2012年8月1日水曜日

【Eichendorfの詩 7】Nachts (夜々に)


【Eichendorfの詩 7】Nachts (夜々に)

【原文】

Nachts

Ich wandre durch die stille Nacht,
Da schleicht der Mond so heimlich sacht
Oft aus der dunklen Wolkenhülle,
Und hin und her imi Tal
Erwacht die Nachtigall,
Dann wieder alles grau und stille.

O wunderbarer Nachtgesang:
Von fern im Land der Stroeme Gang,
Leis Schauern in den dunklen Baeumen -
Wirrst die Gedanken mir,
Mein irres Singen hier
Ist wie ein Rufen nur aus Träumen.


【散文訳】

夜々に

わたしは、静かな夜を通って遍歴する
すると、月が、かくも密やかに穏やかに忍び足で出て来る
しばしば、暗い雲の包みの中から
そして、谷のあちこちでは
夜啼き鴬が目覚め
と、すると、再び、全てが灰色に、そして静かになる。

おお、素晴らしい夜の歌よ
幾本もの河の流れる奥地の遠い所から来る事
暗い木々の中の微かに身震いする事
お前がわたしの思想を混乱させる
わたしの狂った歌が、ここでは
呼び声のように、ただ夢の中から出て来るのだ。

【解釈と鑑賞】

この舞台も、夜、月、雲、谷、夜啼き鴬、歌、森(木々)、奥、河、思想、夢という言葉で織られています。

第2連の2行目と3行目、あるいは更に4行目は、一寸そのドイツ語の言い表し方が異様なように思われます。

一寸、普通ではない感じがします。

これらは、実際にアイヒェンドルフが経験した現実なのでしょう。

これは単に一度きりの夜の経験ではなく、繰り返し夜に詩人が経験した夜であるが故に、夜々に、と題を訳しました。

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