【西東詩集53】 Buch des Unmuts(不満の書)
【原文】
》Wo HAST du das genommen?
Wie könnt es zu dir kommen?
Wie aus dem Lebensplunder
Erwarbst du diesen Zunder,
Der Funken letzte Gluten
Von frischem zu ermuten?《
Euch moeg es nicht beduenkeln
Es sei gemeines Fuenkeln;
Auf ungemessner Ferne,
Im Ozean der Sterne,
Mich hatt ich nicht verloren,
Ich war wie neu geboren.
Von weisser Schafe Wogen
Die Huegel ueberzogen
Umsorgt von ernsten Hirten,
Die gern und schmal bewirten,
So ruhig-, liebe Leute
Dass jeder mich erfreute.
In schauerlichen Naechten,
Bedrohet von Gefechten,
Das Stoehnen der Kamele
Durchdrang das Ohr, die Seele,
Und derer die sie führen
Einbildung und Stolzieren
Und immer ging es weite
Und immer ward es breite
Und unser ganzes Ziehen
Es schien ein ewig Fliehen,
Blau, hinter Wüst und Heere,
Der Streif erlogner Meere.
【散文訳】
》お前はどこでそれを手に入れたのか?
それは、どうやってお前のところに来る事ができるのか?
どうやって、人生のがらくたの中から
お前は、この機縁を求めたのか
火花の最後の白熱を
新たに鼓舞するための機縁を《
お前たちには、野卑な火花があるなどということは
思いもしなかろう
測り知れぬ遠くに
星々の海の中に
わたしは、わたしを失わなかった
わたしは、新たなように、生まれたのだった。
白い羊の波に
丘が覆われ
真面目な羊飼いによって面倒をみられて
喜んで、そして狭くもてなし、楽しませてくれる羊飼い達によって
かくも静かにもてなし、楽しませてくれる―愛すべき人々
どの羊飼いも、わたしを喜ばせたのだということ。
ぞっとする恐ろしい夜々に
戦闘に脅かされて
駱駝の呻(うめ)き声が
耳を貫いた、魂を貫いた
そして、駱駝を導くものたちの
妄想と誇って歩くさま
そして、いつも遠くへ行ったのだ
そして、いつも、広くあったのだ
そして、わたしたちの総ての行進は
それは、少しばかり逃走に見えた
青く、砂漠と軍隊の後ろで
捏造された海の一帯がある。
【解釈】
ここからは、不満の書、不満の巻に入ります。
最初の詩は無題で長く、6ページに及びますので、分けて訳し、鑑賞を致します。
何か、これまでの色調と全く異なる詩です。
何か、ゲーテのこころの中での劇を目の当たりに見るようです。
もう少し読み進めながら、その様子を眺めることにしましょう。
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