2015年1月25日日曜日

Ich sehe oft um Mitternacht(私はよく真夜中頃に見る):第4週 by Matthias Claudius(1740 ー 1815)


Ich sehe oft um Mitternacht(私はよく真夜中頃に見る):第4週 by  Matthias Claudius(1740 ー 1815)



【原文】

Ich sehe oft um Mitternacht,
Wenn ich mein Werk getan
Und niemand mehr im Hause wacht,
Die Stern' am Himmel an.

Sie gehn da, hin und zerstreut
Als Lämmer auf der Flur;
In Rudeln auch, und aufgereiht
Wie Perlen an der Schnur;

Und funkeln alle weit und breit,
Und funkeln rein und schön;
Ich seh die große Herrlichkeit,
Und kann mich satt nicht sehn...

Dann saget, unterm Himmelszelt,
Mein Herz mir in der Brust:
》Es gibt was Besseres in der Welt
Als all ihr Schmerz und Lust.《

Ich werf mich auf mein Lager hin,
Und liege lange wach,
Und suche es in meinem Sinn,
Und sehne mich darnach.



【散文訳】

わたしは、よく、真夜中頃に見る
わたしが、わたしの作品のことを為し
そして、誰ももはや家の中で目を覚ましていないときにはいつでも
天にある星々を見る。

星々は、あそこを往く、そして散在して
草原にいる子羊たちとして
また群れをなして、そしてきれいに糸に通されて
糸(ひも)に縫われた真珠たちのように

そして、すべての星々は、遠く広く何処までも燦(きら)めき
そして、純粋に、そして美しく、燦めいている
わたしは、偉大な荘厳を見る
そして、わたし自身を見て、見飽きることがない...

すると、天幕の下にあって
わたしの心臓が、わたしに、胸の中でこういうのだ
》世の中には、もっと 良いものが存在する
お前たちの総ての苦しみと喜びとして。《

わたしは、わたしの寝床に横になり
そして、長い間、目を覚ましたまま横たわっている
そして、わたしのこころの、意識の、感覚の中で、わたしの寝床を求めるのだ
そして、それに憧れるのだ。


【解釈と鑑賞】

この詩人の、Wikipediaです。ドイツの詩人です。

http://de.wikipedia.org/wiki/Matthias_Claudius

上に掲げた画像でわかるように、ドイツという国の発行する切手に、この詩人は、なっております。

Wikipediaによれば、母がたの家系と通じて、テオドル・シュトルムやヨハンネス・ブラームスと親戚関係にあるとあります。

ドイツの電車に乗りますと、日本ならば丁度夥(おびただ)しい広告の張り巡らしてある入り口の扉の上、窓の上、棚の上の面に、ヘルマン・ヘッセやハインリッヒ・ハイネの詩が掲示されております。ドイツ人は、詩をこのように大切にし、日常のものとしております。

他方、翻って、日本の詩人たちはどうでしょうか。わたしは、率直に言って、日本の詩人たちの貧しさ、即ち社会を欠いているということの貧しさに無自覚であるという貧しさを思わずにはいられません。他方、国家の発行する切手に、詩人の切手がないということは、国も社会も詩人に敬意を払うことをしていないということを意味します。桂冠詩人のいるイギリスや、その他の欧米で言われれるpoet in residenceのいない、詩文についてはやはり貧しく、惨たるものだという以外にはない日本の詩のことを嘆かずにはいられません。

この詩人も、この詩もまた、ドイツ人の間に知られているのでしょう。





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