2013年11月3日日曜日

【西東詩集53-3】 Buch des Unmuts(不満の書)


【西東詩集53-3】 Buch des Unmuts(不満の書)


【原文】

BEFINDET sich einer heiter und gut,
Gleich will ihn der Nachbar peinigen;
So lang der Tüchtige lebt und tut
Möchten sie ihn gerne steinigen.
Ist er hinterher aber tot,
Gleich sammeln sie grosse Spenden,
Zu Ehren seiner Lebensnot

Ein Denkmahl zu vollenden.
Doch ihren Vorteil sollte dann
Die Menge wohl ermessen,
Gescheiter waers, den guten Mann
Auf immerdar vergessen.


【散文訳】

或る者が、明朗で良い状態にあるならば
直ちに、隣人は彼を拷問したいと思うのだ。
有為な、才能のある者が、生きて、ことを行う限り
彼等は、その者を石で撃ち殺したいと思うのだ。
しかし、その者が、あとになって死んでしまうと
直ちに、彼等は、多大な布施を集めるのだ
その人生の苦難を顕彰して
一個の記念碑を完成するために。
しかし、そうすることで、彼等の利得を、次には
奴らは間違いなく測らずにはいないのだ。
そのよき男を、永遠に忘れることの方が
ずっと賢明なことだろうに。


【解釈】

全く、註釈不要の、辛辣なるゲーテの不満の詩です。

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