2013年2月2日土曜日

【西東詩集31】 Noch ein Paar(もう一組)



【西東詩集31】 Noch ein Paar(もう一組)


【原文】

Noch ein Paar

JA! LIEBEN ist ein gross Verdienst!
Wer findet schöneren Gewinst?
Du wirst nicht mächtig, wirst nicht reich,
Jedoch den Größten Helden gleich.
Man wird, so gut wie vom Propheten,
Von Wamik und von Asra reden.ー
Nicht reden wird man, wird sie nennen:
Die Namen muessen alle kennen.
Was sie getan, was sie geuebt
Das weiss kein Mensch! Dass sie geliebt
Das wissen wir. Genug gesagt,
Wenn man nach Wamik und Asra fragt.


【散文訳】

もう一組

そうさ!愛するということは、偉大な奉仕だ!
だれが、より美しい獲物を見つけることだろうか?(そのような獲物はないのだ)
お前には力がない、豊かでもない
しかし、最も偉大な英雄達に似ている。
ひとは、預言者についてよく話すように
ヴァミークとアスラについて、話すだろう。

ひとは、話すのではないのだ。ふたりの名前を挙げるのだ。
その名前は、だれもが知らずにはいられない。
ふたりが何をしたか、ふたりが何を営んだか
それを知っている人間は誰もいない!ふたりが愛したということを
それを、わたしたちは、知っている。それで、十分に言ったことになるのだ
もしヴァーミックとアスラのことを問うならば


【解釈】

前の詩で歌って、その名前を挙げた有名な恋人同士の名前のあとに、もうひとつの恋人同士の一組の名前を挙げて、ゲーテは、この詩を歌います。

この7つめの恋人同士に重ねて、ゲーテは自分自身とその恋人の姿を歌い始めています。

この恋人同士の姿、そのようなありようが、如何に大切であることか。

ひとに知られて、そして、ひとに知られぬ、そのような恋の姿です。

この一組のふたりが、預言者について同様に、世間で話をされるという表現は、大切な表現だと思います。

ここに、ゲーテのこころが現れていると思います。




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