2012年12月29日土曜日

【Eichendorfの詩 17-5】Der verliebte Reisende (恋する旅人)


【Eichendorfの詩 17-5】Der verliebte Reisende (恋する旅人) 

【原文】

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Gruen war die Weide,
Der Himmel blau,
Wir sassen beide
Auf glänzender Au.

Sind's Nachtigallen
Wieder, was ruft,
Lerchen, die schallen
Aus warmer Luft?

Ich hör die Lieder,
Fern, ohne dich,
Lenz ist's wohl wieder,
Doch nicht für mich.


【散文訳】

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緑なのは、野原であった
天は青く
わたしたちは、ふたりとも坐っていた
輝く沃野に

夜啼き鴬だろうか
再び、何を呼んでいるのだろうか
雲雀は、響いて来るその声は
暖かい空気の中から

わたしは歌を聞く
遥かに、お前もいないまま
春は確かに再び来ているが
しかし、わたしのためではないのだ。

【解釈と鑑賞】

愛する女性と別れて旅をする旅人の心境が、今までの詩と同様に歌われています。

野原、夜啼き鴬と雲雀、そしてその声、天、歌、女性、その女性がここにいないということ、春なのに、自分はそこにいないこと。

これらのことの全体が、この詩人の詩情を形作っています。

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