【Eichendorfの詩 53-4】Sonette(ソネット)
【原文】
4
Wer einmal tief und durstig hat getrunken,
Den zieht zu sich hinab die Wunderquelle,
Dass er melodisch mitzieht, selbst als Welle,
Auf der Welt sich bricht in tausend Funken.
Es waechst sehnsuechtig, stuertzt und leuchtet trunken
Jauchzend im Innersten die heil'ge Quelle,
Bald Bahn sich brechend durch die Kluft zur Helle,
Bald kühle rauschend dann in Nacht versunken.
So lass es ungeduldig brausen, draengen!
Hoch schwebt der Dichter drauf in goldnem Nachen,
Sich selber heilig opfernd in Gesaegen.
Die alten Felsen spalten sich mit Krachen,
Von drüben Grüßen schon verwandte Lieder,
Zum ew'gen Meere fuehrt er alle wieder.
【散文訳】
一度、深く、そして飢(かつ)えて飲んだ者
その者を、不思議の泉は泉自身へと連れて行き
その者は、旋律に合わせるように一緒に行って、波さへもが
世界の上で、千の火花と散るのだ。
神聖なる泉は、憧れて育ち、墜落し、そして酔ふて輝き
歓喜の声をあげる、最も内奥で
あるときには、道が開けて、峡谷を通って、明るさへと向かいながら
またあるときには、冷たくさやけき音を立てて、今度は夜の中に沈みながら。
このように我慢無く立ち騒ぎ、押し寄せるままにさせておくがいいのだ!
高く、詩人がその上に、黄金の小舟にのって浮かんでいる
自分自身を神聖に犠牲として捧げながら、歌声の中にあって。
古い岩々が、音を立てて割れ
そこから、既に親しき歌々が挨拶をする
永遠の海へと、その者はみなを再び連れて行くのだ。
【解釈と鑑賞】
この詩が典型的なように、アイヒェンドルフが自然を歌っても、それは単に叙景の詩では全然ないことがおわかりでしょう。
泉、Quelleという以外にはない何ものかを、この詩人は知っていたということです。
そうであればこそ、この泉も、従い(そうは書いてありませんが)その水を飲む者も、育つばかりではなく、失墜もして、輝くのです。
何か、人間が生きるということの本質が凝縮されている詩のように思われます。
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