2012年7月11日水曜日

【Eichendorfの詩4】Der frohe Wandersmann (陽気な旅人)


【Eichendorfの詩4】Der frohe  Wandersmann (陽気な旅人)

【原文】

Der frohe Wandersmann

Wem Gott will rechte Gunst erweisen,
Den schickt er in die weite Welt;
Dem will er seine Wunder weisen
In Berg und Wald und Strom und Feld.

Die Trägen, die zu Hause liegen,
erquicket nicht das Morgenrot,
Sie wissen nur von Kinderwiegen,
Von Sorgen, Last und Not um Brot.

Die Baechlein von den Bergen springen,
Die Lerchen schwirren hoch vor Lust,
Was sollt ich nicht mit ihnen singen
Aus voller Kehl und frischer Brust?

Den lieben Gott lass ich nur walten;
Der Bächlein, Lerchen, Wald und Feld
Und Erd und Himmel will erhalten,
Hat auch mein Sach aufs best bestellt!





【散文訳】

陽気な旅人

神が正しい恵みを与え賜ふそのひとを
神は広い世界の中へと使い遣る
そのひとに、神は奇蹟を示したいと思し召す
山の中で、森の中で、嵐の中で、原野の中で

家にある怠惰に、燭光は生気をもたらすことはない
怠惰は、ただ子供の揺り籠について知っているだけ
心配について、重荷について、パンを得る苦労について知っているだけだ

山々の小川は弾け飛び
雲雀は愉快の余り高く飛び廻る
雲雀と一緒になって何を歌はないことがあらうか
喉一杯に、そして、新鮮な胸の内から

わたしは愛する神をして只支配せしむるのみ
小川も、雲雀も、森も、そして原野も
そして、大地も、空をも、支配せしめるのみだ
神は、実際、わたしのものを最善の状態にしてくれたのだ!

【解釈と鑑賞】

旅人は、神のお使い。そうして、詩のような理由によって、いつも陽気である。

定住し、固定して住まう人間達との対比を、アイヒェンドルフは好むようだ。

Wandernという言葉に、思いの外の思い入れがあるのだと思います。決して、reisen(これも旅をするという動詞)とはいいません。やはり、あちこちと逸脱をする歩みに旅人の真意を見ているのだと思います。

Hat auch mein Sach aufs best bestellt!は、もっと旨い訳がありそうに思います。

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