【Eichendorfの詩114】 Auf dem Schwedenberge(瑞典城にて)
【原文】
【原文】
Da hoben bunt und bunter
Sich Zelte in die Luft
Und Fähnlein wehten munter
Herunter von der Kluft.
Und um die leichten Tische,
An jenem Bächlein klar,
Sass in der kühlen Frische
Der lustigen Reiter Schar.
Eilt' durch die rüst(gen Zecher
Die Marketenderin,
Reicht' flüchtig ihre Becher,
Nimmt flücht'ge Küsse hin.
Da war ein Toben, Lachen,
Weit in den Wald hinein,
Die Trommel ging, es brachen
Die lust'gen Pfeifen drein.
Durch die verworrnen Klänge
Stuermt' fort manch wilde Brust,
Da schallten noch Gesänge
Von Freiheit und von Lust.
Fort ist das bunte Toben,
Verklungen Sang und Klang,
Und stille ist's hier oben
Viel hundert Jahre lang.
Du Wald, so dunkelschaurig,
Waldhorn, du Jägerlust!
Wie lustig und wie traurig
Rührst du mir an die Brust!
【散文訳】
すると、多彩に、そして、いよいよ多彩に
テントが数々空中に立った
そして、小さな数々の旗が、陽気に
峡谷から下へとなびいた
そして、軽い机を幾つも巡って其の周りに
あの小川のほとりで、明澄に
冷たい新鮮の気の中に座っていたのは
陽気な騎士達の一隊だった。
強壮な大酒飲みたちの間を通り抜けて急ぐのは
女の酒保商人
素早く、その杯を渡して
素早いキスを受け付ける
と、そこには、狼藉が、笑いが
遥か森の中にまで入り込み
太鼓が往き、炸裂して割り込むのは
陽気な笛の数々
混乱した響きの数々を通って
幾多の野生の胸が、前へ前へと突進した
すると、まだ歌声が響いていた
自由の、そして、陽気の歌声が。
鳴って、消え行くのは、歌声と楽の響き
そして、静かになるのだ、この上では
何百年もの長い間にわたって
お前、森よ、かくも暗いほどに凄くてゾッとする
森の笛、お前、狩の愉快よ!
なんと陽気で、そして何と悲しいのだ
お前が、わたしの胸に触れて、わたしを感動させるということは!
【解釈と鑑賞】
最後の連の最後の二行を、
お前が、わたしの胸に触れて、わたしを感動させるということは!
と訳しましたが、この感動させるというドイツ語は、掛詞(かけことば)になっていて、わたしを楽器として感動させ、楽の音(ね)を響かせるという意味も重ねているのです。
アイヒェンドルフは、本当に森が好きだった。そこで、行う狩と、狩の笛の音と、狼藉と乱暴と、その混乱との。
題名の瑞典城とは、スウェーデン城という意味ですが、これはドイツ語ん原文でも一語ですので、スウェーデンの城と訳すのではない。やはり、そのままの其のような城があるのです。このような時には、漢字の持つ凝縮性は有難いものです。漢字で表した所以(ゆえん)です。
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