2015年1月31日土曜日

【Eichendorfの詩100】An die Dichter(詩人たちに)


【Eichendorfの詩100】An die Dichter(詩人たちに) 
  

【原文】

Wo treues Wollen, redlich Streben
Und rechten Sinn der Rechte spürt,
Das muss die Seele ihm erheben,
Das hat mich jedesmal gerührt.

Das Reich des Glaubens ist geendet,
Zerstört die alte Herrlichkeit,
Die Schönheit weinend abgewendet,
So gnadenlos ist unsre Zeit.

O Einfalt, gut in frommen Herzen,
Du züchtig schöne Gottesbraut!
Dich schlugen sie mit frechen Scherzen,
Weil dir vor ihrer Klugheit graut.

Wo findet du nun ein Haus, vertrieben,
Wo man dir deine Wunder lässt,
Das treue Tun, das schöne Lieben,
Des Lebens fromm vergnüglich Fest?

Wo findest du den alten Garten,
Dein Spielzeug, wunderbares Kind,
Der Sterne heil'ge Redensarten,
Das Morgenrot, den frischen Wind?

Wie hat die Sonne schön  geschienen!
Nun ist so alt und schwach die Zeit;
Wie stehst so jung du unter ihnen,
Wie wird mein Herz mir stark und weit!

Der Dichter kann nicht mit verarmen;
Wenn alles um ihn her zerfällt,
Hebt ihn ein göttliches Erbarmen-
Der Dichter ist das Herz der Welt.

Den blöden Willen aller Wesen,
Im Irdischen des Herren Spur,
Soll er durch Liebeskraft erlösen,
Der schön Liebling der Natur.

Drum hat ihm Gott das Wort gegeben,
Das kühn das Dunkelste bennent,
Den frommen Ernst im reichen Leben,
Die Freudigkeit, die keiner kennt.

Da soll er singen frei auf Erden,
In Lust und Not auf Gott vertrauen,
Dass aller Herzen freier werden,
Eratmend in die Klänge schaun.

Der Ehre sei er recht zum Horte,
Der Schande leucht er ins Gesicht!
Viel Wunderkraft ist in dem Worte,
Das hell aus reinem Herzen bricht.

Vor Eitelkeit soll er vor allen
Streng hüten sein unschuld'ges Herz,
Im Falschen nimmer sich gefallen,
Um eitel Witz und blanken Scherz.

Oh, lasst unedle Mühe fahren,
O klingelt, gleisst und spielet nicht
Mit Licht und Gnade, so ihr erfahren,
Zur Sünde macht ihr das Gesicht!

Den lieben Gott lass in dir walten,
Aus frischer Brust nur freilich sing!
Was wahr in dir, wird sich gestalten,
Das andre ist erbärmlich Ding.-

Den Morgen seh ich ferne scheinen,
Die Ströme ziehn im grünen Grund,
Mir ist so wohl! - die's ehrlich meinen,
Die grüß ich all aus Herzensgrund!


【散文訳】

誠実な意志を、誠心誠意の努力を
そして、正しい感覚(意義)を、正しい者が感じる場所では
それこそが、その人間の魂を高めずにはいられない
それこそが、わたしを毎回毎回感動させたのだ。

信仰の帝国は、終わり
古い荘厳は、破壊され
美は、泣きながら、身を背けて
かくも無慈悲になって、私たちの時代はあるのだ。

おお、無邪気、純真よ、敬虔な心臓の中に善くあって
お前は、貞淑にも美しい神の花嫁だ!
奴らは、卑劣な冗談を言って、お前を打擲した
なぜならば奴らの狡賢さの余りに、お前がぞっと恐ろしがるからだ。

何処に、お前は、追放されて、こうして今、一つの家を見つけるのか
何処に、人はお前にお前の奇跡をなすにまかせるというのか
誠実な行いを、美しい愛を
生命の、敬虔にも愉快なる祝祭をまかせるというのか?

何処に、お前は、お前の古い、懐かしい庭を見つけるというのか?
お前の玩具を、不思議な子供を
星々の神聖なる話し方を
燭光を、新鮮な風を、何処に見つけるというのか?

何と、太陽は、美しく輝いていたことか!
こうして今や、時代は、かくも古く、そして弱くなった
何と、お前は、それらに混ぢって、かくも若々しく立っていることか、すると
何と、わたしの心臓は、強く、そして遥かになることか!

詩人たるものは、一緒に貧しくなり、零落することはできない
詩人をめぐる総てのものが、崩壊するならば
神聖なる慈悲が、詩人を抱き上げるのだ
詩人は、世界の心臓なのだ。

総ての生き物の愚かな意志を
主の支配する地上的なるものの中にある痕跡を
詩人は、愛の力を通じて、救済するのが使命なのだ
自然の、美しき思われ者として。

それ故に、神は詩人に言葉を与え給ふた
勇敢にも、最も暗きものに名前をつける其の言葉を
豊かな生命の中に、敬虔なる真剣さを
誰も知らない歓びを、与え給ふた。

そこで、詩人は、地上で自由に歌う定めなのだ
喜びと苦難の中に、神を信頼する定めなのだ、すると
万人のこころは、より自由になり
呼吸をしっかりと自分のものにしながら、諸々の響きの中を眺め入るのだ。

名誉にとっては、詩人こそ、まさしく財宝であれ
恥辱にとっては、詩人こそ、その顔を照らして明るくするのだ
たくさんの奇跡の力が、言葉の中にあり
その言葉は、明朗に、純粋なこころの中から溢れ出るのだ。

虚栄心から、詩人は、誰よりも
強く、その純潔のこころを護らねばならぬ。
虚栄心から、虚偽の中にあっては、決して奢ってはならぬ
空虚な機知とぴかぴかの冗談を引き換えにして。

おお、下賤の労苦を行かしめ、放っておけ
おお、呼び鈴を鳴らして人を起こすな、ぴかぴか飾って人を欺くな、賭け事をするな
光と恩寵を以って行くのだ、だからこそ、お前たちは知るのだ
お前たちは、その顔を、罪となすのだ!と

愛する神が、お前の中で支配するに任せなさい
新鮮な胸の内から、もう無論、唯々(ただただ)歌うのだ!
お前の中で真実であるものは、必ず姿形を取ることになる
その他のものは、憐れなものなのだ。

朝が、わたしは遥かに輝いているのをみる
川の流れという流れが、緑なす地を征く
わたしは、それですっかりいい気持ちだ!これらは本当にわたしのものなのだ。
これらのものに、わたしはこころの底から挨拶をするのだ!


【解釈と鑑賞】

この詩は、複数の詩人たちへと題している詩です。

この詩を読みますと、同時代の、そうしてその時代が何か退廃している時代の、その中で生きる詩人たちへの呼びかけの、詩人はかくあるべしという発声の詩であることがわかります。

恐らく、アイヒェンドルフという詩人にとって、何か一番辛く苦しい時代であったのです。

自分自身に対して呼びかけることだけでは足りず、詩人たちへと題して呼びかけたことに、それは現れております。

その意を汲んで、この詩を読むことにいたしませう。

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