【西東詩集47-1】 無題1
【原文】
Lieblich ist des Mädchens Blick der winket,
Trinkers Blick ist lieblich eh er trinket,
Gruss des Herren, der befehlen konnte,
Sonnenschein im Herbst der dich besonnte.
Lieblicher als alles dieses habe
Stets vor Augen, wie sich kleiner Gabe
Duerftge Hand so hübsch entgegen dränget,
Zierlich dankbar was du reichst empfaenget.
Welch ein Blick! ein Gruss! ein sprechend Streben!
Schau es recht und du wirst immer geben.
【散文訳】
愛らしいのは、合図する乙女の眼差し
飲み助の眼差しは、飲む前ならば、愛らしい
命令することのできた主(あるじ)の挨拶
お前を思う、秋の太陽の輝き
こういったこと総てよりも、もっと愛らしいものを、わたしは持っている
いつも目の前に、小さな可愛らしい賜物の
匂い立つ手が、かくも美しく迫り来るさまを
おまえが最も豊かに受け取るものに、上品のこころで感謝するのだ
なんという眼差しであろうか!挨拶であろうか!もの言う努力であろうか!
きちんとそれをみるがいい、そして、お前は、いつも与え続けるがいい。
【解釈】
観察の巻の最初の詩としての三つ目の詩です。
ここからが、形式からみると、無題のひとつの長篇詩とみることができ、また無題の短編詩を幾つも連ねたとみることのできる詩群が始まります。
ここから、一連一連訳して参ります。
観察の巻の観察という言葉の意味の中には、恋愛も含まれているということを意味する詩だということになるでしょう。
若いときのように、分別を失う恋愛ではなく、年老いてこのように表現できるという、だからと言って、世間の分別とは無縁の、恋愛詩です。
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