2013年9月14日土曜日

【西東詩集48】 Schach Sedschan und Seinesgleichen



【西東詩集48】 Schach Sedschan und Seinesgleichen


【原文】

Durch allen Schall und Klang
Der Transoxanen
Erkühnt sich unser Sang
Auf deine Bahnen!
Uns ist für gar nichts bang,
In dir lebendig,
Dein Leben daure lang,
Dein Reich beständig!




【散文訳】

セデゥシャン王とその同族(臣下達)

すべての響きと音を通じて
トランソクサーネンの人々を
わたしたちの歌は大胆にも歌うのだ
お前の道を祝して!

わたしたちには、何も恐れるものはない
お前の中に生き生きと
お前の命が長久に続くからだ
お前の帝国よ恒久なれ!



【解釈】

Transoxianaという名前は古代のアラビアとペルシャ辺り、中近東の一部をいう名前です。次のWikipeidaをご覧下さい。地図が載っています。

http://en.wikipedia.org/wiki/Transoxiana

この地に住むひとたちを何故ゲーテは歌ったのか。

この詩は、セデゥシャン王という王様とその一族や臣下を言祝ぐ歌です。

わたしの手にしている西東詩集の註釈によれば、この王様は、モザッファー家出身のペルシャの支配者で、1384年没。学問と芸術の庇護者であり、ハーフィスのパトロンでもあった。ファーフィスがこの王様のことを多々歌っているのだそうです。

政治的権力と詩人の関係は、古今東西見事な均衡の上に成立しています。丁度、ふたつの者は互いに表裏の関係にあります。

ゲーテは、政治家でもありましたから、この均衡については充分すぎる位、よく知っていたのです。

その上で、この単純素朴な詩を書いたゲーテのこころを思うことに致しましょう。




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