30. MAI:Immer wieder(何度も何度も)by Wilhelm Busch
【原文】
Der Winter ging, der Sommer kam.
Er bringt aufs Neue wieder
Den vielbeliebten Wunderkram
Der Blumen und der Lieder.
Wie das so wechselt Jahr um Jahr,
Betracht ich fast mit Sorgen.
Was lebte, starb, was ist, es war,
Und heute wird zu morgen.
Stets muß die Bildnerin Natur
Den alten Ton benützen,
In Haus und Garten, Wald und Flur
Zu ihren neuen Skizzen.
【散文訳】
冬が去り、夏が来た。
夏は、新しく再び連れて来る
人気の高い不思議の雑貨店を
花々と歌々を売つてゐる不思議の雑貨店を。
それが、かくも毎年変わる様子を
私は、ほとんど心配しながら観察してゐる。
生きたものは死んだし、今在るものは、在つたのだし、
そして、今日は明日になるのだ。
絶えず、自然といふ創造者は
古い音色を利用して、
家と庭の中に、森と草原の中に
その古い音色を、新しい数々の素描となさねばならないのだ。
【解釈と鑑賞】
ドイツの詩人です。
日本語のWikiです:
ドイツ語のWikiです:
日本語のWikiによれば、
「ヴィルヘルム・ブッシュ(Wilhelm Busch、1832年4月15日-1908年1月9日)はハノーファー近郊ヴィーデンザール生まれのドイツの風刺画家、画家、詩人である。風刺的な絵本で良く知られる。デュッセルドルフ、アントウェルペン、ミュンヘンで工学、芸術を学んだ後、風刺画を描き始めた。
1865年に出版された初期の絵本『マックスとモーリッツ』は大きな成功を収めた。『マックスとモーリッツ』やその他の彼の作品は、近代のコミック・ストリップの先駆けの一つと見なされている。
ブッシュは、絵本と同じスタイルで多くの詩も書き残した。さらに1000を超える油彩画を描いたが、1908年に死去するまでは全く売れなかった。また彼は彫刻も制作した。」
『マックスとモーリッツ』は、あなたも聞いたことがあるのではないでしょうか。
マックスとモーリッツ
前のリルケの詩が「繰り返し、繰り返し」でしたから、このブッシュさんの詩も、同じ題の詩を編者は選んだのではないでせうか。
夏といふ季節を「不思議の雑貨店」と呼ぶことに、この詩人の感覚があり、上のやうなキャラクターを創造する感覚をも同時に、私は覚えます。ドイツ語でKram、クラームといふ文字を見、音を聞くと、ドイツの町中の、学校帰りに立ち寄つて買ふ駄菓子の類を、ランドセルを背中にして、食べながら歩く子供たちを思ひ出します。日本でもまた同様でありませう。
冒頭の写真を見ると、ビア・マグを右手に持ちながら写真に収まるといふのもまた、剽軽で、ユーモアがあり、この詩人らしいとおもはれます。下記の素描(スケッチ)は、この詩人による自画像ですが、1894年の年老いての顔なのでせう、眼光は鋭く、厳しい目ですが、しかし、辛辣ではないやうに見えますが、あなたは如何?
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