2013年12月22日日曜日

【西東詩集56】 TIMUR spricht(チムールが話をする)


【西東詩集56】 TIMUR spricht(チムールが話をする)


【原文】

WAS? Ihr missbilliget den kraeftgen Sturm
Des Uebermuts? Verlogne Pfaffen!
Hatte Allah mich bestimmt zum Wurm,
So hatte er mich als Wurm geschaffen.


【散文訳】

何だって?お前達は、この強力なる嵐を否認するというのか?
この不満の暴風雨の嵐を?嘘つきの糞坊主ども!
アラーがわたしを確かに虫けらにしようと思ったら
アラーはわたしを虫けらとして創造賜はうたであらうに。


【解釈】

不満の書、不満の巻の最後に、このチムーツ帝の言葉が措かれています。

宗教家のもつ偽善や過剰な形式やらが、人間のこころの実際と離れてしまうことを、ゲーテは嫌ったのでしょう。それは、今までの詩を読んできて、よくわかります。

不満を嵐に譬えるとは、これは、相当な不満の書であったわけです。

0 件のコメント: