【ルイス•キャロルの詩2】A Game of Five(5人のゲーム)
【原文】
A Game of Fives
Five little girls, of Five, Four, three, Two, One:
Rolling on the hearthrug, full of tricks and fun.
Five rosy girls, in years from Ten to Six:
Sitting down to lessons - no more time for tricks.
Five growing girls, from Fifteen to Eleven:
Music, Drawing, Languages, and food enough for seven!
Five winsome girls, from Twenty to Sixteen:
Each young man that calls, I say "Now tell me which you mean!"
Five dashing girls, the youngest Twenty-one:
But, if nobody proposes, what is there to be done?
Five showy girls - but Thirty is an age
When girls may be engaging, but they somehow don't engage.
Five dressy girls, of Thirty-one or more:
So gracious to the shy young men they snubbed so much before!
****
Five passé girls - Their age? Well, never mind!
【散文訳】
5人のゲーム
5人の小さな娘たち、5歳、4歳、3歳、2歳、2歳の
暖炉の前の絨毯の上で転がっている、悪戯(いたずら)と愉快な気持ちで一杯になりながら
5人の薔薇のような娘たち、10歳から6歳の
レッスンで座っている、もう悪戯(いたずら)の時間はない
5人の成長している娘たち、15歳から11歳の
音楽、絵画、言語、そして、7人に十分な食物!
5人の陽気な娘たち、20歳から16歳の
つまり、「さあ、どっちの意味なのかを言ってごらん」と言って、呼んでいるそれぞれの若い男
5人の突撃する娘たち、最も若い21歳の
しかし、だれもプロポーズしなければ、どうしたらいいの?
5人の目立ちたがり屋の娘たち、しかし30歳は曲がり角
娘達は、その魅力でもって男たちを結婚の約束をさせようとしているかも知れないが、しかし、何かこう、そうではない。
5人のめかした娘たち、31歳以上の
内気な若い男たちには、かくも優雅で礼儀正しい、若者たちは
以前は、それほど(同じ程度に)冷淡な態度をとっていた
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5人の盛りを過ぎた娘たち ー 5人の年齢は?まあ、そうだね、気にしないことだ!
【解釈と鑑賞】
題名の5人のゲームという意味は、5人で行うひとつのゲームという意味です。A game of fivesです。
さて、5人という、何故この数字なのでしょうという疑問がひとつ。
二つ目には、何故年齢を上から下へと数えるのかという疑問です。これはこのようなときの、イギリス人の年齢の数えかたなのでしょうか。
一連一連、年齢が段々と5歳づつ上がっていって、最後は30歳以上という5人の娘たちの歌になる。
その年齢ごとの、キャロルのみた、女性達の特徴を歌っていることは間違いがないでしょう。
そして、3連目の
food enough for seven!
7人に十分な食物!
というのが、また解らないのが面白い。5人の娘のほかに2人いるということを考えると、この2人は両親なのでしょうか。
4連目の
I say "Now tell me which you mean!"
とあるこのI sayのIを、わたしはルイス•キャロルまたは話者ととりましたが、若い男がそういったという解釈もあり得ると思います。
さて、こうして来て、題名の意味に戻ると、5人の娘達が結婚するという目標に至る間に各年齢ごとの、各段階ごとの姿をみて、その全体をひとつのゲームに譬えたと理解することができます。
ゲームという意味は、ある一定の規則に従い、互いに得点をさせないように相手の邪魔をしながら、自分の得点を稼ぐという遊びのことです。
となると、やはり結婚を目標とした5人の娘のゲームという理解も成立ちます。
お互いに牽制し合いながらの、結婚を目標においた、女性磨きゲーム。
男が5人いたとして、ひとつのこんなゲームが成り立つでしょうか。多分、詩にはならないなと思います。
最初の連の、小さい女の子の姿は、本当に可愛らしい。それから、2連目も。これは教える立ち場にいる人間の視線だと思います。
ルイス•キャロルは、これらの年齢の女の子が好きだったのでしょう。あらゆる偏見を抜きにして。その気持ちは、よく解りませす。確かに、そうです。
2 件のコメント:
おもしろいですね!
ところで、food for seven は、育ち盛りだから、5人で7人前を食べちゃうととらえることはできませんか?
また、Now tell me which you meanは、「きみはどの子がお気に入りかね?」と作者が若者に問いかけているという解釈はいかが?
南原さん、
南原さんのいづれもの解釈もありですね。然り、然り、です。まあ、ルイス•キャロル、面白いですよ。
今日も訳そうかと思いましたが、長いのと、余りに言葉遊びが過ぎるので、これは腰を据えて訳さなければと思い、今日は上梓しませんでした。
乞う、次回、ご期待、です。
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