2014年12月27日土曜日

【Eichendorfの詩97】Der Wegelagerer(追い剥ぎ)


Eichendorfの詩97Der Wegelagerer(追い剥ぎ)
  

【原文】

Es ist ein Land, wo die Philister thronen,
Die Krämer fahren und das Grün verstauben,
Die Liebe selber altklug feilscht mit Hauben -
Herr Gott, wie lang willst du die Brut verschonen!

Es ist ein Wald, der rauscht mit grünen Kronen,
Wo frei die Adler horsten, und die Tauben
Unschuldig girren in den kühlen Lauben,
Die noch kein Fuss betrat - dort will ich wohnen!

Dort will ich nächtlich auf die Krämer lauern
Und kühn zerhaun der armen Schönheit Bande, 
Die sie als niedre Magd zu Markte führen.

Hoch soll sie stehn auf grünen Felsentoren,
Dass mahnend über alle stillen Lande
Die Lüfte nachts ihr Zauberlied verführen.


【散文訳】

俗物どもが玉座に座っている国だ
けちけちした商人どもが馬車を駆り、緑色に埃(ほこり)を掛ける
愛そのものも、本来は古く賢いものであるのに、頭巾を被った姿で値切りの交渉をする
神さま、どれだけ長い間このような悪党どもを大切になさるおつもりか!

緑色の王冠という王冠を被って、さやさやと音立てる森だ
そこでは、自由に、鷲が高巣をつくり、そして、鳩たちが
無垢に、涼しい葉の陰でくうくうと鳴いている
その葉陰は、まだ人跡未踏で、そこに、わたしは棲みたいのだ!

そこでは、わたしは、夜毎に、けちな商人どもを待ち伏せて
そして、思いっきり、その哀れな美しさの縛(いまし)めを切断したい
その縛めが、その哀れな美しさを、身分の卑しい娘として、市場に連れて行くのだから。

高く、その美しさには、緑の巌(いわを)の門という門の上に立っていてもらいたい
すべての静かなる国土の上に超然として、警告を発しながら
諸処の空気が、夜毎に、その美しさの魔法の歌を誘惑するほどに。


【解釈と鑑賞】

この詩人の生まれて生きた18世紀の後半から19世紀の前半にかけて、ドイツの国もまた近代国家の勃興の時代を迎えていたのでしょう。

商人が興隆し、近代国家の中産階級を形成するという時代であったのだと思います。

金持ちの商人が跋扈しても、この詩人の思いは変わらない。

その思いの核心にあるのは、この詩を読むと、美と森と其処に棲む鳥たちと、すべての国の土地土地が静寂であれという、そのような思いです。

この詩の題名からして、中産階級の商人は盗人であると言っているのでしょう。金の力によって、古きよきものを奪い取って行く。

きっと、この詩人の愛した懐かしい住居、ルボヴィッツ城を買い取ったのも、その商品の一人ということが、詩人にこの題名をつけさせたのかもしれません。



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