【Eichendorfの詩 14】Spielleute (軍楽隊)
【原文】
Spielleute
Frühmorgens durch die Klüfte
Wir blasen Victoria!
Eine Lerche faehrt in die Luefte:
>>Die Spielleu sind schon da!<<
Da dehnt ein Turm und reckt sich
Verschlafen im Morgengrau,
Wie aus dem Träume streckt sich
Der Strom durch die stille Au,
Und ihre Aeuglein balde
Tun auf die Bächlein all
Im Wald, im grünen Walde,
Das is ein lustiger Schall!
Das ist ein lustiges Reisen,
Der Eichbaum kühl und frisch
Mit Schatten, wo wir speisen,
Deckt uns den gruenen Tische.
Zum Fruehstueck musizieren
Die muntern Voeglein,
Der Wald, wenn sie pausieren,
Stimmt wunderbar mit ein,
Die Wipfel tut er neigen,
Als gesegnet' er uns das Mahl,
Und zeigt uns zwischen den Zweigen
Tief unten das weite Tal.
Tief unten da ist ein Garten,
Da wohnt eine schöne Frau,
Wir können nicht lange warten,
Durchs Gittertor wir schaun,
Da ist's so still und kuehl,
Die Wasserkünste gehen,
Der Flieder duftet schwuel.
Wir ziehen vorbei und singen
In der stillen Morgenzeit,
Sie hoert's im Traume klingen,
Wir aber sind schon weit.
【散文訳】
軍楽隊
朝早くにいつも、峡谷を通って
わたしたちは勝利の曲を吹奏する!
一羽の雲雀が空中にあちこちと飛んで
>>軍楽隊が、ほらもう来たぞ!<<という
すると、ひとつの塔が延びていて、伸びながら
朝の灰色の中に眠り呆けている
夢の中からのように、流れが
静かな沃野を抜けて、伸びている
そして、沃野の小さな両目が、じきに
数々の小川の方をみな見ている
森の中にある、緑の森の中にある流れの方を
これが、陽気な響きなのだ!
これが、陽気な旅なのだ
柏の木が、冷たく、新鮮に
影を以て、わたしたちの演奏するところで
わたしたちに緑の食卓を用意する。
朝食に、演奏するのは
機嫌のよい鳥達だ
森は、鳥達が休憩すると
素晴らしく共鳴して、和音を合わせる
梢(こずえ)を、柏の木は、頷かせ
わたしたちの食事を祝福するかの如くに
そして、わたしたちに、枝枝の間に
深く、下方に、広い谷を示すのだ。
深く、その下方、そこには、ひとつの庭があり
そこには、ひとりの美しい女性が住んでいて
わたしたちは、長く待つ事ができずに
格子戸を通じて、わたしたちは見るのだ
そこは、かくも静かで、そして冷たい
人工の噴水が行き
ライラックが、鬱陶しく薫っている。
わたしたちは通り過ぎ、そして、歌う
静かな朝の時間の中で
朝の静かな時間は、夢の中で響く音を聞くが
わたしたちは、しかし、既に遠いところにいるのだ。
【解釈と鑑賞】
題名の通り、軍楽隊の行進しながらの演奏を歌った詩です。
アイヒェンドルフによれば、軍楽隊もまた旅をするのです。
アイヒェンドルフにかかれば、何にもかもすべてが、旅をするようです。
音楽、演奏、雲雀、沃野、行進、谷、緑の森、陽気な雰囲気、静けさ、庭、美しい女性、朝の時間、楽の音の響き、そうして、遠くへ行く事。
知った時には、既に遠くへ過ぎ去っていること。
これら、すべて、アイヒェンドルフの世界の構成要素です。
味わうままに、味わうのが、よろしいのだと思います。
いつ、どの詩を読んでも、不思議な世界だと思います。
繰り返し、飽く事無く、この世界を詩人は歌う。