【Eichendorfの詩 37】Heimweh (郷愁)
【原文】
Heimweh
Wer in die Fremde will wandern,
Der muss mit der Liebsten gehen,
Es jubeln und lassen die andrn
Den Fremden alleine stehn.
Was wisset ihr, dunkele Wipfel,
Von der alten, schönen Zeit?
Ach, die Heimat hinter den Gipfeln,
Wie liegt sie von hier so weit!
Am liebsten betracht ich die Sterne,
Die schienen, wie ich ging zu ihr,
Die Nachtigall hör ich so gerne,
Sie sang vor der Liebsten Tuer.
Der Morgen, das ist meine Freude!
Da steig ich in stiller Stund
Auf den höchsten Berg in die Weite,
Grüß dich, Deutschland, aus Herzensgrund!
【散文訳】
郷愁
異郷に旅して、遍歴する者は
愛する者と一緒に行かねばならぬ
他の者達が歓声を挙げ
旅人を一人にさせておく
お前達は、暗い梢(こずえ)よ
古い、美しい時代を知っているのか?
ああ、山巓(さんてん)の背後の故郷よ
それは、ここからどれだけ遠いところにあることか!
わたしは星々を眺めるのが一番好きだ
星々は輝いていた、わたしが彼女のところへと向かうにつれて
夜啼き鶯の声を、わたしは聞くのが好きだ
それは、愛するひとの戸口で歌うのだ
朝、それはわたしの歓びだ!
朝が来ると、静かな時間に、山に登る
一番高い山の上を目指して、遥か彼方へと
お前に、ドイツよ、挨拶をするだ、心の底から!
【解釈と鑑賞】
Es jubeln und lassen die andrn
Den Fremden alleine stehn.
他の者達が歓声を挙げ
旅人を一人にさせておく
という2行の意味は、異国を旅する旅人は、その地にあってもstrangerであって、根本的にはひとと交わることがないということを言っているのでしょう。
しかし、その地の人々は、旅人を歓迎するのです。
第3連を見ますと、どうも旅人は、異国の地で、恋人を求め、探すようです。そう思って、第1連の最初の2行を読む事にしましょう。
旅人と恋人はつきものであるが、しかし、後者を前者は異国の地で求めるだという、アイヒェンドルフの考えです。
そうしてまた、第3連でわかることは、旅人は異国の地にあって、星々や夜啼き鶯といった自然の景物に愛するものだということです。
第4連は、そのような旅人として、自然豊かな異郷と見える我が国ドイツを大切に思うということなのでしょう。
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