【Eichendorfの詩 11】Der Maler (画家)
【原文】
Der Maler
Aus Wolken, eh im naecht'gen Land
Erwacht die Kreature,
Langt Gottes Hand,
Zieht durch die stillen Fluren
Gewaltig die Konturen,
Strom, Wald und Felsenwand.
Wach auf, wach auf! die Lerche ruft,
Aurora taucht die Strahlen
Vertraeumt in Duft,
Beginnt auf Berg und Talen
Ringsum ein himmlisch Malen
In Meer und Land und Luft.
Und durch die Stille, lichtgeschmückt,
Aus wunderbaren Locken
Ein Engel blickt. ―
Da rauscht der Wald erschrocken,
Da gehn die Moregenglocken,
Die Gipfel stehen verzückt.
O lichte Augen, ernst und mild,
Ich kann nicht von euch lassen!
Bald wieder wild
Stuermt's her von Sorg und Hassen ―
durch die verworrnen Gassen
Führ mich, mein göttlich Bild!
【散文訳】
画家
雲の中から、夜にいる国で
生物が目覚め
神の手をつかみ
静かな平野を通って
力強く、輪郭線を引く
嵐を、森を、そして岸壁の輪郭線を引く
目覚めよ、目覚めよ、と雲雀(ひばり)が叫ぶ
オーロラがたくさんの光線を水中に浸(ひた)す
芳香の中で夢見ながら
山と谷で始まるのは
その周囲で、天国的に絵を描くことである
海、そして陸で、そして空気の中で
そして、静寂を通じて、光に装飾されて
素晴らしい巻き毛の中から
一人の天使が見ているのだ。
と、森が驚いてざわめきの音を立て
と、朝の鐘の音が通り
山巓は、恍惚と立っている。
ああ、明るい眼よ、真剣で柔和なる
わたしは、お前達を打っ遣(や)ることができない
ぢきに再び荒々しく
奔流がこちらへやって来るのだ、心配と憎悪から
混乱して縺(もつ)れた小路を通り抜けて
わたしを導けよ、わたしの聖なる像よ!
【解釈と鑑賞】
これは、画家を歌った歌です。
しかし、この場合の画家とは人間ではなく、眼に見えない自然です。
その何か擬人的な何かを、第1連で生物と呼び、題名で画家と呼んでいるのです。
この生物という名詞の選択は何か非常に独特な感じがします。
更にしかし、この自然は人間の画家と一体になっているようです。
この画家は、景色を確かに描きます。その様を歌っている詩です。
どの連もアイヒェンドルフらしい。細かな註釈は不要かと思います。
巻き毛の中から見える天使の眼という一行は、不思議な感じを与えます。
そうして、やはり混乱、惑乱と、静寂の対比。
これが、この詩人の詩の特徴なのだと思います。
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