【Eichendorfの詩 60】Der Buergermeister(市長)
【原文】
Der Buergermeister
Hochweiser Rat, geehrte Kollegen!
Bevor wir uns heut aufs Raten legen,
Bitt ich, erst reiflich zu erwägen:
Ob wir vielleicht, um Zeit zu gewinnen,
Heut sogleich mit dem Raten beginnen,
Oder ob wir erst proponieren müssen,
Was uns versammelt und was wir alle wissen?―
Ich muss Pflichtmäßig voranschicken hierbei,
Dass die Art der Geschaefte zweierlei sei:
Die einen sind die eiligen,
Die andern die langweiligen.
Auf jene pfleg ich dito zu schreiben,
Die andern können liegenbleiben.
Die liegenden aber, geehrte Brüder,
Zerfallen in wicht’ge und höchstwicht’ge wieder.
Bei jenen―nun―man wird verwegen,
Man schreibt nach amtlichem Ueberlegen
More solito hier, und dort da acta,
Die Diener rennen, man flucht, verpackt da,
Der Staat floriert und bleibt im Takt da,
Doch werden die Zeiten so ungeschliffen,
Wild umzuspringen mit den Begriffen,
Kommt gar, wie heute, ein Fall, der eilig
Und doch höchstwichtig zugleich―dann freilich
Muss man von neuem unterscheiden:
Ob er mehr eilig oder mehr wichtig.―
Ich bitte, meine Herrn, verstehn Sie mich richtig!
Der Punkt ist von Einfluss. Denn wir vermelden
Die species facti, wie billig, sofort,
Findt sich der Fall mehr eilig liegend.
Ist aber das Wichtige überwiegend,
Wäre die Eile am unrechten Ort.
Meine Herren, sie haben nun die Prämissen,
Sie werden den Beschluss zu finden wissen.
【散文訳】
市長
賢明なる参事会のみなさん、尊敬する議員の諸君!
本日評議を開始する前に
次のことを、まづはじっくりと考えることをお願いしたい。
わたしたちは、ひょっとして、時間を手にするために(時間を無駄にしないために)今日直ちに評議を開始したらよいのだろうか、
それとも、何がわたしたちをこのように集めるのか(何故集まるのか)、そして、わたしたちはみな何を知っているのかを議題として提案しなければならないのかどうかということをです。
わたくしは、義務として、ここに、仕事の種類には2種類があるということを先に申し上げねばなりません:
ひとつは、急いでいる仕事であり、
もうひとつは、ゆっくりした仕事であります。
前者に従えば、わたくしは、cito(非常に急いで)書く事になり、
もう一方の仕事は、その間、止まったままになります。
止まったままの仕事は、しかし、尊敬する諸君、
重要な仕事と、且つ最高度に重要な仕事に分かれるのであります。
前者、即ち急ぐ仕事にあっては、さてこうしたわけで、横着になり、役人の考えのままに、ここではmore solito(常法で)で、あそこではacta(公式記録)を書く事になります。
国家は花盛りに栄え、そして、拍子を合わせて実際常に粛々たるものです
しかし、拍子という時間は、かくも無作法で粗野なものなので
(法律の)概念を以て、乱暴に引っくり返す
本日のような、全くもって、急ぎで
しかも、同時に最高度に重要なる案件が来ると、次には勿論
改めて、最初から、次のことを区別しなければならぬのであります:
この案件が、もっと急ぐものなのか、それとも、もっと重要なものなのか、であります。
諸君、どうか正しく、真っ当に理解をしていただきたいのです!
問題は、それが及ぼす影響です。何故ならば、わたしたちは
当然のことではありますが、直ちに、species facti(特定のやり方)を通知するわけですし
この案件が、もっと急いで止まっている案件だからです。
しかし、最も重要なものが、優先するのだとすれば
至急の処理が、この場合不正であると仮定するならば、
満場の諸君、こうして、諸君が前提を握っているのであり
諸君が、決議することなのであります。
【解釈と鑑賞】
Intermezzo、間奏と題した題名の下に、市長という題名でおかれている詩です。
これまでの間奏、これまでの詩とは全く趣を異にした詩です。何故このような詩を書いたのか、その背景を知りたいものです。
これは、ある町の市長の、市議会での演説という体裁を取っています。参事会のお歴々も、市議会議員も揃って議場に坐っている。
前に登壇した市長が、このようなことを述べるのです。
しかし、述べている内容は、一体何を言っているのでしょうか。
お役所仕事への皮肉ということではないでしょうか。合間合間にラテン語のお役所用語を差し挟んでいます。議会と役所を管轄する市長として、自分を設定して、このような演説をうっているということなのでしょう。
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