2015年4月4日土曜日


【Eichendorfの詩111】Sängerfahrt(歌手の旅) 
 



【Eichendorfの詩111】Sängerfahrt(歌手の旅)  
 

 

【原文】


Kühlrauschend unterm hellen
Tiefblauen Himmelsdom
Treibt seine klaren Wellen
Der ew'gen Jugend Strom.

Viel rüstige  Gesellen,
Den Argonauten gleich,
Sie fahren auf den Wellen
Ins duftige Frühlingsreich.

Ich aber fass den Becher
Dass es durchs Schiff erklingt,
Am Mast steh ich als Sprecher,
Der für euch alle singt.

Wie stehen wir hier so helle!
Wird mancher bald schlafen gehen,
O Leben, wie bist du schnelle,
O Leben, wie bist du schön!

Gegrüßt, du weite Runde,
Burg auf der Felsenwand,
Du Land voll großer Kunde,
Mein grünes Vaterland!

Euch macht ich alles geben,
Und ich bin fürstlich  reich,
Mein Herzblut und mein Leben,
Ihr Brüder, alles für euch!

So fahrt im Morgenschimmer!
Sei's Donau oder Rhein,
Ein rechter Strom bricht immer
Ins ew'ge Meer hinein.



【散文訳】

冷たくさやけき音を立てて、明朗なる
深い青色をした天の成す大聖堂(ドーム)の下で
その清澄なる波波を駆るのは
永遠の青春の河だ。

たくさんの鎧甲冑をまとった仲間達が
古代ギリシャ神話のアルゴ号の乗組員たちと同様に
波の上を行く
香り高き春の帝国の中へ。

わたしは、しかし、この杯を摑み、すると
船中を渡って鳴り響く音がする
帆柱に、わたしは演説者として立つ
お前たち皆のために歌う演説者として。

わたしたちは、ここで如何に明朗に立っていることか!
多くのものたちは、ぢきに眠りにつかずにはいないのだ
おお、生よ、お前は如何に速いものか
おお、生よ、お前は如何に美しいものか!

わたしは挨拶したのだぞ、お前、幅広い円陣よ
岸壁の上の城よ
お前、偉大な知識に満ちた国
我が緑なす祖国よ!

お前たちに総てを、わたしは与えたい
そして、わたしは君侯のごとくに豊かだ
わたしの心臓の血と、わたしの生命は
お前たち兄弟たちよ、総てお前たちのものなのだから!

このように、朝の輝きのなかで走るがいい!
ドナウ河であれ、ライン河であれ
本当の大河は、いつも砕けて
永遠の海の中へと入って行くのだ。



【解釈と鑑賞】

青春を歌った歌です。

解釈不要の、アイヒェンドルフらしい詩というべきでありませう。




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