【西東詩集32】 Lesebuch(読本)
【原文】
Lesebuch
Wunderlichstes Buch der Bücher
Ist das Buch der Liebe;
Aufmerksam hab' Ichs gelesen:
Wenig Blaetter Freuden,
Ganze Hefte Leiden;
Einen Abschnitt macht die Trennung.
Wiedersehen! ein klein Kapitel,
Fragmentarisch. Baende Kummers
Mit Erklaerungen verlaengert,
Endlos, ohne Mass.
O! Nisami! - doch am Ende
Hast den rechten Weg gefunden;
Unauflösliches wer löst es?
Liebende sich wieder findend.
【散文訳】
読書
本の中の最も奇妙な本は
愛の本である。
注意深く、わたしはそれを読んだ。
数ページをめくっただけで、悦びがある
全一冊を読むと、苦しみがある
別離が、一章をなしている。
さようなら!小さな章よ
断片的な。苦しみの巻々が
多くの説明によって、引きのばされる
果てしなく、際限なく。
ああ、ニサミよ! しかし、竟(つい)に
お前は、正しい道を見つけたのだ
解き難いものを、誰がそれを解くというのだ?
愛する者同士が互いを再び見つけているということなのに。
【解釈】
愛する男女が別離を経験して、再び後に会い、一緒になることの、苦しみと悦びを歌った歌です。
或は、正しくは、そのような愛の本を読んでの感想ということになります。また、ゲーテは、それを自分自身の恋愛に重ねているのではないかと思います。
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