2013年9月14日土曜日

Brennesselbusch(刺草の茂み):第39週 by Guenter Eich(1907 - 1972)


Brennesselbusch(刺草の茂み):第39週 by Guenter Eich(1907 -  1972)




【原文】

Brennesselbusch.
Die gebrannten Kinder
warten hinter den Kellerfenstern.
Die Eltern sind fortgegangen,
sagten, sie kämen bald.

Erst kam der Wolf,
der die Semmeln brachte,
die Hyäne borgte sich den Spaten aus,
der Skorpion das Fernsehprogramm.

Ohne Flammen
brennt draussen der Brennesselbusch.
Lange
bleiben die Eltern aus.


【散文訳】

刺草(いらくさ)の茂み

刺草の茂みがある。
やけどをした子供達が
地下室の窓の後ろで待っている
両親は行ってしまった
直に戻って来るよと言ったまま。

やっと、狼が来た
狼はゼメルン(上等の小麦のパン)を持って来た
ハイエナは、鋤を借りた
蠍(さそり)は、テレビの番組表を借りた。

炎を上げることなく
外では、刺草の茂みが燃えている
長い事
両親は不在のままである。


【解釈と鑑賞】


この詩人のWikipediaです。


ドイツの詩人です。

この詩は、何かドイツ民族の俗話か民話か、或いは何かのことわざを下敷きにして出来ている詩なのではないでしょうか。

第1連と第2連は、そのようなことを思わせます。

そうして、今流にパロディーを使って修正をした。テレビの番組表というように。

やけどした子供達という子供達が何を意味しているのか、それともこれは誤訳なのか、ご存知の方はお教え下さい。

この詩は、brennen、焼くというドイツ語の動詞の連鎖と連想で出来ています。

まづ、刺草の茂みがある。刺草はドイツ語では、Brenneselと言って、Brenn、焼くという言葉が入っています。

次に、子供達が、焼かれている。

この焼くということと、ふた親が不在であるということが、何か土俗的な、古俗な、民族の深層心理を思わせるのです。



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