【Eichendorfの詩101】Wünschelrute(魔法の杖)
【原文】
Schläft ein Lied in allen Dingen,
Die da träumen fort und fort,
Und die Welt hebt an zu singen,
Triffst du nur das Zauberwort.
【散文訳】
ひとつの歌が、あらゆる物の中に眠っている
あらゆる物は、そこで、ほら、夢見て、夢見て、夢見る
そして、世界が、歌い始める
お前は、只その呪文の文句を言い当てればいいのだ。
【解釈と鑑賞】
これも解釈不要の詩ではないでしょうか。
世界は、謎であり、迷宮である。何故ならば、その中には、一個の歌が眠っているからである。
この、(世界、 歌または詩、夢見ること、詩人)という主題は、リルケも、その晩年の傑作『オルフェウスへのソネット』の中で歌っております。
その詩では、少女が世界を眠るのでした。眠りと夢は同義です。
この詩は、世界の、万物の中で歌が眠り、同時に世界が、万物が夢見るのです。
さて、その密やかなる関係の扉を開ける鍵である呪文の言葉とは何か。
これは、アイヒェンドルフの場合には、自然の典型的な要素である、森、夜啼き鶯、狩りの笛の音、夕暮れ、朝焼け、山々、谷々等々といった言葉とその組み合わせなのでしょう。
あなたにとっては、どのような言葉が、これに当たるのでしょうか。
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