【Eichendorfの詩 22】Sehnsucht (憧憬)
【原文】
Sehnsucht
Es schienen so golden die Sterne,
Am Fenster ich einsam stand
Und hörte aus weiter Ferne
Ein Posthorn im stillen Land.
Das Herz mir im Leib entbrennte,
Da hab ich mir heimlich gedacht:
Ach, wer da mitreisen koennte
In der praechtigen Sommernacht!
Zwei junge Gesellen gingen
Vorueber am Bergshang,
Ich hoerte im Wandern sie singen
Die stille Gegend entlang:
Von schwindelnden Felsenschlueften,
Wo die Wälder rauschen so sacht,
Von Quellen, die von der Klüften
Sich stuerzen in die Waldesnacht.
Sie sangen von Marmorbildern,
Von Gaerten, die ueberm Gestein
In daemmernden Lauben verwildern,
Palaesten im Mondenschein,
Wo die Mädchen am Fenster lauschen,
Wann der Lauten Klang erwacht
Und die Brunnen verschlafen rauschen
In der praechtigen Sommernacht. ―
【散文訳】
憧憬
かくも黄金色に、星々は輝いていた
窓辺に、わたしは孤独に立っていた
そして、遥か遠くから聞こえて来る
静かな国の郵便馬車の角笛の音を聞いていた。
わたしの心臓は、体の中で、燃えた
と、密かにこう思ったのだ:
ああ、だれか、ここで、一緒に旅のできるものが
荘厳な夏の夜に、いないだろうか!
ふたりの若者が、道を行った
山の崖を通って
わたしは、旅をしながら、ふたりが歌うのを聞いた
静かな辺りに沿って行きながら
目眩(めまい)のする峨々たる山峡の歌を
そこには、森が穏やかに、葉ずれの音を立てている
峡谷から森の夜の中へと突入する泉の歌を
ふたりは、大理石の像について歌った
岩の上の
黄昏れ行く葉むらの中で荒廃する庭について
乙女たちが、窓辺にいて、聞き耳を立てている
月光の中の宮殿について歌った
いつ、ラウテの響きが目覚めるのか
しかし、泉は、眠ったまま、潺湲たる音をたてている
荘厳な夏の夜のうちに
【解釈と鑑賞】
何か、シュールレアリスムに通じる、アイヒェンドルフの詩です。
わたしは、この詩が好きだと思いました。いい詩です。
訳していて、実に楽しかった。
時間の無い詩だといっていいでしょう。それが、楽しさ、愉快の原因なのです。
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