2014/06/24 09:42
詩人中村剛彦君の「象徴の魔力 四」についての感想
最新号のtab(2012/06/24)に中村さんの蒲原有明論が載っていた。
これは、言葉を巧みとする詩人の側からの素晴らしい詩論だと思った。
象徴を論じているが、彼が、
すなわちそれは「Symbol」を仏教語の「象徴」によって翻訳せざるを得なかった「近代日本」の迷える幻想そのものである。この明晰な詩人は知り尽くしていたはずである。「近代日本」とは「近代日本語」とは、そして「近代詩」とは、何者かの手によって偽造されたものであり、まるで幻燈機によって映し出された幻のごときものであると。
と書き、論ずるときに、誠にぎりぎりのところで、詩人の本分に忠実に、そしてその本分を超えることなく節度を持って、強烈な近代現代の日本の歴史と政治の批判に至っているということ、この批評の在り方が素晴らしい。
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