Gitarre(ギター):第26週 by Gerardo diego
【原文】
Und es wird eine grüne Stille geben
entstanden aus lauter zerfransten Gitarren
Die Gitarre ist ein Brunnen
mit Wind an Stelle von Wasser
【散文訳】
そして、緑の静けさがあるのだ
純粋な、房飾りの千々に破れたギターから生まれた
ギターは、泉だ
風があり、場所があり、水があり
【解釈と鑑賞】
この詩人のことを書いたWikipediaです。
スペインの詩人です。
スペインと言えば、フラメンコギターですから、この詩人がギターを歌うというのもむべなる哉です。
ドイツ語の音そのままに、本当は、ギターレと訳したかったと思います。如何にも、それは、ギターレという楽器だという感じがするのです。英語のギターでは、やはり、駄目なのです。古式豊かな感じが致しません。
第2連で、ギターレを泉に譬(たと)えていて、この譬喩(ひゆ)は秀逸です。
第2連の2行目、即ち最後の行は、ドイツ語としても美しく、簡素簡潔の美があります。
mit Wind an Stelle von Wasser
mitもanもvonも、ドイツ語ではそれぞれその前置詞のとる目的語としての名詞に合わせて決まっていますが(英語でいうならば、with、at、ofというところですが)、日本語では、上に訳したように、すべて在ると訳すのが、そのドイツ語訳の言葉の美しさをも反映して、よいのではないかと思います。
写真をみますと、この詩人は音楽が好きだったのでしょう。グランドピアノに手を触れた写真がありましたので、これを掲載しました。
第1連の
房飾りの千々に破れた
と訳したzerfransenの語幹fransenは、房飾りをつけるという意味で、日本語で房飾りと訳されている当のものは、次のようなものです。虚飾がないという意味なのでしょう。それ故に、純粋なと形容されているのでしょう。
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