2010年1月1日金曜日

オルフェウスへのソネット(XV)(第2部)

XV

O BRUNNEN-MUND, du gebender, du Mund,
der unerschöpflich Eines, Reines, spricht, —
du, vor des Wassers fließendem Gesicht,
marmorne Maske. Und im Hintergrund
der Aquädukte Herkunft. Weither an
Gräbern vorbei, vom Hang des Apennins
tragen sie dir dein Sagen zu, das dann
am schwarzen Altern deines Kinns
vorüberfällt in das Gefäß davor.
Dies ist das schlafend hingelegte Ohr,
das Marmorohr, in das du immer sprichst.
Ein Ohr der Erde. Nur mit sich allein
redet sie also. Schiebt ein Krug sich ein,
so scheint es ihr, daß du sie unterbrichst.

【散文訳】

おお、泉の口よ、お前与える者よ、お前、尽きることなく
一つのもの、純粋なものを話す者よ―
お前、水の、流れる顔の前の、大理石の仮面よ。そして、背景には
水道橋からの由来、由緒がある。ずっと遠くから来て墓場の傍らを過ぎ、
アペニン山脈の崖から、水道橋は、お前に、お前の伝説を運んで来るのだが、
その伝説は、次に、お前の顎の黒く歳をとることの傍を通り過ぎて、顎の前の
器の中へと落ちるのだ。これは、眠りながら差し出された耳、お前がいつも
話しをその中にする大理石の耳だ。
大地の耳。かくして、ただ自分自身とだけ、耳は話をする。もし壺が押し入れられたら、
お前が耳のしていることを中断したと、耳には見えることだろう。

【解釈】

前のソネットの後半、即ち第3連と第4連の詩想を受け継いでいるのでしょう。これは、噴水の水流れ出る泉の口を巡るソネットです。

アペニン山脈から流れてくる水もオルフェウス、写真などでみるとよくイタリアなどの市場にある噴水などの水の装置についている、水の流れ出る口もオルフェウス、そして、その水を受ける器もオルフェウス。

この詩想は、次のソネットにQuelle、クヴェレ、源泉、泉として、やはり、受け継がれています。

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