2015年1月12日月曜日

Morgens und abends zu lesen(朝も晩も読書すること)


Morgens und abends zu lesen(朝も晩も読書すること):第3週 by  Bertolt Brecht(1898 ー 1956   )


【原文】

Der, den ich liebe
Hat mir gesagt
Dass er mich braucht.

Darum
Gebe ich auf mich acht
Sehe auf meinen Weg und
Fürchte von jedem Regentropfen
Dass er mich erschlagen könnte.


【散文訳】

わたしが愛する男が
わたしに言った
男はわたしが必要だ、と。

それ故に
わたしは、わたしに注意を払い
わたしの道の方角を見て、そうして
どの雨の雫をも恐れ
その雨滴が、わたしを撃ち殺すことができるかも知れないことを恐れた。


【解釈と鑑賞】

この詩人の、Wikipediaです。いうまでもなく、ドイツの劇作家でもあります。

http://goo.gl/Aj2mdV

小さな筈の雨の雫が、自分を殺すかも知れないという此の譬喩(ひゆ)に、この詩人の感覚が生きています。普通は、大きなものが人間を殺すと、普通の人ならば、歌うことでしょう。

そうして、題名に戻って此の詩を考えてみますと、毎日朝夕にする読書とは、このようなものだと言っているのです。

とあれば、最初の連の最初の一行の、わたしが愛する男とは、自分自身のことでありませう。ブレヒトが、もうひとりのブレヒトと対話をしているということになります。

しかし、翻って、わたしたちの読書を鑑みますと、読書とは確かにそのようなものではないでしょうか。それは、ささやかな行為であり、確かに雨滴から身を護ることに違いありません。

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