2014年12月28日日曜日

【西東詩集98】 Abglanz(照り返し)


【西東詩集98】 Abglanz(照り返し)


【原文】

EIN Spiegel er ist mir geworden,
Ich sehe so gerne hinein,
Als hinge des Kaisers Orden
An mir mit Doppelschein;
Nicht etwa selbstgefällig
Such ich mich überall;
Ich bin so gerne gesellig
Und das ist hier der Fall.

Wenn ich nun vorm Spiegel stehe,
Im stillen Witwerhaus,
Gleich guckt, eh ich mich versehe,
Das Liebchen mit heraus.
Schnell kehr ich mich um, und wieder
Verschwand sie die ich sah;
Dann blick ich in meine Lieder,
Gleich ist sie wieder da.

Die schreib’ ich immer schöner
Und mehr nach meinem Sinn,
Trotz Krittler und Verhöhner,
Zu täglichem Gewinn.
Ihr Bild in reichen Schranken
Verherrlichet sich nur,
In goldnen Rosenranken
Und Rähmchen von Lasur.


【散文訳】

わたくしにとっては、一枚の鏡に、彼はなってしまった
わたしは、かくも喜んで、その中を覗き込む
恰も皇帝の授ける勲章が、わたしの身に掛けられていて、二重の輝きを発しているかの如くに
言ってみれば、自惚れといったものではないのです
わたしは至る所にわたしを探しているのです
わたしは、かくも喜んで人を求めて交わりたいと思っており
そして、それが、ここでは、この場合、全くその通りのことなのです。

静かな寡婦の家の中で
わたしが、さてかうして、鏡の前に立つときにはいつも
わたしが、見違える前に
直ちに、その愛らしきものを、わたしもまた一緒に覗き込んで、見い出すのだ
急いで、わたしは辺りを見廻して、そして再び
わたしの見たその女性は、姿を消してしまった
と、次に、わたしは、わたしの歌の数々の中に目を遣ると
直ちに、彼女が再び、そこにいるのだ。

彼女のことを、わたしは一層美しく書いている
そして、一層わたしの感覚に従って
口の悪い奴もいれば、嘲笑する奴もいるが、そな奴には御構い無しに
日々の成果となっている。
豊かな棚の中のお前の絵姿は、
一層、却って、晴れやかになる一方だ
黄金のバラの蔓の中で
そして、瑠璃の小さな額縁の中で。


【解釈と鑑賞】

照り返し、反照。お互いがお互いに同じ姿を写している鏡を見ているという詩です。

Suleika, Hatem, Hatemという順で、それぞれ第1連、第2連、第3連が歌われています。

訳していても、こころ楽しく、そのまま解釈不要の詩ではないかと思います。もしあなたが恋をしたことがあるのであれば。

次の詩は、Suleikaと題した、この女性による長い詩があって、これを以って、このズーライカの巻は終わります。



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