2016年5月20日金曜日

20. MAI:Mai(五月)by Theodor Storm


20. MAI:Mai(五月)by  Theodor Storm




【原文】

Die Kinder schreien 》Vivat hoch!《
In die blaue Luft hinein;
Den Frühling setzen sie auf den Thron,
Der soll ihr Koenig sein.

Die Kinder haben die Veilchen gepflückt,
All’, all’, die blühten am Muehlengraben.
Der Lenz ist da; sie wollen ihn fest
In ihren kleinen Fäustchen haben.


【散文訳】

子供達は叫ぶ ”万歳、万歳”
と、青い空の中に向かって
春を、子等は玉座に据える
春は、我等が王だと云つて。

子供達は菫(すみれ)を採つて(かう云ふのだ)
菫は、みんな、みんな、ミューレングラーベン運河沿いの土手に咲いていたんだ。
春が、来たんだ。子供達は、春をしつかりと
その小さな拳(こぶし)の中に捕まえたいのだ。


【解釈と鑑賞】

第2連では、子供達の声調が、そのまま表れてゐますので、できる限り其のやうに訳しました。

ご覧になつた通りの詩で、全くドイツの五月は一斉に花が咲き始め、全く此の通りの感情も、謂はば爆発するのです。

ミューレングラーベンといふ場所の名前は、大抵町の中の運河のある所の名前ですので、それらしい写真をネットで見つけましたので、こんな感じであると思つて下さって、この詩の春を思つて下さると有難い。日本の桜の咲く3月4月の春ではなく、ドイツの5月の春なのです。








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