Haltloser Gesang für zwei (二人のための止まらない歌) :第53週 by Steffen Jacobs(1968 - )
【原文】
Ach Gott, ein neues Jahresende,
die Tage kurz und nebelschwer -
so hasten sie durch das Gelände,
und halten kann sie keiner mehr.
Das Leben war mal ein Versprechen
auf vieles, das erreichbar waer.
Nun sehen wir Versprechen brechen,
und halten kann sie keiner mehr.
Im nächsten Jahr wird alles besser,
die Meute schreit: Viel Feind, viel Ehr.
Dann läuft sie gradewegs ins Messer,
und halten kann sie keiner mehr.
Wir aber finden zueinander,
und fliehen über Land und Meer.
Nur flüchtig sind wir beieinander,
sind wir für immer beieinander -
und halten kann uns keiner mehr.
【散文訳】
ああ、神よ、新しい年末だ
日々は短く、そして霧のように重く
そのように、二人はゲレンデを急ぎ
そして、もはや誰も二人を止めることができない。
人生は、まあ、昔は、約束だった
手の届くかも知れない多くのものへの
さて、こうしてみると、わたしたちは、約束が破られるのを見る
そして、もはや誰も二人を止めることができない。
次の年には、すべてがもっとうまく行く
群衆は叫ぶ:たくさんの敵、たくさんの名誉
すると、ふたりは真っ直ぐにナイフの中へと走り込む
そして、もはや誰も二人を止めることができない。
わたしたちは、しかし、お互いであることを見つけ
そして、陸と海を渡って逃げる
ほんの一瞬かすめるように(逃げるようにして)、わたしたちは傍にいる
わたしたちは永遠に傍にいるのだ
そして、もはや誰も二人を止めることができない。
【解釈と鑑賞】
この詩人はドイツの詩人です。
この詩人のWikipediaです。
この詩は、このカレンダーの最後の詩です。
最初の一行の、新年が新しいのではなく、その年の年末が新しいのだという発想は斬新です。
この逃走する二人は、普通のひとの時間の接続感覚とはズレているので、だれもその逃走を止めることができないのでしょう。
第2連も、全くその通り。あなたの今年の約束は成就されたでしょうか。
第3連を読むと、勿論このふたりは群衆の側に属している人間ではありません。しかし、刃物の中へ走り込むとは、それは普通には死を意味しているでしょう。
第4連を読むと、お互いにあるという関係を発見した二人は、このような人生を送るというのです。
この二人が男女の二人であるならば、この最後の連から言っても、切ない恋愛詩ということになるでしょう。
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