岸の
その燃えるような、摩天楼の電気的な光の粒子も要素も
すべてそもそも無かった状態に戻り、
何故ならば、1年のウオール街の喧噪もそのビジネスの猥雑も、そこでは赦されて、すべてはそもそも無かった原初の状態に戻り、戻れよ、
既にして、雪は、鉄(鋼)の1年を、洪水で罪を洗い流すがごとくに
その上を覆い、隠しているのだから。
[裏の訳]
お前の影の下、桟橋の並ぶ傍で、僕は待っていた
何故ならば、暗闇の中にあればこそ、そしてその時にだけ
お前の影は、明らかであり、透明だからだ。
遠く眺める、シティの夜景は美しいが、
お前の影の中から、眞に明るい闇に立って眺めると、対岸の
その燃えるような、摩天楼の電気的な光の粒子も要素も
すべてそもそも無かった状態に戻り
あの、ユダヤ人の聖書にある、罪人を赦すという古代の避難のシティ
(The
City of
Refuge)の、またシティのオフィスで犯した僕の罪、あの灼熱の肛門性交(parcels)も、そこでは赦されて、すべてはそもそも無かった原初の状態に戻り、戻れよ、既にして、雪は、男色者の辛かった鉄(鋼)の1年を、洪水で罪を洗い流すがごとくにその上を覆い、隠しているのだ、既にして。
O
Sleepless as the river under thee,
Vaulting
the sea, the prairies' dreaming sod,
Unto us
lowliest sometime sweep, descend
And of the
curveship lend a myth to God.
[表の訳]
お前、ブルックリン橋の下を流れる河のように
ああ、眠る暇(いとま)なく
海の上に架かるように、聖なる建築の天蓋、窮陵の天井を架け、また
それがそのまま死者達の、(海ではなく)地上の
地下の教会堂の墓所であるように、海の上のその空間を為し
樹木の無い、肥沃な広大な薬草地、誰も人が脚を踏み入れたことのない
未開拓のその草地がそうやって夢見る土地、私達の生まれ育った故郷の土地に
天蓋を掛け、このように、私達の庇護者となり、そうして、
お前、ブルックリン橋よ、私達、最も謙虚な者達の上に降りて来て、なんということなく、あっさりと、いつか、一遍に根こそぎきれいさっぱりと、
片付け、一掃し、私達の今棲むここをすっかりと奇麗にてしてくれないか
その源から降りて来て、私達の上にやって来てくれ給え
そうして、最下層で働く荷役や誘導の帆船の
(ああ、お前、ブルックリン橋の下を流れる河のように眠る暇(いとま)なく、
日夜立ち働く小さな船という存在の)
それがその苦労の全部でなくともよいから
たとえそれが一時のことでもよいから
あとでお返しをしますから
それがひとつの神話だと、神に与えて、そう成した給え
そう成して、神に与え給え、
あの白い鴎が形象をなす、あの鴎の群れの立ち昇る、自由の女神に
[裏の訳]
お前、ブルックリン橋の下を流れる河のように
ああ、眠ることなく、時間の流れることなく、
海の上に架かるように、聖なる建築の天蓋、窮陵の天井を架け、また
それがそのまま死者達の、(海ではなく)地上の
地下の教会堂の墓所であるように、海の上のその空間を為し
樹木の無い、肥沃な広大な薬草地、誰も人が脚を踏み入れたことのない
未開拓のその男色の草地がそうやって夢見る土地、
私達の生まれ育った故郷の土地に天蓋を掛け、このように、
私達の庇護者となり、そうして、お前、ブルックリン橋よ、
私達の所に降りて来て、なんということなく、あっさりと
いつか、男色者の時間に夜毎やっている時に、一遍に根こそぎきれいさっぱりと片付け、一掃し、私達が今棲むここをすっかりと奇麗にてしてくれないか
その源から降りて来て、私たち最も謙虚な者達の上にやって来てくれ給え
そうして、最下層で働く、南インドの荒野に棲む非可触賤民たる男色者の
純潔の曲線をもった尻という尻のことからも、そのことについても
僕の命と引換にして、お返しをしますから
それが男色者の神話だと、神に与えて、そう成した給え
そう成して、神に与え給え、
あの尻尾の尾羽根が2つに割れていない種類の、その未だ男を知らぬ鴎の翼、肛門を貫くことなく、一本の白い歯の炎に焼かれて傷つけられて血を出したりすることなく、流れるように橋を旋回する鴎の翼の群れの純白の色の神聖な形象、すなわち、神に奉れ。