2014年9月6日土曜日

【Eichendorfの詩81】Lockung(誘惑)


Eichendorfの詩81Lockung(誘惑) 
  

【原文】

Hörst du nicht die Bäume rauschen
Draussen durch die stille Rund?
Lockt’s dich nicht, hinabzutauchen
Von dem Soeller in den Grund,
Wo die vielen Bäche gehen
Wunderbar im Mondschein
Und die stillen Schlösser sehen
In den Fluss vom hohen Stein?

Kennst du noch die irren Lieder
Aus der alten, schönen Zeit?
Sie erwachen alle wieder
Nachts in Waldeinsamkeit,
Wenn die Bäume träumend lauschen
Und der Flieder duftet schwül
Und im Fluss die Nixen rauschen―
Komm herab, hier ist’s so kuehl.


【散文訳】

お前は、木々が潺湲(せんかん)たる音を立てるのを聞かないか?
外で、静かな円陣を通って
水の中に潜って行くことは、お前を誘惑しないだろうか?
露台(テラス)から地中へと
そこでは、多くの川が往く
素晴らしく、月の光の中を
そして、静かな城たちが見ている
高い巌の上から河の流れの中を

お前は、さ迷う、気の狂った歌の数々をまだ知っているか?
古い、美しい時代からの歌を
それらの歌は、みな、再び目覚める
夜毎夜毎に、森の孤独の中で
もし、木々が夢をみながら、耳そば立てているならば
そして、にわとこが、鬱陶しく香り立っているならば
そして、河の流れの中で、水の妖精たちが、潺湲(せんかん)たる音を立てているならば
下に来い、ここは、こんなに冷たく、涼しいぞ。


【解釈と鑑賞】

第1連の「静かな円陣を通って」とあるのは、木々がそのような円を、円陣を構成しているのでしょう。それだけで、樹木の世界の何かを意味しています。

この詩にも、アイヒェンドルフの好きな言葉が散りばめられています。

潺湲たる音、円陣、川、河、月の光、城、巌、森、孤独、夢、夜、目覚め、妖精、耳そばだてること。

そうして、生まれる世界は、シュールレアリスムの絵画、例えばダリの絵やデルボーの絵の世界によく通じている。つまり、時間が無いのです。

これが、わたしのこの詩人を好きな理由なのだと思います。

詩の中に出て来るにわとこという名前の植物、ドイツ語でFliederの写真を掲げます。





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