2012年9月1日土曜日

第37週: Heimische Kueche (故郷の料理) by Dieter Hoess (1935 - )


第37週: Heimische Kueche (故郷の料理) by Dieter Hoess  (1935 - )  

【原文】

Heimische Kueche

Der neue Spanier
ist schon wieder weg.
Der Grieche hat sich
auch nicht gehalten.
Sogar ein Italiener
hat dicht gemacht.

Der Tuerke hat
gar nicht erst Fuss gefasst.
Der Chinese hat sich
nicht durchgesetzt.
Der Thai hat gleicht
das Handtuch geworfen.

Zuletzt gab der
Mexikaner auf.
Jetzt eröffnet der Gasthof
ZM OCHSEN wieder
unter neuer Regie
mit veränderter Karte:

Tapas
Kalamaris
Lasagne
Sushi
Chop Suy
Chili con carne


【散文訳】

故郷の料理

あの新参者のスペイン人も
もうまた、いなくなってしまった。
ギリシャ人も
また、堪(こら)え性がなかった。
おまけに、イタリア人が
やり過ぎた。

トルコ人は
全然一歩をしるすにも至らず。
中国人は
やりおおせなかった。
タイ人は直ぐに
タオルを投げて降参してしまった。

最後にメキシコ人は
諦めた。
さて、今や、レストラン
雄牛亭が、再び開店します
新たな監督のもとに
違ったメニューで:

タパス
カラマリ
ラザニア
チョップ•スイ
チリ•コン•カルネ


【解釈と鑑賞】

この詩人のWikipediaはありませんでしたが、その代わりに、次のウエッブサイトがありました。ドイツ語ですが、この詩人の略歴を読むことができます。


また、この詩人の生まれたAllgaeu、アルゴイのWikipediaです。ドイツの一番南辺です。


グラフィックデザイナーを10年やって、その間に文学的な試みをして、詩を書き始めた人です。
ひょっとしたら、この詩にもその経歴上の感覚が生きているのかも知れません。

風刺の詩を書いて、世に認められたとあります。

この詩は、雄牛亭というレストランの広告宣伝文という体裁をとっています。広告宣伝文も詩になるという見本でしょうか。あるいは、ひょっとしたら、本物の広告であるかも知れない。

こういう詩も楽しいものです。

試しにネット上で検索した、それぞれの料理の写真を、この機会にご覧下さい。この詩文楽の読者の中には外国の方たちもいるので、敢えて鮨の写真も引きました。

タパス:

カラマリ:

ラザニア:

鮨:

チョップ•スイ:

チリ•コン•カルネ:

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