2010年1月4日月曜日

オルフェウスへのソネット(XXV)(第2部)

XXV

SCHON, horch, hörst du der ersten Harken
Arbeit; wieder den menschlichen Takt
in der verhaltenen Stille der starken
Vorfrühlingserde. Unabgeschmackt

scheint dir das Kommende. Jenes so oft
dir schon Gekommene scheint dir zu kommen
wieder wie Neues. Immer erhofft,
nahmst du es niemals. Es hat dich genommen.

Selbst die Blätter durchwinterter Eichen
scheinen im Abend ein künftiges Braun.
Manchmal geben sich Lüfte ein Zeichen.

Schwarz sind die Sträucher. Doch Haufen von Dünger
lagern als satteres Schwarz in den Aun.
Jede Stunde, die hingeht, wird jünger.

【散文訳】
来た、最初の熊手の仕事の音に耳傾け、聞きなさい。
強い早春の大地の、抑制された沈黙の中に、再び起こる人間の拍子に。
お前には、来るものは、

没趣味だとみえる。あの、かくもしばしばお前のところに既に来ていたものが、
再び新しいもののように、お前のところに来るように見える。
いつも、望んで、お前はそれをとることがなかった。それがお前をとったのだ。

越冬した柏の木の葉でさへ、夕方には、招来の茶色と見える。
ときには、空気がある合図をすることがある。

潅木は黒い。しかし、肥料の堆積は、
より満ち足りた黒として、アウンの中に、貯蔵されている。
過ぎてゆくどの時間も、より若くなる。

【解釈】
前のソネットの主題である時間と人間を受けているソネットです。今度は、自然の周期的な時間が歌われています。

呼びかけている相手、お前をオルフェウスととってもよいし、わたしたち読者ととってもよいと思います。

「いつも、望んで、お前はそれをとることがなかった。それがお前をとったのだ。」とは、わたしたちが望んで春が来るのではなく、春がわたしたち人間を、若い時間の中に来さしめたのだといっている。それは、第4連の最後の行、

過ぎてゆくどの時間も、より若くなる。

に通じていると思います。

第3連と第4連も、第1連、第2連と同様に、春の来る予感を歌っています。第4連では、黒という色ですら、新しい再生の色であることが歌われている。

Aun、アウンという名詞の意味が手元の辞書にはなく、解りません。ご存じのかたはご教示ください。再生に関係のある言葉なのだと思います。

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