【西東詩集94】 Suleika
【原文】
Ach! um deine feuchten Schwingen,
West, wie sehr ich dich beneide:
Denn du kannst ihm Kunde bringen
Was ich in der Trennung leide.
Die Bewegung deiner Flügel
Weckt im Busen stilles Sehnen;
Blumen, Augen, Wald und Hügel
Stehen bei deinem Hauch in Thraenen.
Doch dein mildes saftes Wehen
Kühlt die wunden Augenlider;
Ach, fuer Leid muesst ich vergehen
Hofft’ ich nicht zu sehn ihn wieder.
Eile denn zu meinem Lieben,
Spreche sanft zu seinem Herzen;
Doch vermeid’ ihn zu betrüben
Und verbirg ihm meine Schmerzen.
Sag’ ihm, aber sags bescheiden:
Seine Liebe sei mein Leben,
Freudiges Gefühle von beiden
Wird mir seine Nähe geben.
【散文訳】
ああ、お前の湿った両の翼を求めて
西よ、どれほど、わたしはお前を羨望することか
といふのも、お前は、彼に知らせを運ぶことができるから
わたしが別離の中で苦悩していることを。
お前の両の翼の動きは
胸の中に静かな憧憬を目覚めさせる
花々、目、森と丘陵が
お前の息吹の許で、涙の中に立っている。
しかし、お前の柔和な、優しい風のそよぎは
傷ついた瞼を冷やす
ああ、悲嘆の余りに、わたしは、窶(やつ)れて行く
彼の姿を再びみようとは望まない。
それならば、わたしの愛する者へと急ぐが良い
優しく、その心に向かって話すが良い
しかし、彼のこころを曇らせる(悲しませる)ことは避けるがよい
そして、彼の目から、わたしの数々の苦しみを隠すのだ。
彼に伝えよ、しかし控えめに伝えよ
彼の愛は、わたしの命である、と
二人の喜びの感情が
わたしには、彼が傍にゐることになるのだ、と。
【解釈と鑑賞】
西風に向かって、ズーライカの歌う詩です。
西風に託して、その思いを歌っています。
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