2015年1月31日土曜日

【Eichendorfの詩102】Zeitlieder(時代の歌々)


【Eichendorfの詩102】Zeitlieder(時代の歌々) 
  

【原文】

Wo ruhig sich und wilder
Unstete Wellen teilen,
Des Lebens schöne Bilder
Und Kläng verworren eilen,
Wo ist der sichre Halt? -
So ferne, was wir sollen,
So dunkel, was wir wollen,
Fasst alle die Gewalt.

【散文訳】

Wo ruhig sich und wilder
Unstete Wellen teilen,
Des Lebens schöne Bilder
Und Kläng verworren eilen,
Wo ist der sichre Halt? -
So ferne, was wir sollen,
So dunkel, was wir wollen,
Fasst alle die Gewalt.

静かに互いに、そして、一層荒々しく
不安定な波という波が分かれる場所で
生命の、美しい像という像は
そして、響という響は、混乱しながら急いで行く
確実な停止は、何処にあるのだ?
かくも遠い、わたしたちのしなければならぬことは
かくも暗い、わたしたちの欲するものは
皆の者よ、力を摑め。


【解釈と鑑賞】

4行目の、

混乱しながら

と訳した、このドイツ語はverworrenですが、この言葉の意味には、その上の2行目で、波が互いに分かれるとある其の様子を同時に表しているドイツ語です。

即ち、混乱しながらという言葉を、崩ほれるとか、砕けながらとか、そのような形象を波の分かたれる姿だと思って下されば、脈絡が通じると思います。

そのような波の様が、同時に時代の頽落であり、退廃であるのです。

この詩も、前の前の詩のAn die Dichter(詩人たちに)と題した詩のこころに通じる詩であると思います。

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