【西東詩集93】 Nachklang(残響)
【原文】
Es KLINGT so prächtig wenn der Dichter
Der Sonne bald, dem Kaiser sich vergleicht;
Doch er verbirgt die traurigen Gesichter
Wenn er in düstren Nächten schleicht.
Von Wolken streifenhaft befangen
Versank zu Nacht des Himmels reinstes Blau,
Verlagert bleich sind meine Wangen
Und meine Herzensthränen grau.
Lass mich nicht so der Nacht, dem Schmerze,
Du allerliebstes, du mein Mondgesicht!
O, du mein Phosphor, meine Kerze,
Du meine Sonne, du mein Licht.
【散文訳】
かくも壮麗に響くだろう、もし詩人が
ここでは太陽に、またここでは皇帝に自らを譬(たと)えるときには
しかし、彼は、悲しい数々の顔を隠しているのだ
もし薄暗い数々の夜の中で、忍び足で歩くときには
数々の雲に、棚引くように捕らえられて
天の夜に最も純粋な青が沈んだ
移し変えられて青白く、わたしの両の頬は、ある
そして、わたしの心の数々の涙は、灰色になっている。
わたしを、このように夜に、苦痛に、ほしいままにさせないでくれ
お前、最愛のものよ、お前、わたしの月の顔(かんばせ)よ!
おお、お前、わたしの燐よ、わたしの蝋燭(ろうそく)よ
お前、わたしの太陽よ、お前、わたしの光よ。
【解釈と鑑賞】
この詩の題名が残響とあるので、別れた後の、男の、この詩人のこころを歌ったものです。
日本語ならば、余情残心というところです。
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