2015年4月29日水曜日

【Eichendorfの詩113】 In E...s Stammbuch /Mit einem Blatte, ein Bergschloss vorstellend(E何某の記念帳の中に/一枚の紙を以って、ある山城を紹介しつつ)


Eichendorfの詩113 In E...s Stammbuch /Mit einem Blatte, ein Bergschloss vorstellend(E何某の記念帳の中に/一枚の紙を以って、ある山城を紹介しつつ) 
  

【原文】
In klaren Ebenmassen, schoen gefugt,
Gleich dem Palast freundlich sich erheben,
Stark wie die Burg, die von dem Fels dort lugt,
In ernster Höh der alten Freiheit lebend,
Gleich jenem Turm stets nach dem Höchsten strebend,
Schloss, Burg und was da irdisch, überflügelnd -
Dabei, still wie die See dort, im Gemüt
Des Himmels Blau und was auf Erden blüht,
In frommer Klarheit ewig heiter spiegelnd;
Vor allem dann fern über Strom und Land
Den alten Freunden treulich zugewandt!


【散文訳】

清澄なる均斉と調和の中に、美しく結合されて
宮殿に似て、親切に身を起こして立ち上がるのは
あそこの岩から見張り、うかがう城のように強く
懐かしい自由の真剣な高みに生きながら
あの塔に似て、絶えず、最高のものを目指しながら
城郭、居城、そして、あそこに、地上に世俗にあるものだ、空飛びながらー

にも拘わらず、あそこの海のように静かに、心の中で
天の青と、地上に花咲くものは
敬虔なる清澄の中で、永遠に明朗に遊びながら
何よりも、まづは、遠く、河と国とを超えて
懐かしい友人たちの方を忠実に向いて!


【解釈と鑑賞】
文法的に見れば、結局のこの詩は、一行の文で書かれています。
動詞がひとつしかありません。
何か、すべてが宙に浮いている、確かにそうしてみれば、この詩の題名も、山城を紹介しつつとあるように。
その一枚の紙に書いたのが、この詩であるという意味の題名なのでしょう。
この友人が山城を所有していたのではないでしょうか。アイヒェンドルフは、その城を訪ね、楽しいときを過ごした。
眺めも良く、時代も空間も遥かにみはらかすことのできる、素晴らしい経験であったのでありませう。












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