【Eichendorfの詩 42】Der irre Spielmann (狂った吟遊楽人)
【原文】
Der irre Spielmann
Aus stiller Kindheit unschuldiger Hut
Trieb mich der tolle, frevelnde Mut.
Seit ich da draussen so frei nun bin,
Find ich nicht wieder nach Hause mich hin.
Durchs Leben jag ich manch truegrisch Bild,
Wer ist der Jaeger da? wer ist das Wild?
Es pfeift der Wind mir schneidend durchs Haar,
Ach Welt, wie bist du so kalt und klar!
Du frommes Kindlein im stillen Haus,
Schau nicht so lüstern zum Fenster hinaus!
Frag mich nicht, Kindlein, woher und wohin?
Weiss ich doch selber nicht, wo ich bin!
Von Sünde und Reue zerrissen die Brust,
Wie rasend in verzweifelter Lust,
Brech ich im Fluge mir Blumen zum Strauss,
Wird doch kein fröhlicher Kranz daraus!―
Ich moecht in den tiefsten Wald wohl hinein,
Recht aus der Brust den Jammer zu schrein,
Ich moechte reiten ans Ende der Welt,
Wo der Mond und die Sonne hinuterfaellt.
Wo schwindelnd beginnt die Ewigkeit,
Wie ein Meer, so erschrecklich still und weit,
Da sinken all Stroem und Segel hinein,
Da wird es wohl endlich auch ruhig sein.
【散文訳】
狂った吟遊楽人
静かな子供時代の罪の無い保護の中から
わたしを、狂気の、悪事を犯す気持ちが、追い出した。
わたしが外に出て、今こうして、かくも自由である以上
わたしは再び家には帰ることはない。
人生を通じて、わたしは幾多の欺瞞の像の狩りをする。
そこにいる狩人は誰だ?その野獣は誰だ?
風が、わたしの髪の毛の中を通り、我が身を切って、鳴る。
ああ、世界よ、お前は何と冷たく、そして澄んでいるのか!
お前、静かな家の中にいる敬虔な子供よ、
そんなに熱望して窓から外を眺めるな!
子供よ、どこから、そしてどこへ?と訊かないでくれ。
わたしがどこにいるのか、わたし自身も知らないのだ!
罪と後悔から、胸が張り裂ける
絶望した陽気なこころの中で荒れ狂うかのように
わたしは、一気に、わたしの花を折って花束にする
しかし、陽気な冠がそれからは生まれない!
わたしは最も深い森の中へと確かに入って行きたい
まさしく胸の中から、嘆きを叫ぶために
わたしは、世界の涯まで騎乗して駈けて行きたい
そこでは、月と太陽が下に落ちるのだ。
目眩がして、永遠が始まるところで
海のように、そのように驚く程静かに、そして広く
そこで、すべての海流と帆船が沈み行き
そこで、ついに、間違いなく、また静かになるのだ。
【解釈と鑑賞】
狂った吟遊楽人とは、この詩の話者でありませう。
そのような狂った音楽家が(この場合は、詩人が)、子供の時代を思い出し、今の自分の境涯を思って、比較をし、それぞれの時代の思いを、歌っています。
そして、大人である楽人の深い思いは、最後の2連にあるのでせう。
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